ロールプレイ試験
テリー冒険案内所クダンスター支店
店内の2階にある一つの部屋の中に【試験】が行われている。
「では、本題に入りましょう。」とリトルマーシュは先ほどまでした雑談を切り上げて、本題に入ろうとした。
「今からはロールプレイを実施します。私は王国のアイテムショップの店員で、スケトくんは王国に来たばかりのドゥナリアスの冒険者で全く王国の言葉がしゃべれません。ヴィオさんは通訳として私とスケトくんの間に入って、彼の要望を聞いて、私に正確に伝えるようにということです。もちろんメモを取っても構いません。では、準備ができ次第、スタートを言って下さい。あ、忘れました。私はセリフの正解な回答を持っていますので、あなたたちの言語では分からなくても会話の重要ポイントで判定させていただきます。」と説明したリトルマーシュに対して、ヴィオは緊張し始めた。
そこで、スケトは少し言葉を加えた。
「大丈夫ですよ...僕たちは現在のあなたのレベルが知りたいだけです。自分が思うように訳してみてください。足りない部分はこれから訓練と実践を積める話です。」と言って、ヴィオを安心させようとした。それを聞いたヴィオの表情は自信が見えてきた。
「分かりました。やってみます。」とスケトに言って、ヴィオは息を整えて、「では...スタートでお願いします。」と覚悟を決めて、ロールプレイを開始する合図を送った。
(ここからはロールプレイになるため、リトルマーシュ(店員)、スケト(客)、ヴィオ(通訳)という役で通訳された内容をお届けいたします)
店員「では...すみません。こちらのお客様は何かが購入したいようですが、何を言っているか通訳していただけないでしょうか?」
通訳「分かりました。こ、こんにちは。何かご用でしょうか?」
客「あ...ドゥナリアスの言葉が分かる人か...あのですね。ここでアイテムを売っていると思いますけど、まずは回復液20本と解毒剤10本と万能薬2本が欲しいです。あと、武器と防具も...
通訳「あ、はい...それは...大変ですね。では、店員さんに伝えてみますね。」
客「あ!すみません...万能薬は5本にしてもらえますか?」
通訳「え!?ええ...分かりました。店員さん...お待たせしました。お客さんはいくつかのものが購入したいとおっしゃています。」
店員「かしこまりました。何かのご希望するでしょうか?」
通訳「えーと...まずはポーション20本とアンチドート10本...あとは、えーと...万能薬5本が欲しいですが、万能薬とはどのようなものか王国語でどう呼ばれたか分かりません。ご存じでしょうか?」
店員「万能薬...ですか。うちにある薬の中で即回復タイプとほぼのバッドステータスを全部効くタイプに分かれていますが、この中のどちらかじゃないでしょうか?ちょっと聞いていただけますか?」
通訳「あ、はい...あの...お客様、すみません...お探ししている万能薬には即回復とほぼの異常状態に効くの二種類がありますが、どちらを探していますか?」
客「あれ?僕が知っている万能薬は両方の効果がありますけど、それがないですか?」
通訳「あ、えーと...確認してみます。すみません、店員さん...お客さんが言うにはその万能薬は両方の効果があるとおっしゃっていますが...」
店員「あ...それはエリクサーですね...高価のアイテムでうちにはないので、専門店に行ってみてくださいと伝えていただけますか?」
通訳「あ、分かりました。あの...お客様...お探ししている万能薬はここに売っていないので、専門店に行ってみてくださいと言われました。」
客「そうですか...分かりました。他に頼んだものはまだありますか?」
通訳「回復薬と解毒剤はあります。」
客「武器と防具は?」
通訳「あ、すみません!聞いてきます!...あの、店員さん。武器と防具も探しているようです。鎖...鎖でできた
店員「鎖の...あ...チェーンメイルですね...それはありますが、ドゥナリアスの剣は残念ながら扱っておりません。代わりにツーハンデッドソードはいかがか聞いていただけますか?」
通訳「聞いてみます。お客様...カタナはありませんが、両手で持つ剣ならあります。あとは鎖帷子があります。どういたしますか?」
客「やはりカタナはないですね...分かりました。では、鎖帷子を買います。あの両手の剣はちょっと自分で選びたいので、あるものを見てもいいですか?」
通訳「分かりました。伝えておきます。えーと、まずはチェーンメイルは買います。後はツーハンデッドソードについては自分で選びたいと言われて、あるものを見せてもらえるかと聞いています。」
店員「あ、はい。どうぞこちらに...と、ここでロールプレイを終了します。お二人共、お疲れ様でした。」
とリトルマーシュはロールプレイの終了を告げた。
安堵と疲れの表情を同時にしたヴィオ。
表情を変えずに「お疲れ様、ヴィオ」と言ったスケト。
そこでリトルマーシュはヴィオの方を見て、話を始めた。
「初めてにしてはよくできました。特に国によって呼び方が違うものやその国の独特なものの場合、どう説明すればいいかかなり難しいことです。そこで別の呼び方などの表現を使って、わかりやすく相手に伝わることが大事です。それができるというのはセンスがあります。」と自分の意見を述べた後、スケトの方を見た。
「スケトくんには何かコメントがある?」
「そう...ですね。リトルマーシュさんとは似ている意見です。初めてとしてはよく臨機応変に対応できました。あとは言葉の使い方も女性ならでは柔らかくて、お客様には安心させますね。今回のシチュエーションとしては買い物のシナリオなので、この場面の注意事項としては注文の内容です。お客様が欲しい物の種類と個数は必ず繰り返しで確認するように...今回も少し漏れがありましたね。優しいお客様なら大丈夫だと思いますが、短気なお客様の場合はかなり厄介なことになります。もし自分にとっては内容が長すぎて、ついて行けないときはお客様に...すみません...まずはこれまでの内容を店員さんにお伝えしてもよろしいでしょうかと言って、一旦内容を伝えてもいいと思います。内容の伝え漏れることを防止するためにこれも意識すればと思います。」と正確なアドバイスについて説明したスケトはまた優しい顔をして、ヴィオを見た。
「僕にとってはこれから経験を積めばより良い案内人になると思います。素質は持っていると思います。以上です。」と言って、リトルマーシュの方を見た。それに対して、リトルマーシュは少しの笑みを浮かべて、こう言った。
「分かりました。スケトくんがそう言うなら、この子をもっと磨きましょう。ヴィオさん、あとは訓練と実践になりますが、この試験にとっては【合格】です。おめでとうございます。」
「あ、はい!精一杯頑張ります!よろしくお願いします!」と結果を聞いたヴィオは喜びの表情でリトルマーシュとスケトに御礼で頭を下げた。
「あと...突然で申し訳ないけど、スケトくん。近いうちに出張の依頼が来たんだ。詳細はまた後で連絡する。今回の出張はヴィオくんも一緒に連れて行くことにする。」
「出張...ですか?分かりました。いきなりヴィオさんを連れて行くということは...行き先はあそこですか?」と了解をしたスケトは何かを悟ったようにリトルマーシュに確認のために質問形にした。
「あ...そう...君の出身に近い国...【ソアル】だ。」
ダンジョン案内人兼通訳...新人同行の出張の依頼で異国へ...
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