十五歳の学園生活(六)
心地良い初夏の陽射しが差し込む午後の教室。隣の席でラミカが安らかな寝息を立て、脇腹をつついても頬をつねっても起きる気配がない。
ラミカだけではない。魔術科十二名の生徒のうち半数が居眠りをしているし、残った半数も退屈そうに眠気をこらえている。教える側のヒスタリア先生もそれを
どうやらこの「基礎魔術」の授業は、他の生徒にとって面白みに欠けるようだ。私にとってはとても興味をそそる内容なのだけれど。
「・・・・・・というわけで、明日は【
授業の終わりを告げる鐘が鳴り響き、教室の各所で体を伸ばす気配が伝わってきた。それでも起きないラミカの両耳をプラたんと示し合わせて左右から引っ張ると、うーんと
「ラミカ、授業聞いてた?」
「聞いてたよー」
「何の授業だったか言ってみて」
「【
「もう。腹立つなあ、寝てたくせに」
この子にはこういう所がある。要領が良いせいか適度に、いやかなり手を抜いても要点だけは押さえていたりする。授業の内容を理解した上で、自分には必要がないと判断して熟睡しているのだ。
「だってー。【
ラミカの言う事は正しい。【
一見いろいろな用途に使えそうだが、作り出した球体は中空で
「そうだけど、もっと何かに使えないのかな。目印にするとか足場にするとか」
「・・・・・・飾りつけ、する?」
「そう、そういうの」
プラたんが
「足場にするにはちょっと
目の前の赤い【
「あ、ストレス解消にいいかもー」
ラミカが
「ちょっと、危ないよー?」
私も学校から支給された
見習い程度の魔術師でも瞬時に、無詠唱で発現できるほど簡単な上に魔力の消費はほとんど無い。魔力に劣る私にとって、このような基礎魔術にこそ生き残る道があるのではないだろうか・・・・・・
そのような考えを巡らせようとした瞬間、せっかくの【
もちろん抗議しようと思ったものだが、普段はおとなしいハーフエルフの誇らしげな顔を見て何も言えなくなってしまった。
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