行政官フレッソ・カーシュナー(八)
白く輝く光の矢が正面からぶつかり合い、夜の中に光の欠片をまき散らす。
顔の前に掲げた左腕の布地が裂けて鋭い痛みが走る、光の欠片が
魔力に劣る私が【
「ユイちゃん、上!」
「ありがと、リース。助かったよ」
「ちっ、クソ女が。後で覚えておけよ」
赤毛の魔術師、フレッソが言葉とともに
「そんな事はさせない。
「その言葉、そのまま返してやるよ」
だが。展開した【
こちらの反撃は虚しく宙を薙ぎ、足下から噴き上がった植物の根に絡め捕られそうになって横跳びに転がる。そこに振り下ろされた
言葉では強がってみたものの、互角以上の魔術師と宙を舞う
「内なる生命の精霊、我に疾風のごとき加護を。来たりて
「夜を夢を影を、絶望を
「あっ……!?」
あと三歩というところで、炎に包まれた柱がこちらに倒れてきた。下敷きになるところを危うく逃れたものの、地面から伸びた何本もの黒い触手に腰まで絡め捕られてしまう。
【
「ふん、こんなものだろう」
勝ち誇ったフレッソが歩み寄り
「その剣に触らないで!【
「くっ!?」
左手の人差し指だけをフレッソに向けて【
「このクソ女が!【
「うあっ!」
胸の中央に激痛が走る。ついでとばかり左右の頬を拳で殴られる。【
「ちっ、これだから女は。何を隠しているかわからんな」
フレッソが左手人差し指を上に向けると、その意を受けた
「ははははは!生意気な女に
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