亜人種自治区における産業の調査および振興(七)
密猟者の数は六人。人数だけはこちらが二倍以上を揃えているのだが、
逆に敵は手練れ揃いの上に武具も優れており、連携が取れている。傭兵上がりか兵士崩れか、おそらくは全員が組織戦闘を経験しているのだろう。それに。
「良い腕だな、それに
「これほど罪を重ねておいて!ふざけないでください!」
「真面目な話さ。俺の女にしてやってもいい」
「馬鹿にして……!」
私が対峙した男が首領格なのだろう、確かに油断できない実力を有している。
剣術はほぼ互角……と言いたいところだが、実は違う。相手に致命傷を負わせる機会は何度もあったし、魔術を使えばもっと戦いを有利に進められたはずだ。
私がそれをしなかったのは、やはり相手が
「ハーフエルフか?ははは、こいつは高く売れるぞ!」
「……っ!」
亜人種自警団の一角が崩されたのか、輪の中心に守られていたはずのプラたんに横から襲いかかる
「ええい!迷ってる場合じゃない!」
私のくだらない感情のせいで友達を失うことなどできない。今度こそ殺意を込めて剣を突き出そうとしたのだが、不意に敵の姿が消えた。奇怪な鳴き声とともに巨大な影が辺りを覆う。
「
「畜生、こんな時に!」
いくつも上がったその声が事実を言い表していた。敵味方が入り乱れる中に現れた乱入者。巨象ほどもある
「助けてくれ!誰か!誰か!」
誰一人として撃ち交わす剣を引く者はおらず、
「退却!」
首領の命令一下、密猟者達は窮地の仲間も荷車も捨てて逃げ散ってしまった。残されたのはなお
私も上空からのしかかろうとする巨体から身を投げ出して
「でも……カチュアなら?」
私は親友の顔を思い浮かべ、愛用の
あの
「私だって!【
記憶の中のカチュアの体捌きをなぞるように
「だめだ!浅い!」
狂ったような咆哮を上げて暴れ回る
続けざまに繰り出される
ちょうど【
相討ち覚悟で目に剣を突き立てるしかないのか、と覚悟を決めた瞬間、
これは【
「プラたん?いや……」
そんなはずはない、彼女は力を使い果たして私の後ろに座り込んでいる。
奇怪な断末魔が森の木々を震わせた。亜人種達が持つ粗末な槍が、
この亜人種自治区で神のごとく
プラたんよりも長い髪、さらに細長く突き出した耳、
魔術で
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