そら、くも、ひかり。そして水母
そら、くも、ひかり。そして水母
それは一角獣や龍を煎じた、清濁を併せ持つだけの貧相なヒトから一重。
幾何学の協調性が噛み合い、奇想天外な旅の者と招き入れる。
赤い手鞠、蒼い羽織物、見せかけだらけの人々は着せられ、老いて露と消える。
土にかえり礎とかす
――雨、
私の名と呼ばないで
星月夜の声もない 玲瓏の琴線の細工はその風采、見栄え良く手のひらを覆す。波濤を越え暗転した生け簀にわたつみが、慟哭が揺曳する。管弦の游びを垂らし 出ずる日つぼむ花を謳い つぶらなひとみは 円(まど)か望、と抱き上げました。瞑目の海月は珊瑚の懐(ふところ)を撫で忙しなく岩礁を想いました。ですが水鏡は銀盆の薄片だけのまやかしでしかありません
一面の花畑に少しだけ雪を残した山々が遠くに見え、朝日はもうすぐに顔を出し、恥じらいながら花開く華華が印象的でした。丘の上には小さな小屋があり気持ちよさげに風車がまわり風もないなだらかな道にある、私はただ幸せに酔いしれていた。ノスタルジックな狂気がやわらかなカラダも、仄かな薫りも総て君の手の内のテラリウムに列ばされる。
か細い糸を張りその間から粛々と花弁が流れて征きます。また月日が経ち、甘く芳しい果実は誰かを潤しましたでしょうか。醜陋の陰に苔むした遠景より 彼方様へ。オフィーリアの芽生えからはじまる、これから先なにが起ころうとどうせ今が滅ぼされる、過去と未来を繋ぐ光と風の匂いを細指で辿りましょう。
小さな荒屋に雷鳴と驟雨が犇めく。いっとき、のはずがどうしても逃れられない迷路のようだ。音楽室には朽ちたピアノが一台、ふりしきる音色にも堂々としたものであった。あれは夕暮れ泥む余光に躍る光の粒、記憶の屍が飛翔した姿、彼の者ははじめからそこにはいない、あれは幻であろうとも追い求める、楽譜に塗り替えて絶唱と成すならば。
|そんな夢を見たのだった|
∞
|夢のような世界だった |
大通りからひとつ入った所に魂の乗り物を軽く漂白する。私達の人生の ふらふらとする カーブに沿ったケーブルが 寄り付いただけの、険しい階段のこの先。道筋があり 当時の背景には 夜景の、白骨が、恋しい、半端なオフィスビルの一角を臨むロープウエイから、引き付けて手繰り寄せてキミのところまで、今すぐに!
かけがえのない、とはその場限りのといい、ことさらに距離感もない。手枕のように微温く痺れていた、空気の詰まった頬の、それらハンガクシールの着せ替え人形の 至る所を繋ぎ留めるだけの、〈意図と玻璃がない。〉ただ青白い宇宙を眺める、異星人にも似た新人類。荒廃した精神が妄想を産み落とす白痴美は女の腹の中にいる。
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