第39話  キサナドの気持ち

 一行は、銀の森に帰って来た。


《天界にどうやって言い訳すれば良いんだよ~~》


 銀の森に着くなりラルカは、絶叫した。


『あるがままに、伝えれば良いだろ?』


 アウグステは、ラルカに言った。


《人に愛されるために人間に紛れ込んだって言うのかい?》


『それが真実だろ』


 ラルカの言葉にアウグステは、頷いた。


 光の神殿の近くに、着地するとキサナドが出て来た。

 神殿トップの三賢人も後ろにいる。


 アストリッドは、キナサドの顔を見て嬉しそうに微笑んだが、後ろに三賢人が控えてていたのでアウグステの後ろに引っ込んでしまった。


 アストリッドの正体を知ってからのアルフォンソが、様子がおかしいのだ。

 よそよそしく、いつものように腕を組みに行ってもかわされてしまう。


「アル!?」


 アストリッドは目に涙を浮かべて、アルフォンソの言った。


「アルは、私が闇の神の魂を持ってるから嫌いなの!? 私が醜いから!? 黒い髪は闇色ですものね。私も嫌いよ!!」


 アストリッドは、頭から水を被っていた。


「父上、他の三賢人様も見ましたね!?今のアストリッドの力はこれくらいです」


 キサナドが上着を脱いで、アストリッドにかけてやった。


「キナサド、お前アストリッドを娶れるか!?」


「何を言ってるんだ!?僕は君の許婚だぞ」


「それは、親と神殿が言ってるだけで、私の意見は入っていないぞ」


「僕にどうしろと言うんだ!?この闇の神の魂を持ったお嬢さんと結婚して、子を生んでもらうのかい!?悪いが僕は、自分のオアシスの未来も託されてるんだ」

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