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信じられない...
さっきまで全滅だと思われた
みんなが...立ち上がって、再び巨大モンスターに挑んでいる。
と戦士の男は前と違う意味で目の前の光景を疑っている。
魔法使いの男は距離を保ちながら、詠唱しはじめた。
「水の精霊よ、冷気に包まれ吹雪と化し...敵に永遠の眠りを!
と呪文を唱え終わった瞬間、巨大ムカデがいる床から氷が出現し、徐々にモンスターの体をまとわりついた。
同時に動きが封じられたモンスターのもとに盗賊の女、ヴィオは高速で接近した。
そして、彼女が動き出した直前には神官の男は即座に
透明バリアのような光の魔法、プロテクションが敵に接近中のヴィオの体を纏いつき、彼女はさらにスピードを上げた。
彼女の次の動きは巨大モンスターの体に飛び出して、駆け上がった。
そして、前回仕留めし損ねた甲殻の隙間の浅い傷口にもう一度手にしているダガーで突き刺さってさらに抉り、今回は見事に成功した。
その隙間から濃い緑色の血のような液体が噴き出し、初めて巨大な相手が痛みを感じたかのような鳴き声は大きく発して、その空間に響いていた。
さっきまでバラバラで全く連携が取れなかったパーティの動きは正確さが増して、無駄な動作やタイミングも減っていき、ここまで敵を追い詰められた。
これは...
この人のおかげだ...
攻撃を仕掛ける数分前、ダンジョン案内人兼通訳のスケトは回復して立ち上がった皆を集めて、一旦光りを消すように指示した。
皆が集まって、光が消えた瞬間...彼は話し始めた。
「皆さん、無事で何よりです。光を消しても相手は僕たちの気配が察知できるので、手短に作戦を伝えます。前列と後列に分けて、魔法使いさんは今度炎ではなく、弱点である氷属性でまず動きを止めて、相手の巨大な体を利用した形でパーティ内の一番スピードある盗賊のヴィオさんに攻撃を仕掛ける。さっきの同じ箇所でやれば致命傷が与えられると思います。神官さんは光を出した後にすぐにヴィオさんへのプロテクションがかけられるように詠唱の準備をしてください。では...僕の合図で光を照らして、作戦開始です。いいですね...では、1...2...今です!」と合図を送ってから、今の展開になったことを思い出した戦士の男。
彼のそばに立っているのは今回たまたまに雇われたダンジョン案内人兼通訳...まさに
そして、目の前にいる巨大な威勢が崩れ、モンスターが倒れ込んだ。
「では、最後にモンスターの仕留めは一番力持ちのあなたです...戦士さん。」と言ったスケトに対して、まだ頭の整理が追いつかないのか反応しなかった。
ここまでできたのはこの人が助けてくれたからこそだ...
逆に自分の行動で仲間に危険を晒してしまった。
これで手柄を取る資格なんて...と思ったら、隣のスケトに背中を叩かれた。
振り向いたら、彼は笑顔でこう言った。
「私はあくまで案内人兼通訳であり、実際に冒険をしているのはあなた方です。命の危機を感じるときには全力で守りますが、今の状態ではあなたたちで倒せるでしょう。どうぞ...あなたの冒険の続きを!」と指で倒れたモンスターを指した。
そこには、彼の方を見ている仲間たちが...戦士の男の渾身の攻撃を待っている眼差しだった。
スケトの言葉を聞いて、仲間たちの目を見ると、戦士の男の目の輝きが再び戻り、剣をより強く握りしめた。
「おおおおおおおおお!」と雄叫びした後、彼は巨大ムカデのところに走り、一度ヴィオが傷口を開けた甲殻の隙間を両手に持った剣で全力で振りかざした。
巨大ムカデの頭が胴体から切り離され、動きが完全に...止まった。
...
