第58話 北の平地に新しい拠点を作ろう。
【異世界生活 64日目 7:00】
「りゅう君、朝だよ」
昨日は
砂糖作りで、3人、4人で別れての行動が多かったし。茶葉を摘みに行ったときは3人用のテントだったから
「昨日はお楽しみだったみたいね」
早起きの
「おはよう、
明け方の見張り担当だった
「おはよう、二人とも」
俺はそう挨拶して、たき火の周りに座る。
今日のご飯は魚の塩焼きだ。
「最近、魚が多いな。砂糖作りも落ち着いたし、拠点を移動したら食料集めをするか」
俺はそういう。
「そうだね、最近は、
「今日は拠点を移動するんでしょ? 私達で、キャンプの片付けしておくから、りゅう君は誰か誘ってバナナを採ってきたらどうかな? バナナ採り行って帰ってきたら片付けも終わっているころだろうし、そのまま、新拠点に移動する感じでどう?」
「そうだな、新しい拠点からだと、バナナの木があるところは遠くなるしな。そうするか」
俺はそう答える。
砂糖作りが一段落したので、今日は、もう少し暮らしやすいところに拠点を移動するのだ。今の臨時拠点は日影がないし、薪を集める林が遠いし、川の水が少し泥や砂を含んで濁っているし、
「おはよう」
全員がそろったところで朝食を食べながら、バナナの話をする。
「そうだな。さすがにそろそろ魚も飽きてきた。私が付き合おう」
そう言って
結果、
そんな感じで、いつもの日課、
【異世界生活 64日目 13:00】
「結構、たくさん採ってきたね」
「まあ、久しぶりだしな。3日くらいバナナ尽くしでもいいかなって。新拠点でツリーハウス作りも忙しくなるし、あまり食料確保には人手が割けないかなって」
俺はそう言って
今日の遅いお昼ご飯は焼きバナナと焼き魚だ。
「拠点の移動ができたら、また野菜を取りに行きたいね」
「私も牛さんのお世話少しならできるから、行ってくればいいよ」
とりあえず、拠点の移動ができたら、3人くらいで日帰りの探索することになった。
キャンプの片付けも終わったようで、お昼ご飯が食べ終わると後片付けをして、拠点の移動を始める。
足の遅さは気になるがそもそもみんな徒歩なので気にならないし、何より重い荷物を代わりに持ってくれるのでみんなの荷物を減らせられるし、一度で引っ越しもできるし、採りすぎたバナナも運んでくれた。
「牛は仲間にして正解だったな。牛乳も飲めるし、荷物も運べるし、
「こっちの拠点ができたら、南の拠点から荷物持ってくるときも牛に運んでもらえばだいぶ楽になるわね」
「薪を積んで山を登れば、途中のたき火にも困らなそうだしな」
俺はそう言って山越えの苦労を思い出す。
「でも、山の上の方は草も生えていないから、牛さんの食料とか水も持っていかないとね。あと、子牛がもう少し育たないと可哀想かも?」
そうか。山の上の方は牛のエサや水が問題だな。子牛も引き離すわけにはいかないしな。
そんなことを考えながら、川沿いに南に登り、川が浅くなったあたりで、川を渡り、さらに南に進み、目的の滝に到着。そこから、東に進み、川沿いの林が途切れるあたりが目的地だ。
【異世界生活 64日目 16:00】
「うん、良さそうなところだね」
牛も草原の草を美味しそうに食べている。ここなら牛も育てられて、ツリーハウスも作れる木もあって、薪も拾い放題。少し歩けば飲み水が汲める川があり、
「
「行ってきていいよ。私たちが片付けしとくから。家作るのにも竹も欲しいし」
とりあえず、俺と
急いで、竹を採り、帰ってくると、もう18時で日が暮れてしまった。
とりあえず、当分の間はテントで過ごしながら竹を運んできて、防衛のための柵作りをして、ツリーハウスを作る予定だ。
ある程度竹を運び終えたら、食料探しも兼ねた探索も始める。
とりあえず、今日は少しだけ、柵を作って、夕食を食べ交代で就寝する。
【異世界生活 65日目~67日目】
それから3日間はひたすら俺と、
牛が竹を運ぶ手伝いをしてくれたので、南の拠点作りのときよりはハイペースで竹を運ぶことができた。それに30分くらい歩けば竹林なので効率もよかった。
最終日は
【異世界生活 68日目~69日目】
今日は、竹集めも一段落ついたので、俺と、
1日目に探索した北東はこの間、牛の群れに会ったところだ。残念ながら牛の群れには会えなかったが、前回同様、トマトやキュウリやナスといった野生の野菜がとれた。
2日目の東の探索は、トウモロコシ畑を見つけることができた。ちょうど収穫の時期だったようで、持って帰る。トウモロコシは干して保存食にもできるらしいので、小麦の収穫時期になるまで、トウモロコシを収穫することになった。
そして、晩御飯は焼きトウモロコシが美味しかったが、みんな醤油が欲しくなった。
【異世界生活 70日目】
3日目は南東に探索に行く。
俺と、
1日目と2日目と変わらず、野菜や山菜などを採りながらの探索だ。
そして、前日と大きく違ったのは、
「
「お兄ちゃん、トウモロコシ出して!! 餌付けするよ!!」
「ニワトリさん、ご飯だよ。美味しいトウモロコシだよ」
そんなのでうまくいくのか?
「ニワトリさん、美味しいご飯食べられるよ。一緒においでよ」
言葉通じるのか? テイマーのスキルって事か?
ニワトリが首をかしげながらも近づいてきてトウモロコシを食べだす。5匹のニワトリ。なんか茶色い地鶏みたいな感じ? 野生のニワトリっぽい外見だ。
なんか
15分くらい
自然にニワトリを2匹抱え上げると、こっちに戻ってくる
残りの3匹もついてくる。
「ニワトリさん達も仲間になってくれるって。これで卵が食べられるね」
「野生のニワトリって、そんな簡単に家畜化するものなのか?」
俺は疑問に思い
「テイマーのスキルじゃない? なんとなく、動物と心が通じ合うし、話すと結構分かり合えるものだよ? 基本、安全で、エサがあるならニワトリさんOKみたい?」
鑑定すると、オスが2匹、メスが3匹のニワトリの群れだった。
「りゅう君、どうしたの? それ?」
拠点についてそうそう、
「
俺も説明のしようがないので2匹のニワトリを両脇に抱えながらそう言う。
「多分、逃げないとは思うけど、柵や小屋を作った方がいいだろうね」
テイマーという職業。謎過ぎる。
とりあえず、早めに帰って来てしまったので、みんなでニワトリの小屋と柵を日が暮れるまで作る。
ニワトリも少しは飛べるらしいので広めのスペースに1メートルくらいの柵を作って逃げないようにして、夜に休める小屋も作る。
ニワトリも小屋が気に入ったようだ。
そして、
「ツリーハウスに使う予定の竹がニワトリの小屋になっちゃったね」
と愚痴をこぼす。
「明日以降、俺がまた、竹を採りにいってくるよ」
そう言って、
「
それから、俺は、3週間くらい、竹を採る作業とトウモロコシを取ってくる作業の繰り返し、時々野菜も取ってきたり、小麦畑を見に行ったりして収穫時期を確認する。
あと、時々イノシシやオオカミ、それとシカにも遭遇したので倒して食料や毛皮を確保する。
【異世界生活 90日目】
そんな感じで、探索をしながらのツリーハウス作りだったので、3週間以上かかってしまったが無事完成、北の拠点が出来上がった。
前回、南の拠点では4軒家を作ったが、結局、
最初から俺と
1軒目は
2件目は
3軒目は俺と
ただ、
「どうせ、
と言って、
実際、
そして、仲間にしたニワトリの卵も孵化してヒヨコがいっぱい増えていた。
次世代が確保できたのでこれからは卵も食用にするらしい。
なんか、牛もニワトリもいる小さな村みたいになった新拠点。
トウモロコシの収穫も進み、食べる分以外は干して乾燥させて保存食にする。
季節的には7月に入るらしく、夏っぽくなってきた。
明日からは念願の小麦が収穫できそうなので牛を連れて収穫に行く予定だ。
次話に続く。
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