ゆき

目と鼻の獏は、夢も喰わない

母は デパートに なんでもあるというおはなしを。紙袋に詰め込んでしまったから 私のトルソーとして、除光されたアカカタバミの 道を選別しながら生きます。蠢き魅せた 春に出会ったから 空の椅子はあの子のものに。A6にわたる教室で 悪びれずにちらつかせる天使に、花園に手袋を置いて行きます。


間口が少しだけ、幅広い裾野に片足だけの案山子が垣間見えて。あれがわたしだとくだってみえた。窓硝子のすぐそこで、溺れて追った わたしの、ひとつだけのサンダルが、ひかりもやみもない、易しいだけの手で震える指で、〈かさつくちからで。覆われていた、〉赤い傘は。未だ 開かれてはいない、やっぱり外は雨なのでした


「あンたワタシきみボクお前めんどくせえよ

関係星情ランダム受刑樹の実はそんなにも馨しいですかネ

腐った弁当も毒入り飴と無知にもラゔジュウスだったら巧いもんですか」


じっくり蝕まれる病葉の実はやけくそ。暗い廊下には。立て掛けられた札ごと阿弥陀籤を施されたタマシイをばら撒いた。罪に処されます。か、必ず。と慄えて備えて。


青空と風船と、傍らとの会話がその炉端に咲いた。死番蟲とは、詞ごと食い荒らしていた/砕石は、丸く尖り熱を膿んだ惑星の、オレンジを飲み込んだ形になるはず。でビオトープを歩く、杖をついた私達とは、お別れの儀式として。秘密基地の後から放った。汽車とは又、乗り込んだ背中にはある思い。唯、線路上に轍が続く――天国へ


失礼にも今も蛇口からは 永く黒い雪解けの便りが、口元から炙れてしまいました


鋭利で軟らかな氷の刃が 喉を裂く水の音が。深く沈みすぎた陽が 床に月(盗撮、)俯瞰した黄昏の、歌詩を言い訳にも出鱈目を、〈花に挿し/凛として、転がす鈴とし、〉いつまでも口ずさむ――甘い可視。夢で見た波ではなかった、だが拐われたあとで

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