カラヤ村防衛戦(四)
周囲を見渡すと人間も
それはそうだ、先程の様子を見れば私に期待したくなるのもわかる。普通の人間が寄ってたかっても敵わない相手だということも。
「お、俺も・・・・・・」
「ありがとう。でも、巻き込まれると思うから」
ロット君が槍を手に進み出てくれたが、気持ちだけを受け取り下がってもらった。
「内なる生命の精霊よ、我は勝利を渇望する。来たりて仮初めの力を与えたまえ。【
血濡れた女神像を両手でゆっくりと引きずり、私の身長ほどもある棍棒を手にした赤鬼と向き合う。邪悪な顔に浮かぶ頭の悪そうな笑いが
「んっ!」
軽く助走をつけ、女神像を振りかぶって斜め上から打ち下ろす。小柄な人間が振るう武器と甘く見ていたであろう、
有効打ではあるが、この生命力は
重々しい轟音を立てて私の女神像と鬼の棍棒が激突した。抜け飛んだ台座が勢いよく転がって数匹の
「つうっ・・・・・・参ったな・・・・・・」
私は小さく
生命力も
おまけにこれだ、体重差。同じ力で打撃を交わせば一方的に吹き飛ばされてしまう。
「おねえちゃん、がんばれええ!」
「がんばれええ!」
こちらにも上から声が降ってきた。シエロ君とクリアちゃんだ。横目で視線を送って
私がここで敗れれば、あの子達が無惨に殺され
「内なる精霊、生命の根源たる者よ・・・・・・」
それに私はまだ、切り札を残している。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます