第57話 雑談しながら作業。紅茶を作ろう。

【異世界生活 60日目 9:00】


「それじゃあ、行ってくる」

俺はそう声をかけて、探索に出発する。

 俺、一角いずみ明日乃あすのの3人でサトウキビ畑からさらに西の山の斜面に自生している茶葉を採りに行く。

 別に茶葉はサバイバルに必需品というわけではないが、小麦の収穫まで時間があるので採りに行こうということになった。

 こんなことしている間に、すずさんが中心になって錬鉄でもした方がいいんじゃないかとも思ったが、錬鉄の為には拠点をちゃんと作り、そのそばに水車を作って自動で空気を送る装置を作らないといけないそうで大仕事になる。

 なので、小麦の収穫が終わって落ち着いたらやる事になった。それまでは、気になることは全部やろうということで、砂糖作りと茶葉の摘みとりをやろうということになったわけだ。

 

 茶葉に関しては何も問題も起きずに、獣に襲われることもなく、1泊2日でかごいっぱいの茶葉が3かご分採れて何事もなく帰ってくることができた。

 山の斜面と言っても、平地から少し登ったところに野生の茶の木があり、その斜面に行く平地も草原の中にある獣道をひたすら2時間ほど歩くだけで着いた。

 ただ、このあたりは、小麦畑のあたりほど肥沃ではないみたいで、雑草と食べられる野草が少しある程度、野菜っぽい物や小麦もなく、保存食と野草の野菜炒めやスープのわびしい食事が続いた。

 茶畑に到着後は明日乃あすのの本の知識を参考に、先の3枚だけを摘み取り1日目の午後と、2日目の午前を使って摘み、拠点に帰ってきた感じだ。



【異世界生活 61日目 19:00】


「なんか、あっけない感じだったな」

夕食を食べながら俺がそう言う。

 俺達は獣に襲われることを想定しながら警戒しながら進んだが、結局、オオカミ1匹出てこなかった。


「まあ、こういうときもあるんだろ? それより、紅茶づくりが面倒臭いんじゃないか?」

一角いずみがそう言う。


「そうだな。発酵と乾燥を失敗しなければそこそこの物は作れると思うけどな。まずは、採ってきた葉っぱを日陰で1日か2日干して、水分を飛ばして、萎れさせる。その後よく揉んで葉の繊維を壊してから発酵、茶色くなったら熱を通して発酵を止めて乾燥させたら出来上がりらしい」

俺は秘書子さんと明日乃あすのに紅茶の作り方を聞いて説明する。


「じゃあ、明日から砂糖作りと並行して紅茶づくりも開始だね」

明日乃あすのがそう言う。紅茶がかなり楽しみのようだ。


流司りゅうじに頼まれていた竹のざるだけどね、竹を薄く剥いだものまでは作れたんだけど、組むまではできなかったから、みんなに手伝ってもらっていいかな?」

すずさんがそう言う。

 紅茶を干したり、揉んだり、発酵させるのに竹のざるがたくさん欲しかったのだが、依頼したざるの数が多すぎたみたいで、竹を採ってきて、ざるを組む竹ひごのようなものを準備するだけで2日かかってしまったらしい。

 そうだよな。砂糖を作る作業をしながらだから、うまく進むわけがないもんな。


 そんな感じで、夕食後は、夜目が利く夜行性メンバーで、すずさんに聞きながらたき火の明かりを頼りにざるを編んでいく。

 麗美れいみさんは夜の見張り、琉生るうは明日の明け方の見張り担当青してもらうので、早めに寝てもらう。

 5人で黙々と0時近くまでざるを編む。四ツ目編みという竹を十字に編んで行く初歩てきな竹細工らしい。

 平らなところは簡単なのだが、最後の方の丸みをつけていくところと縁の取り付けが難しかったが、すずさんの指導のもと何とか作ることができた。

 まあ、足りない分は麻布でも広げて茶葉を並べておけばいいか。


 麻布と言えば、麻布作りが止まってしまって、服作りもストップ。毛皮の服で誤魔化し誤魔化し暮らしているが、夏も近いし麻布作りも再開しないとな。


 ざるができ、夜の見張り役の麗美れいみさんが起きてきたので、交代でみんな睡眠をとることにする。明日は砂糖作りと茶葉作り、あと、残りの竹のざる作りで忙しくなりそうだ。 



【異世界生活 62日目 9:00】


 今日もいつも通り、7時に起きて朝食、8時から麗美れいみ先生の剣道教室をやって、9時から作業開始。砂糖を作るグループと紅茶を作るグループに分かれる。

 紅茶作りは、ざる作りの残りもあるので、すずさん、俺、明日乃あすの。砂糖作りは一角いずみ麗美れいみさん、琉生るう真望まもは前半、ざる作りを手伝ってもらって、後半は砂糖作りに参加する形だ。真望まもは手芸が趣味だけあってざる作りも上手いからな。


 とりあえず、俺は、昨日採ってきた茶葉を干す。

 日陰干しとのことだが、このあたり、木がないので日陰がない。

 テントを解体して、竹の骨組みと組み合わせて、河原のバーベキューなどでよくある屋根だけテントみたいなものに作り替えて、その陰に昨日作ったざるや麻布をひいて、茶葉を並べ、水分を飛ばし、萎れさせる。

 今日1日干して様子を見て、足りなかったら明日も干す感じかな?


 ちなみに、砂糖作りの作業も、普段、テントをばらして、屋根だけテントにしてから、その下で作業をしている。日差しが強いし、日焼けのし過ぎは危険だからな。

 竹がなかったころは予備の槍を骨組みにして同じように屋根だけテントを作っていた。


「ちょっと、今日は作業場が狭いね」

麗美れいみさんがサトウキビの皮を剥きながらそう言う。


「茶葉、干しているからね。明日、明後日くらいまではこんな感じかな?」

明日乃あすのが竹のざるを編みながらそんな会話をする。


流司りゅうじ、早く、新拠点を決めて、家を作りなさいよね。機織機復活できれば麻布作りも再開できるし、テントだっていくらでも作れるようになるし、こんな話もしなくてよくなるわ」

真望まもがそう俺を責める。

 竹のざる作りが単調でしゃべりたくなる気持ちもわかるが。


「そもそも、ツリーハウスが作れるようなところなら、木陰があるし、テントで日蔭を作る必要もなくなるけどな。まあ、砂糖作りが一段落したら、拠点づくりをしよう」

俺は、真望まものアホっぽいツッコミにツッコミ返しながら、竹のざるを作り、今後のことも考える。


「お砂糖も、2週間くらい作り続けたから、結構、量も溜まってきたけどね。それと、サトウキビも成長し始めちゃって、搾り汁をとるのが難しくなってきたから、そろそろ潮時かもね」

明日乃あすのがそう言う。


 砂糖作りは冬場から1月から4月まで、サトウキビが寒さで成長が止まり、糖分を貯めている時期が収穫期らしい。温かくなると、成長を再開してしまい、甘味が無くなるし、成長を始めたサトウキビは加工が難しくなるようだ。


「じゃあ、茶葉が出来上がったら、砂糖作りも終了かな? 片付き次第、拠点づくりをはじめよう」

俺はそう言って、今後の行動を決定する。


「場所は、こないだ言っていた滝のそばがいいわ。水も汲めるし、水車が作りたいの」

すずさんがそう希望する。


「滝のそばじゃないとダメなのか? 普通に川の流れがあれば水車って作れると思うけど」

俺は気になって聞いてみる。


「あー、今回作りたいのは、高低差を利用した水車なのよ。実はたたら製鉄って、水に弱いの。川に近すぎると、地面が水を含んでいて、温度を奪われて、高温が維持できない。だから川から離れた高台に炉を作って、水車も高台の上に、水路を作って高低差で水車を回そうかなって」

すずさんが色々考えているようだ。

 すずさんは竹を石包丁で裂きながら、追加のざるの材料づくりをしてくれている。


「なるほど、火は水に弱いもんね」

俺はよく分からないが多分そんな感じだろうと答える。


「そうね。鉄の融点は1500度。完全に溶解させない場合でも酸化鉄を還元、使える鉄にするには1300度は温度が最低必要って言われているの。1300度だと、炉や土台の石も溶けるし、土台に水分があると、どんどん熱を奪われてしまうのよね」

すずさんがそう言う。

 なんか製鉄ってすごく面倒臭いんじゃないか?


 そんな話をしながら竹のざるを作ったり、砂糖を作ったりして、お昼ご飯。

 午後も、砂糖作りと竹ざるを作って陽が落ちる。

 夜は夜露とか朝露とかで茶葉が濡れてしまうと怖いので、麻布にまとめてテントにしまう。1日の日陰干しではちょっと足りなかったので明日も干して、様子を見て次に進む感じかな。

 夕食を食べて、日課のお祈りをして、交代で眠る。



【異世界生活 62日目 9:00】

 

 今日も変わらず、砂糖作りと紅茶づくりだ。

 テントを作り直して、日陰に茶葉を干して、やる事が一段落ついたので、紅茶作り組みも砂糖作りに加わる。

 そして、女の子達が水浴びをしたいという話になって、交代で水浴びと水汲み、そして、一角いずみは護衛と称して川と拠点を往復、川魚捕りを楽しんでいる。

 一角いずみめ、砂糖作りに飽きたな。

 一角いずみと女の子二人ずつ、3交代で水浴びに行く感じだ。

 まずは明日乃あすの琉生るうが水浴びに行く。 


 お昼になったので、昼食を食べながら、

流司りゅうじも水浴び行った方がいいわよ」

すずさんにそう言われて、昼食後は一角いずみ、俺、すずさんで水浴びに行く。

 すずさんと水浴びをして、ちょっと長めの水浴びになってしまった。

 帰りに薪を拾いながら帰ってくる。薪も足りなくなっていたからちょうどいいな。


 帰ってくると、最後は一角いずみが護衛をしつつ、麗美れいみさんと真望まもが水浴びに行き、茶葉がいい感じに萎れたので、明日乃あすの琉生るうで茶葉を揉んで繊維を壊す作業に入る。

 俺と、すずさんはサトウキビを石臼で絞る作業をする。


 今日は、水浴びに行ったこともあり、作業が延長気味になってしまう。

 夕食を食べつつ、みんなで交代しながら、サトウキビの搾り汁を湯煎して砂糖にする作業と茶葉を揉む作業を続ける。


 茶葉もいい感じで揉み終わったので、あとは濡れた麻布を茶葉の入ったざるにかぶせて寝かせて発酵させる。色が変わったら、乾燥させて完成だ。

 みんな少し寝るのが遅くなってしまったが、日課のおいのりをして、交代で睡眠をとる。


【異世界生活 63日目 9:00】


「りゅう君、どう? 紅茶の具合?」

明日乃あすのが作業に入ると俺にそう声をかける。


「まあ、夜の間は気温も低いし、発酵は進んでいないかな?」

俺はそう言って茶葉の入ったざるにかけた麻布を水で湿らせてかけ直す。この布が茶葉に直接あたってしまうと発酵が一部分だけ進んでしまうそうなので慎重にかぶせていく。


 紅茶も今日明日にはできそうなので、砂糖作りも今日が最後。

 明日からは拠点づくりに移行する予定だ。


 茶葉の様子を見ながら、みんなで最後の砂糖作り。

 すずさんには別の作業をしてもらっている。


流司りゅうじ、ちょっとこれは難易度高すぎるんじゃない?」

すずさんが作業をしながら愚痴をこぼす。


 俺がお願いしているのは竹で作った目の細かいふるいだ。

 竹のざるを作っていて、ざるの目を細かくしていったらふるいにできるんじゃないか? と思い、すずさんに相談した。

 小麦が収穫できたとして、小麦粉の白い部分と硬い有色の部分を分けるのにどうしても目の細かいふるいが必要になる。

 真望まもに麻糸で作れないか聞いたが、多分、毛羽立った麻糸ではふるいの効果がでないのと、使っている間に目の大きさを維持できないだろうと却下された。

 針金があれば針金でふるいを作りたいんだけど、針金はおろか、金属すらない世界だ。結局、竹細工に頼ることになったと。


「たぶん、ふるいはこれからも色々使えると思うから、何とか工夫して作って欲しいんだよね。ごめんね、すずさん。無理なお願いしちゃって」

俺はすずさんに平謝りをしてふるいの作成をお願いする。


「作れないことはないとは思うけど、元の世界にあったような針金製のふるいより目は粗くなるし、耐久度がかなり下がると思うから、大事に使ってよね?」

すずさんがそう言ってしぶしぶ作業を再開する。

 多分、ふるいを一番使うであろう、農業担当の琉生るうがふるふると何度も頷く。

 

「でも、ホント、すずさんに来てもらって助かったよ。竹細工に道具作成はもちろん、家づくり、そしてこれから進める金属加工。ものづくり系はすずさんなしの俺達では多分数年かかったと思うよ」

俺は心の底からすずさんの存在に感謝する。


「それは、成功報酬で、流司りゅうじには体で払ってもらわないとね」

すずさんが冗談でそう言い、明日乃あすのが敏感に反応する。


「わ、私も頑張ってるよ!」

明日乃あすのが対抗意識を燃やす。


「分かっているよ、明日乃あすの。なんだかんだ言って、明日乃あすのがこのメンバーを支えてくれているのは分かるし、知識面で助けられているし、ご飯も美味しいし、みんなが手の回らない部分をサポートしてくれているのも分かっているし。改めて、ありがとうな」

俺は明日乃あすのにも感謝する。


「というか、みんなそれぞれ、得意分野で頑張ってくれているし、誰一人欠けてもうまくいかなかったと思う。みんなありがとうね」

俺はみんなが頑張ってくれていることを再確認できて、みんなに改めてお礼をいう。


「じゃあ、1人1回ずつ、流司りゅうじクンには体で払ってもらうということで」

麗美れいみさんが意地悪そうにそう言う。


「しかも定期的にだね」

すずさんが追い打ちをかける。

 

 俺は笑って誤魔化すしかなかった。


 そんな感じで和気あいあいと雑談をしながら砂糖作りを続け、お昼ご飯も食べて、夕方くらいになると茶葉もいい感じですこし色が変わってくる。


「そろそろいいかな?」

俺は明日乃あすのと確認して、発酵の具合もよさそうなのでひなたのたき火の側に茶葉を集めて乾燥を始める。天日干しと火による2重の乾燥だ。

 この乾燥を失敗すると、発酵がさらに進んでしまい、タンニンという渋み成分が出過ぎてしまうそうだ。

 かと言って、たき火の真上で燻してしまうと煙の匂いがついてしまいそうだし悩む。


「なんか、麻糸の時もそうだし、土器のときもそうだし、乾燥の作業で毎回苦労している気がするな」

俺はそう言って愚痴をこぼす。


「乾燥室みたいに小屋の中でたき火ができて熱がこもる、煙突付けた小屋みたいなものを作った方がいいかもね。拠点が落ち着いたら」

すずさんがそう言う。


「そうなんだよ、そんな感じのものが欲しいんだよね。何をするにしても乾燥に時間かかったり、今回みたいに乾燥不足だと失敗につながりそうで怖かったり、落ち着いたらそういうのも作りたいね」

俺はそう答える。


「乾燥室があれば麻糸作りがはかどるわね。というか、麻を探さないとダメじゃない。山越えて麻を採りに行くとか、私嫌よ?」

真望まもも乾燥室に賛成のようだ。

 そして、大事なことを思い出したようだ。まあ、麻の繊維は南の拠点の真望まもの部屋で干しっぱなしにして移動してきたらしいので、それを取りに行けば今のところ問題ないらしいが。

 落ち着いたら、麻もそうだが、粘土や鉱石、黒曜石、色々な素材の採取場所、北の海岸側でも探し始めないとな。山越えて南から運ぶのも一苦労だし。

 

 たき火を強めにして、茶葉を乾燥させる作業を続け、夕食に。

 茶葉も何とかなったようだ。早めに乾燥を始めたのが良かったのかもな。


「ねえ、りゅう君、紅茶はまだ飲めないの?」

明日乃あすのが夕食後、そんなことを言いだす。


「そうだな、この後は天日干しでしっかり乾かして出来上がりって感じかな? まだ乾燥が不十分だけど、土器か何かで煎れば今日の分くらいは飲めるかな? 味は保証しないけど」

俺はそう答える。 


「じゃあ、ちょっとだけ飲んでみようよ」

明日乃あすのがそう言うので乾燥途中の紅茶を煎って、ほうじ茶っぽくして飲むことにする。


「じゃあ、牛さんに牛乳少し分けてもらって煮沸してから紅茶に入れようよ」

琉生るうがそう言って、牛乳を搾りにいく。

 初めての搾乳らしいので、麗美れいみさんと俺で様子を見に行く。暴れて大けがとかなったら大変だもんな

 茶葉を煎るのは明日乃あすのがやってくれて、俺は搾乳に専念する。


「うしさん、お乳、少し貰うよ」

 琉生るうが牛にそう声をかけて、慣れたように搾乳し、牛も嫌がる気配はなかった。これもテイマーの能力なのだろうか? まあ、元の世界でお祖母ちゃんの家に牛がいたらしいし、経験もあるのかな。

 なんか、牛は琉生るう麗美れいみさんと明日乃あすのになついているらしい。怪我を治してくれた命の恩人ってところか?


 牛乳を搾り終わり、たき火の側に戻ると、茶葉も煎れたようで、お湯を沸かしながら、牛乳も煮沸消毒し、紅茶の準備をする。

 折角、砂糖ができたんだから、こういう楽しみもしないとな。


 お湯が沸いたので紅茶をいれる。

 ティーカップもティーポットもないので土器で入れて、竹で作ったコップに分ける。

 砂糖を入れて、竹の棒でかき混ぜて飲んでみる。


「うーん、紅茶と言えば紅茶だが、ほうじ茶というか麦茶?」

俺はそう感想を言う。


「そうだね。発酵の工夫なんだろうね。ちょっと発酵が足りなかったのかな? 少しだけ緑茶に近いのかもしれないね」

明日乃あすのがそう言うが顔は大満足って感じだ。


「そうは言っても、かなり文化的な飲み物ができたと思うわ。砂糖が味わえるなんて、この世界に来た時は想像もしてなかったし、まして紅茶なんてね」

麗美れいみさんがそう言って満足そうに紅茶を飲む。


 琉生るう真望まも一角いずみも満足そうに飲み、牛乳とお砂糖を追加してさらに満足そうな笑顔になる。


 俺も牛乳を貰って、砂糖を入れ、ホットミルクとミルクティーを両方楽しむ。


「ホットミルクが美味いな。久しぶりに牛乳を飲んだ気がするよ」 

俺は満足そうにそう言う。


「ズルいぞ、流司りゅうじ、その発想はなかった。琉生るう、私にも牛乳おかわりだ」

一角いずみが俺に対抗意識を燃やすようにホットミルクを飲みたがる。


 少しずつだが、みんなもホットミルクとミルクティーを楽しみ、久しぶりに文化的な生活ができた気がした。

 少しずつではあるけど、生活もよくなっているんだな。俺はしみじみそう思った。


 次話に続く。 

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