しばらく時間が経つと、冒険者パーティ4名とダンジョン案内人兼通訳1名がダンジョンの入り口から出た。
「は...!外の空気がおいしい!」と出た早々、大声で叫んだ戦士の男。
「全く...本当に少しでも反省の気持ちを持ったらどうですか?今回はほぼあなたのせいでパーティ全滅のところでしたよ。」とやはり戦士の男の態度に気に食わない様子で文句を言った魔法使いの男。
「まあまあ...皆は無事だし...いろいろあったけど、今回はスケットさんに助けられましたね。本当に助かりました。」と喧嘩の仲裁をしながら、本当の功労者に向けて、御礼の言葉を言った神官の男。その隣には言葉を発しないものの、神官の男の言葉にすごく賛同したい勢いで強く首でうなずいて目のキラキラを見せた盗賊の女、ヴィオ。
「こちらこそ至らないところも多くて、もっと早く対処できないという反省点がありますので...また、感情が入った発言にも謝罪すべきです。その件については申し訳ございません。」と逆に謝罪の言葉を述べられた。
「そんな細かい話は気にすんな!みんなは無事じゃないか...いや...でも、本当にあんたはすごかったよ!冒険にも安全のことを考えないといけないよな...勉強になったわ...本当に助かった...今後はあの...あれだ!指差し呼称をしよう!」と冗談なのか本気なのか分からないことを言い出した戦士の男。
ここで彼の
「いいえ...今回のことでより安全で効率的な冒険に少しでも貢献できれば幸いです。」とまたお辞儀をしながら、話したスケト。
「本当に謙遜だな...あんた、本当になんでそんな街の片隅にある案内所で働いているんだ?もっと活躍できるだろう?その実力なら、【スリースピアーズ】でも入れるんっじゃない?」という賞賛のあまりに出た発言した戦士の男だった。
...ん?
気のせいか...
一瞬スケトさんの顔が引きつったように見えなくもない。
他の人が気づいていないらしいが、ヴィオはその一瞬を見逃さなかった。
しかし、ただ一瞬で通常の顔に戻ったスケトは笑顔で回答した。
「はは...ご冗談をよしてください。あなたたちはこれからも最終入団試験に挑むじゃないですか...今回の件で何か役に立てるか分かりませんが、あなたたちのポテンシャルなら挑戦する権利があると僕が思います。」と言ったら、戦士の男の表情は少し変わった。
「その件だけど...俺たちにもまだまだ鍛え直さないといけないなって今回の件で身を以て知ったわ。しばらくは故郷で経験をさらに積んでから...また挑戦するよ。またあんたの案内を頼むかもしれないから、そのときはよろしくな!」と戦士の男はスケトの肩を叩いて、笑顔で話した。
「はい!ぜひ!この度はうちのダンジョン案内人兼通訳のサービスを【ご利用】いただき、誠にありがとうございました!またご縁があれば、どうぞよろしくお願いいたしますね!」とスケトは満面の笑みを見せて、深くお辞儀をした。
挨拶が済んで、冒険者たちと別れた後...
一人になったスケトは少し
そして、自分に言い聞かせるように独り言が始まった。
「【スリースピアーズ】だと...ふさげんな」
「何が超一流冒険者ギルドだ...冗談じゃない...そんな地獄に戻るなんて二度とごめんだ!くそ!!!」
「戻るものか...あんな
は...
は...
いけない...
動悸が...呼吸が荒れている
心臓が...締め付けられたようで苦しい...
うっ!?
ヤバい...
なんとか最後まで耐えてきたと思ったけど、さっきの最後の言葉で限界が来てしまったようだ。
そう...
彼の手の甲に記された、自称「鬱」のハート形のマークは一個も残らなかったことには彼が見てしまった。
今はまさにそのバステが発動している。
意識が遠くなってきた彼は、壁に背中をもたれて、段々座り込んだ姿勢になった。
ここで倒れるのはマズい...
と思っても、今の彼は自分の宿の戻る余力なんてなかった。
あと少しだったのに...
なんで俺はこんな呪いを背負わなければならないのか...
答えてくれよ...神様...
本当にいるなら...の話だけど...
俺を...
この【罰】から解放してくれ
意識が完全になくなる前に最後に誰かの声が聞こえた...
「誰か!...助けてください!」という言葉で...
それが聞き覚えのある...母国語だった。
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