第60話 西の山の探索と新規ルートの開拓。
【異世界生活 97日目 7:00】
「おはよう、りゅう君」
ツリーハウスができてからの
そして、他の女の子達にもバレバレだぞ。たぶん。ケモミミは耳がいいからな。
「
俺はそう言って、周りにも気を使う。
「だって、りゅう君、また、2週間くらいいなくなっちゃうんでしょ? だから今のうちに、いっぱいりゅう君エキスを補充しておかないと」
これはキリがなさそうだ。
少しだけイチャイチャして、キリがいいところでツリーハウスから降りる。
挨拶を交わすが、先に起きている女の子達の呆れるような視線が痛い。
早起きの
今日は午前中に遠征の準備をして、お昼ご飯のあと、西の山の探索に出発する予定だ。
俺と
ちなみに、残るメンバーは
牛の運搬能力は高いからな。100キロ以上積めるから人の4〜5人分の働きをしてくれる。水と草があるところならどこまでもいけるし、足腰も強い。スピードは期待できないけどな。
それと、
お昼は、干し肉と野菜や山菜を炒めたものを、トウモロコシの粉を水で溶き、薄く焼いたクレープみたいな皮で巻いた、トルティーヤっぽいものを食べる。塩味だけだが、野菜と肉のエキスが出てなんか美味い。
「これは美味いな」
自称グルメな
【異世界生活 97日目 13:00】
それぞれ、カバンに道具や食料、水筒、テント代わりの麻布、護身用の槍と予備の槍を持って、牛にも牧草や水瓶、荷物を積んで準備完了。
山道の探索なので人も牛も荷物は5割ほどに抑える。不慣れな山道だし、帰りは引越しの荷物もあるしな。
「それじゃあ、行ってくるな」
「りゅう君、みんなも気をつけてね」
俺の挨拶に
とりあえず、南の林を進んで、滝の上に出る。
そこで水筒に水を汲み、牛用の飲み水も水瓶に汲み、牛にも水を飲ませる。
その間、俺は、
この世界の魚は人を恐れないから釣りをするより簡単に捕れるようだ。
川を覗いて、魚がいたら弓矢をできるだけ近付けて矢を放つ。矢が刺さったら矢につながった麻紐をたぐり寄せると魚が手に入る。そんな感じだ。
「川沿いの移動なら魚も捕れていいかもしれないな」
俺は3匹魚を捕り、みんなに合流してそう言う。
「飲み水の不安がないのもいいわね」
魚のわたを取り、槍に吊るして、牛の準備もできたみたいなので、川沿いの獣道を歩き始める。
牛がたまに草を食べるために立ち止まるので休みながらゆっくり歩く。なんか、ペースメーカーになってくれているようで落ち着いて歩けるかもしれない。
俺は牛の親子と
牛が草を食べながら進むペースと、
「
俺が
行きに持って歩いても、鉱石が拠点から離れるだけで何の意味もないからな。体力の無駄だ。
まあ、
夕方、早めにキャンプを設営、俺は魚を捕って、他の子は薪を集めて、日が暮れたら夕食だ。
【異世界生活 97日目 18:30】
「こっちの道は草木があって、気持ち的にも歩き易いな」
夕食の焼き魚を食べながらそう言う。
「そうだね。景色を楽しみながら歩けるから、ハイキングみたいでいいかもね」
「だけど、森もあるし、オオカミやクマも出そうだから気をつけないとね」
「クマが出たら
俺がふざけてそう言うと、
「
そうだよな。戦闘狂の
話を変えるように、
とりあえず、少量で、小さい物しかないみたいだが、鉄や銅が含まれていそうな鉱石と石英や水晶っぽい石を確保しながら歩いているらしい。
そういえば、石英を集めて『るつぼ』を神様に作って欲しいとか言っていたもんな。
20時になると
明日は俺と
俺は、けもみみ効果で夜行性になったせいか、寝付けず、1時間くらい、
最近は砂糖作りに小麦の収穫やトウモロコシの収穫と忙しく、
麻糸作りの単調作業のおかげか、眠気が出だしたので立ち上がり、寝ようとすると、
「
「
俺は座り直すと
「だって、最近、
お互い小声でイチャイチャしていたつもりだったのにまる聞こえだったのか。まあ、
「しょうがないなあ」
俺は
☆☆☆☆☆☆
「
俺はぐったりした
「仕方ないじゃない、神様が生やしたんだし、私のせいじゃないし」
そう言って、俺の肩に頭を寄せてしなだれる
顔にあたるふわふわの狐耳が心地よい。
「なんか、私も最近、こっちに来てよかったかな? って、気がするの。向こうの世界じゃ、
「今も、友達だぞ。
俺はからかうようにそう言う。
「もう、
「ねえ、
素直で可愛い
☆☆☆☆☆☆
【異世界生活 98日目 5:50】
「おはよう、
俺は少し早めに目が覚めて、テントから出て挨拶をする。
「おはよう、
「おはよう、
「はあ、失敗したわね。夜の見張りの順番、私が一番不利じゃない」
「おはよう」
少し遅れて
何もなかったように、いつもの
最初に、川で牛に水を飲ませながら、牛が夜飲んだ分の水を水瓶に補充し、川に沿って山を登る。
今日も牛はゆっくり草を食べながら、
ただ、休みながらがいいのか、疲れずに歩け、ペースも悪くない。明日か明後日には川の分岐点につけそう、予想どおり1週間くらいで南の拠点に行けそうなペースだ。
「ガサッ」
川と反対側にある林の藪が揺れる。
「
俺は大声を上げ、荷物を置き、石斧と槍を持ち、牛と
いつもの戦略、石斧を投擲してからの槍での攻撃の構えだ。
もしかしたら、キャンプをしていた時から追跡されていたのかもしれないな。
そんなことを考えながら気配のする方を睨みつつ、牛と
少し遅れて、
そして、現れたのは、今までに見たこともない、巨大なクマだった。
次話に続く。
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