10話 メイドさん王都に着きました

門番さんに見送られて王都に入り一路東側の地区へ。

大体の貴族は森林から離れた場所にある西寄りの地区に王都邸を構えるのですがバルドフェルト家は魔導具や魔導義足を扱うので素材が手に入りやすく販売や開発、義肢の取り付け・メンテナンスを行いやすいよう東地区に邸宅を構えております。

おかげでアカデミーから王都邸に行くときはとても楽でしたね…。と言っても私とマックスはユーリ様の付き添い以外であまり王都邸のご厄介になることはありませんでしたが。


それにしてもこの辺りは変わりませんね…。良くも悪くも賑やかで貴族街は閑静な住宅街といった感じですが個人的にはこちらの方が好みです。

馬車を王都邸まで進めていると随伴のマックスに気付いた冒険者の皆さんが


「おうマックス!ついにクビになって戻ってきたか?お前ならいつでもパーティに受け入れるからな!」

とか

「マックスが入るならティアちゃんもセットだよな!?」

とか

「バカねぇ…あんた達みたいなむさくるしいところにマックスとティアちゃんが入るワケないでしょ?臨時でもウチなら大歓迎よ~」

とか声をかけられてます。


「馬鹿野郎!まだクビになってねーよ!仕事だ仕事!しばらくいるからそのうちギルドにも顔出すから覚えとけよ!」


と軽口で返すマックス


「待ってるぜ~!久々に『白刃』と『黒脚』コンビとも手合わせしたいからな!」


あぁ…ここでもその二つ名が…。まぁ今はお嬢様の義足を着けていますので強いて言えば白脚ですが…。


「ティアの黒脚はわかるけどマックスの白刃って?持ってるのは普通の剣だよね?」


「マックスは魔力もそこそこあるので剣に魔力を纏わせて戦うのを得意としています。使う時は基本的に刃に薄く纏わせるのですが最悪折れた場合でも触媒…柄やナイフ等があれば魔力の刃を作ることも可能ですね。属性付与というよりは純粋に魔力を込めるので白い刃に見えるので白刃と呼ばれています。」


「何それかっこいい。マックス!あとで見せてね!」


はいよ~。と軽い口調で返すマックス。お嬢様がボソリと「ならティアには厨二病の通り道的な詠唱の殲滅魔法覚えてもらって『ドラゴンも跨いで通る』って呼ばれてもらわなきゃ…」と呟いてましたがそんな物騒な二つ名要りませんよ!?


…とまずは王都に来た時の恒例行事をこなしてようやく王都邸に到着です。



-------------------------------------

新年明けましておめでとうございます。かなり更新が滞ってますが本職に忙殺されて中々思うように練れずにおりますが頑張って完結までは持っていけたらなと思っていますのでゆっくりお付き合いいただければと思います。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る