第22話  オアシスへ

「主な王国は、カットラー・オアシスとソルティ・オアシス。国になってないのがラ・ムゥ・オアシスやジェダイン・オアシスが等々あるな。

 ジェダイン・オアシスがドーリア王国の王族が逃れたオアシスってとこだ」


「そんな事より、アウグステ」


「どうした!? アル?」


「この、状況を説明してくれ!!」


 アウグステが、砂漠の地図を広げて何処のオアシスから行くか、悩んでいるとアルフォンソが少し怯えたような声で言ってきた。


「なんで、飛んでるんだ!?三人……いや、一匹も連れて……」


 アルフォンソは、目を丸くしていた。

 アストリッドは、ビックリしていて声も出ないようだ。


「悪いな、精霊の力をフル回転で借りることにしたんだ。

 早くこの訳の分からない旅を終えて、学び舎に帰ろうと思う」


 アウグステは、風の奥方の力を借りて三人と一匹を運んで、上空を飛んで砂漠へ向かっていたのである。


「何処から行くつもりだ!?」


 アルフォンソが言った。


「ジェダイン・オアシスかな!?予見師もいるそうだし」


「キサナド・マーロウの出身地だな。」


 アウグステは、眉をひそめた。


 アルフォンソは、アウグステの婚約者のことを言った。


 キナサドはジェダイン・オアシスの族長の家系で、遠くはドーリアの王家の血も継いでいた。エル・ロイル家の血も引いていて、予見の力に秀でていたのだ。

 それで、光の神殿に連れて来られたわけだ。


 ジェダイン・オアシスには、予見者は他にもいた。


 だが、ジェダイン・オアシスはナムラ砂漠の一番奥地である。

 アウグステは、水の精霊に風の奥方の周りを囲わせて、快適な空間を作り上げていた。


「奥地に行くから、もう少し我慢してくれ」


 アストリッドは、青ざめた顔で頷いた。



 ジェダイン・オアシス___


「アウグステ~~」


「キナサド!?」



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