立花・助人(神官見習い①)

僕の名前は立花タチバナ助人スケト


人間になって欲しいという願いを込めて、両親に付けられた名前だ。

生まれ育ちはドゥナリアスという島国で、初めて王国に訪れたのは12年前だった。

本来の目的は王国の技術を学ぶためだった。

当時ではドゥナリアスよりナパジュ王国の方の技術が発展したと言われている。


遠い昔の戦争ではかつて一番勢力を持っていたインナムレグ帝国の同盟を結んだドゥナリアスは敗戦に伴い、他の戦勝諸国によって様々な貿易制限と制裁を受けた結果、今に至るまでは国の発展がかなり困難だった。その影響でもあるかドゥナリアスには独自な技術と文化という独特な成長を遂げた。

その一方、他国との交流が少なく、現在になっても黒髪と黒い瞳はドゥナリアスの人間という特徴であり、証でもある。

そして、【敗者の烙印】でもある。


それはさておき、王国の技術を学ぶのは家業を継ぐためでもあり、自分の国にはない技術を活かして、さらなる事業の拡張や新しい発明の着想を得るためでもあった。

技術を学んで、母国に帰還し、国のために貢献する計画だった...

しかし、あることがきっかけでというジョブに就きたいと志して、神官見習いになった。


...

現在


「神官...」


少し自分の過去を明かしたスケトの話を聞いたヴィオ。

そこで、スケトはヴィオに微笑み、次のように話した。

「明日は早いので、今日のお話をこれぐらいにしましょう。また今度機会があれば、ぜひまた話しますね。」

「う、うん...ありがとうございました。」とうなずいて、御礼を言ったヴィオ。

「では、今日はお休みなさい。」と言ってから、スケトは立ち上げて、自分の部屋に戻るために階段を上った。


スケトさん...前の仕事と神官は何か関係があるのかな...

...

とりあえず明日の冒険に備えようと思って、ヴィオも自分の部屋に戻った。

しばらくすると、他の三人が無事に宿屋に戻った。


夜が明けると、楽しい冒険が始まる。

その予定のはずだった...

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る