あんてぃっく
出涸らしの檸檬の波を、くゆる。楓の葉は折に織り青いまま、錦と舞う。皿に放した蠢来ウゴメキの箸を袂に、酔ってらっしゃいな。年輪の数だけ死相があり、花弁の項を酸うこと、くるひもくるひも。ハっとした雨樋の垂れ桜が次に與える見晴らしに、火華を饐えた。白々しい月陽よセピアの野地に寂滅す
照明も疎らな楽園の感覚。標本箱は彗星のようで、心臓の代わりに。むき出しにされた肋骨。黒曜石の骸が今日も游いでいる。でたらめな芳香を表す可視化された龍の落し子はピストルを隠し持つ。やわらかな梟の嘴に喋まれ暁闇に組み換え黎明を嗜む。その腕をほどく、これから後へ。行方など象牙の塔
割と小さな鸚鵡。幾何学じみた心を持ってずいぶんおしゃべりなものだ。その嘴からあぶくが垂れ流される。それでもういいのかい? 僕が問うより早く鸚鵡はひかり 私が生まれるより強く焦がれた。くだらない詩篇だ。雪よりも泥臭く空よりも変わりやすい空模様の風は幾分和らいで、鼻先を擽ったばかりだ
繭から孵ったもの、土に還るもの。春の嵐、夏の落とし子、募る病葉の手のひらを握る。初雪は青く、清く、深々と。流星の欠片を拾い集める競争をしていた。ぬくもりはすぐ見えなくなった。羽根だ、誰かが殺した思いが無垢に広がり続ける、憐れにも美しいだけのたましいが、CANDY BOXを氾濫させたのだ
撓む電波は有刺鉄線をリボンに変え、酔った白鳥は氷の海に脱糞する。その背におぶさる太陽のせいで、焼け野原はまた一面雑草畑に戻る。ふりだした賽の目は黒で、いつまでも朔に満たない、転じて瓢箪からはやはりカストリが覗くもの。燃え残るマッチの軸木で山と谷を看做す。羊だけがそこに呑気にいた
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