11話 メイドさんと元メイド長
そんなこんなで王都邸に到着しました。
「「お帰りなさいませお嬢様」」
門の前で年配の男女が恭しく出迎えてくれました。
「ただいま!ゼノとマーサも久しぶり!」
このお2人は先代の執事長と侍従長で白髪をオールバックにしたゼノとその奥様でもある小柄で長い白髪を一本の三つ編みにしたマーサ、王都邸の管理を数名の騎士と共に任されています。
「ご無沙汰しておりますお嬢様。ティアとマックスも久しぶりだね、そちらの髪の赤い子は新人さんかい?」
「お久しぶりです。この子はカーラといって私の隊の新人ですがお嬢様と一緒に入学する予定です。」
「あらそうなの、隊って事はまだ戦闘侍従隊はやってるのね…まったく、あの子はか弱い侍従を何だと思ってるのかしら?」
あの子というのはラウール様やユーリ様ではなく旦那様の事でこのお二人は旦那様の幼い頃の教育係でもあったそうです。
「そんな事言っても説得力ないですよ師匠?」
そして私やマックスの魔術や武術の師であり戦闘侍従隊の初代隊長でもあるのです。
「というワケでこちらに居を置くことになりましたらカーラも鍛えてあげてください。教えていただいた事は全て仕込んではおりますが私もまだまだ未熟者ですので…。」
「はじめまして、カーラです!よろしくお願いします!」
と元気良くお辞儀をするカーラ。
「あらあら元気な子ねぇ。体も鈍ってきていたし鍛えがいがありそうだわぁ。」
おっとりと微笑むマーサ。そして私の隣で白目を剝いて直立しているマックス。この2人の厳しさを私たち2人は身をもって知っているのでそうもなりますね…
「それでは積もる話は中でしましょうか。」
と私たちはゼノ様に続いて屋敷内へ。
「それじゃあ屋敷内を案内するからカーラちゃんは私と一緒についてきてくれるかしら?2人は試験で来ているから基本的なところは私とティアでするけれど人手が足りないときは手伝ってもらうこともあるかもしれないからね。」
「わかりました!」
「うふふ…カーラちゃん、元気なのはいい事だけど場所や状況によっては声を抑えることも大事だからこれからは気を付けましょうね?」
「はi…かしこまりました。」
早速始まりましたね…カーラはまだ見習いで元気が取り柄なのでそのままにしていましたがもう少し早くそのことを教えていても良かったでしょうか…。
「言葉遣いは大丈夫なようね。ティアも元気なあなたの事を思って今はそのままにしていたのかしらね。今後アカデミーでも教えられる事だからゆっくり覚えればいいわよ。」
はい、お見通しですね。私までまとめて注意されるかどうかヒヤヒヤでしたが大丈夫そうですね。
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