ジュノン魔術学校(二)
学園都市ジュノン、その中心部にある王立魔術学校。
図書室の入口でルカちゃんと別れ、以降は校長先生の案内で中へ。学生達の好奇の視線を無視して奥へ奥へと進み、厳重に閉じられた鉄扉に学長が手を触れると、音もなくそれは開いた。
狭くて冷たい部屋だ。五歩も歩けば突き当たってしまう部屋の壁一面に書棚が置かれ、多くの書物が安置されている。【
私がこれらの書物を
「【
「ありがとうございます」
校長先生は穏やかそうな老齢の女性で、丸々とした顔に丸眼鏡、丸々とした体形。もしラミカが歳を取ればこうなるような気がする。彼女が望めば魔術学校の校長などという未来も無いことはないが、面倒くさがりの本人は嫌がることだろう。
「しかし驚きました、
「はい。私も軍学校の授業で習っただけで、まさか戦うことになるとは思いませんでした」
「
「承知しております」
私が
校長先生と向かい合わせの席に着き、書物を傷めないよう気をつけて
『人間大の木人形に
『生きている者から木人形に魂を移すには儀式を必要とする。当然ながらその者は死亡する』
『容姿は封じられた者に酷似し、能力は劣化するもののそれに準じる』
『術者は距離に関係なく
『
特に注意すべきは四点目、『術者は距離に関係なく
あの日フレッソが都合良く現れたのは、
「貴重な資料、ありがとうございました。おかげで対策が立てられそうです」
「それは結構でした。他にご質問などはございませんか?」
私は少し考えてから、
「これは興味本位なのですが……【
「わかりません。いたとしても公表はできないでしょう」
「【
「術者が消滅し行方不明、動植物に転生した、奇怪な生物に姿を変えた、儀式に
フレッソは以前、【
彼や私がこの世界に生を受けたのは、【
「ユイさん、もう行っちゃうんですか?」
「うん。本当は食事でもご一緒したかったんだけどね」
ルカちゃんは
ルカちゃんと一緒に
「エリューゼ、頑張ってね。また来るから!」
私の声に驚いたように白金色の頭が引っ込んだ。
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