リーベ市防衛戦(十六)
痛みに耐えてようやく身を起こした時には、再び周囲をカイナと
「カイナ、いつから帝国側についていたの?」
「はん?あんたに教えてやる義理があるわけ?」
「もしかして軍学校の頃から?それとももっと前?」
「……あんたその目、まだ諦めてないね?気に入らないなぁ!」
カイナが持つ杖に風の精霊が集まっていく。この魔力、魔術科主席のアシュリー以上かもしれない。おそらく【
「草木の友たる大地の精霊、その命の欠片、集いて
私は自分に向けて【
「内なる生命の精霊、我に疾風のごとき加護を。来たりて
二度目の【
背後からの【
「
正面に回り込まれての【
「てめえこの女!あたしの顔に傷つけやがってぇ!!」
私なんて全身傷だらけなんだけど、と思わなくもなかったが、言い返すための呼吸すら惜しい。高く跳躍して【
続けざまの魔術を
【
普段は可愛らしく作られているはずの顔を醜く
「手こずらせやがって、
高く掲げられたカイナの杖に炎の精霊が集中する。こんな魔力の【
だが、それが放たれることはなかった。私の胴回りはあろうかという巨大な【
「ちっ!こいつは!」
「遅いよ、ラミカ」
「ごめーん」
私は顔だけを動かして術者を見た。超ぽっちゃり体型の天才魔術師は、体格の良い兵士三人に
「……カイナ、許さないから」
カイナの足元に【
「おい、立てるか?」
「ごめん、無理……ひゃっ!?」
ロット君は私の腰帯を掴むと、空箱のように肩に担ぎ上げた。彼が怪力なのか、私が軽すぎるのか。
彼に担がれて顔を上げた時には、カイナと
「大丈夫ー?怪我してない?」
「してるよ、思いっきり」
「……ユイちゃん、無理しすぎ」
「ごめん。反省してる」
私とプラたん、ラミカの三人は、互いの武器に【
どうやら助かった。そう思った途端、
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