むつかしかったです

 短い分、一文一文の意味をよく考えながらたくさん読みましたがむつかしかったです。「僕」は「そんなつもり」じゃなければ人を傷つけることも罪にはならないと思っている。もっといえばそんなつもりじゃない「僕」に殺しをさせた「その人」を罪人だと思っている。麺のばし棒で打ちのめされてしまうのは、「無自覚なのは罪で、無自覚だという自覚がなくても罰は受けなければならない」ってことなのでしょうか……。
 全く描写されていないのですが、外は真っ暗で、店内は明るくて、とても静かな気がしました。「僕」が叫ぶ声とか、木製のカウンター椅子ごと人が倒れる音とか、おひやのグラスが割れる音とか、椅子がガラス戸を突き破る音とか、麺のばし棒が頭蓋骨に当たる音とかが、静かな店内にものすごく大きく響きそうで、とっても怖いです。大きな音は大嫌いです。

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ラーメン