王国魔術師フレッソ・カーシュナー(四)
廊下から窓の下を覗き込むと、王宮の中庭を通して
白大理石の床に濃緑色の
フレッソ・カーシュナー、あの赤毛の魔術師が
魔術をもって人を
「リース、どう?聞こえる?」
「うん。よく聞こえるよ」
私は水晶で作られた首飾りに話しかけ、別室で待機しているリースに音声が伝わっているか確認する。
クルスト男爵家を追われて落ち込むリースに協力をお願いするのは心苦しかったが、その元凶であるフレッソを追い詰める策と聞いた彼女は進んで手を貸してくれた。
『【
【
それを
皮肉にもこれは、軍学校で一年先輩だったフレッソの卒業制作。メブスタ男爵家の調査でも利用させてもらったように、王宮の各所に同じような水晶球を配置して、私が持っている首飾りからリースが待機している部屋の水晶球に音声を届けるよう準備を整えた。
「ミオさん、ではこれを」
私はリース達がいる部屋に戻り、ミオさんに水晶の首飾りを手渡した。
部屋の中にはミオさんの他に私、魔術師リース、
ただ美しいだけではない。彼女は事前に
「じゃあ行ってくるわね。ユイ、あとはお願い」
「はい。お気をつけて」
彼女が向かったのは一階の大広間、式典に出席するため王都に滞在している諸侯のために開かれた酒宴の場。王国魔術師への就任が決まっているフレッソも出席するはずだ。
華やかに着飾ったミオさんとは対照的に、待機する武官は軍服に
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