第34話 こんなの小麦粉入れてちゃちゃっと作っちゃえば良いのよ!!
- --------------------
………え
なんだこれ
目を開いた場所、そこは全てが終末と化した世界
辺り一面に崩れている瓦礫…いこいのカフェ、焼け焦げた時ポッポの死体
しかしそれよりも目に入ったのは
「!! ………みんな」
倒れているのは管理者達
誰一人……呼吸の音が聞こえない
「…………あ」
管理者達の遺体を見た後下を向いていた目をゆっくり、ゆっくりと上に上げる……そこには
「……………【レイ】」
目の前にはレイそっくりな少女
彼女が持つ剣の刃先には……ジューサが貫かれていた
「…………」
「レイ………違う」
「【No.0(ゼロ)】」
---------------------
ガバッ!!!!
「!! はぁ…はぁ」
目を覚まして呼吸を整える【イチ】
静寂の中、時計の針だけがカチリ、コチリと音を立て、自分の切れた息の音が乱れる
「……………はぁ」
自分の1と埋められた右目に触れる
「………もうどうしようもねえなこれは」
「俺は【1(イチ)】だしな」
----------------------
話はその前の前の時間に戻りサンがジュイチの為にクッキーを作る話へ
「なるほどねぇ~!! いつも頑張ってるジュイチさんの為にクッキーを焼きたいと」
こくこくと頷くサン
えっへんと腰に手を当てて任せて!!と自信げにレイは鼻を鳴らすがそこにジューサが横やりをする
「レイってクッキー作れたっけ?」
「え?無いよ?」
「僕もない」
それを聞いたサンも
「私も……ない」
「………………」
互いに目を合わせる3人
そんな中レイが先に口を開く(冷や汗をかきながら)
「……ま、まあ大丈夫でしょ!!
イメージ的にどう作るかは予想は出きるし!!」
そ、そうだねと3人
ホントに大丈夫!?
- たらったらったった♪ -
レイとジューサとサンのクッキークッキング~♪
よーしまずは!!とレイ
「小麦粉をいれまーす!!」
ドバー!!!!(嫌な音)
「玉子を次に5個いれてー!!」
かき回す!!!!!
「そして最後に水を入れ!!」
たっぷり!!
「30分かき回す!!」
ぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃ!!
- 30分後 -
「……なあレイ」
「うん」
べちゃー
「生地にならないね!!」
沈黙する3人
「………天の声は作り方知らないの?」
え!?私は知らないよジューサ!!!!!
「ちっ」
ねえ!?今舌打ちした!?ジューサ君!?
「誰と話してるの?ジューサ」
「ん、レイなんでもない」
まあ取り合えずオーブンで焼いてみよー!!
- 外 -
「ん!?」
丁度外を歩いていたイチ、レイの小屋の窓から異様な焦げ臭い臭いが漂ってくる
「……火事か!?」
急いでレイの所へ向かうイチ
幸い合鍵を持っていたのでドアを開けることが出来た!!
「大丈夫かレイ!!!!!!?」
思い切りドアを開けるイチ
そこにはエプロン姿のレイとジューサとサンが
「あ………イチさん」
「……んー?」
目を細めて臭いの漂う先を見るイチ
それはレイが両手に持ってるお皿に乗った黒焦げた得たいの知れない何かだ
「えっと」
「カタストロフィ(災害)?」
「クッキーです!!!!!!」
暫くしてレイ達から事情を聞いたイチ
レイの焼き焦げたクッキー?を食べながらなる程なと頷く
「つまり助けてくれたジュイチへの礼にサンのクッキー作りを手伝ってると」
いやまあそうだけどとジューサ
「それ…食べて大丈夫なのか?」
「食いもんにはかわんね-だから捨てる奴はいねーだろ」
「………そうか」
冗談交じりに聞こえるように言うイチだがその目はどこか虚ろげで
「(んまあ、戦争世界で食ったもんより何百倍もましだしさ……)」
つーかさとイチ
「お前ら365の世界観的に忘れてねーか?」
「?え」
と首を傾げる3人
わかってない3人の為にやれやれとイチは懐からとあるものを出す
「……ここ異世界だけどスマホ繋がる異世界だから作り方調べれば良いんじゃね?」
「……………」
「あああああああああああああああ!!!!!」
と3人
「すっかり忘れてた…そうだった」
と落ち込むジューサ
「いやまあ…この世界スマホ無くても普通に生活できますしねえ😅」
と目を泳がせるレイ
「そもそも異世界にスマホって概念が💧」
とサン
そんな3人を三つ目ながら焼き焦げたクッキー(?)をはむはむ食べながらイチが言う
「んなん言ったら【スマホ太郎】なんて概念無かったろうよ」
「言うな言うな言うな言うな言うな言うな言うなああああああああああ!!!!!」
この後滅茶苦茶クッキーの作り方ググって作った
因みに機械に強いジュイチがこの前Wi-Fiを飛ばせるようにしてくれた(すげぇな!!)
- クッキーを作り終えて -
サンがジュイチにクッキーを届けに行った後、レイ達3人は自分達用にも作ったクッキーを食べながら紅茶を飲んでいた
「ふふふ、無事にジュイチさんが喜んでくれると良いね♪」
「ああ、きっと喜んでくれるさ」
と微笑み返すジューサ
「……………」
その会話を聞きながら紅茶を飲んでいたイチはサンのいない今なら聞くべきかとレイに話しかける
「……なあレイ」
「?はい」
「最近【何処かおかしいところ】はないか?」
「え…………」
急に聞かれて沈黙になるレイ
暫くした後そういえばと頬に右手の人指し指を当てながら答える
「う~んそういえば」
「【やけに眠い】んですよね」
「眠い……?」
それを聞いて確かにとジューサ
「初めは僕の方が起きるのが遅かったのにここ最近はレイの方が遅いよね……昼夜逆転してるわけではないのに」
その言葉にイチの表情が真剣になる
「それ……いつぐらいだ?」
「えっと……」
確かと答えるレイ
あの時、【時止めの狭間で秒を新しく創生した時】からだ
「何で自分があの時覚醒したかもわからないし…ただ、ハカセさんを助けなきゃって思ったらああなって💧」
「………そっか」
って話をしてたらとふぁあとあくびが出始めるレイ
「また…眠くなってきちゃったなあ」
そんなレイを大丈夫かと心配するジューサ
「ちゃんと寝ている筈なのにな」
「うん…ごめん…でもそろそろ駄目かも」
うとうとするレイにジューサもわかったと頷く
「少し仮眠を取った方が良い」
それに目を擦りながら頷くレイ
「そうする……ごめん、ちょっと寝るね」
とレイは寝室に向かった
レイの寝息が聞こえた後、残された二人は会話を続ける
「- なあ、ジューサもレイの異変に気付いてんだろ?」
とイチ
それに対してやはりバレてたかとジューサ
「流石感が鋭いね」
「あたりめ-だろ、お前と何年に付き合ってると思ってんだ」
「ただ、あんまりレイには心配かけたくないから……」
あまりそこら辺は追及しないようにしてると答えるジューサ
「はは、相変わらずお優しい事で」
と紅茶の最後の一滴を飲みさてととイチは立ち上がる
「何処へ?」
「んにゃ、そろそろ自分の仕事の時間だからな」
じゃあなとドアを開けるイチ
「………レイの事頼むな」
「…………?」
そこで察したジューサは
「わかってる……レイに心配はかけさせない」
その答えに小さく微笑むながらイチは外へ出た
「さーてと」
と背伸びするイチ
「探しますか……【黒幕さん】
を」
- 続く -
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます