第33話 変わる心
- 男なんか嫌いだ
私はサン、3月の管理者だ
元々私は良い所のお嬢様、容姿端麗の貴族の家計で育った
そんな私の前にはたくさんの男達が交際に来た、けどみんな私の好みではなかったし断った
けど…男達は諦めなかった、みな私の体を襲ったんだ、私が綺麗だから、
……やりがいのある女だから
交際なんてどうでも良く結局みな私の体目当て
両親にも助けを求めた、けど駄目だ
「こんなに!!こんなにもお前の為にたくさんの交際相手を見つけてやってると言うのに!!!!!」
どれだけ叩かれただろう…両親は私の心などどうでも良く私が交際することをしか考えてなかったんだから
そんな中だ、全てが嫌になり心も身体もズタボロで森をさ迷っていた時……あのいけすかないカボチャ頭と出会ったのは
「ハ~イ!!トリック・オア・トリート~!!
- 行こうか、365へ!!」
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- ジュイチの小屋 -
「やあお待たせ、朝食ができたよ♪」
テーブルの上に二人分の朝食を置くジュイチ
その1人の相手は……【人に戻ったサン】だ
「………あんがと」
顔を赤らめそっぽを向きながら礼を言うサン
そんなサンを見て冷や汗を書きながら微笑み頂きますと出来立てのトーストを頂く
「丁度となり町の方で良い食パンが売っててね~、サンにも食べて貰いたかったんだ」
「………ふうん」
へらへら~と笑うジュイチに対してそっぽを向くサン、居場所が無くなった彼女は今はジュイチと一緒に暮らしている。
「………まだ、男の人がこわいかい?」
優しく微笑みながら聞くジュイチ、その顔に赤面していた顔がもっと赤くなる
「べっ……別に怖くないわよ……ただわからないだけ」
「?わからない?」
気を落ち着かせようとコーヒーを飲むサン
ジュイチは何がわからないんだろうと首を傾げる
「だって……私は最初あんたを鳥籠に閉じ込めた!! あんたに酷いことをした!!
なのに…あんたはそうやってへらへら笑ってて……私を何で責めないの!? 男なのに何で!?
男は……酷い奴じゃないの!!!!?」
つい感情的になるサン、テーブルをダン!!と叩き、はぁはぁと息を切らす
「………」
暫く口を閉ざしていたジュイチだが優しい笑顔で答える
「うーん、それは僕が怒るのが苦手だからかな😅」
「は!!はあ!?」
「それに男は酷い奴って言われても僕は女々しいし男らしくないから……」
たははと困り顔で笑うジュイチ
「そ、そんな理由ッ…!?」
サンが反論したかったがその前にジュイチが口を出す
「それにあの時ズタボロに傷ついてた」
「え………」
「そんな姿を見ちゃったら……男らしくなくても……女々しくても……助けたくなっちゃうもんだよ」
「…………!!」
ジャバウォールとの戦いの中、彼は戦闘が得意じゃないからみんなのように戦えなかった、けど彼は、ジュイチは救ったのだ……倒れている今にも力尽きそうな命を
知ったのだ、目の前の命を助けたとき
【力だけが、敵を倒すだけが戦いじゃない】
と
「……………」
その言葉を聞いて俯くサン
そんな彼女にたははと話すジュイチ
「まあ…それでもそんなの僕が考えた力の無い人間の言い訳に過ぎないかも知れないけどね」
はははと空笑いするジュイチ、しかしそんな彼にサンは
「………ない」
「……ん?」
「……そんなことない!!」
「!!」
ジュイチの焼いたトーストを食べるサン
勢い良く食べながらサンはジュイチに話す
「あんたのお陰で私は救われた…消えかけてた命が救われたんだ
あそこで死んでたらあんたの買ってきてくれたこのとっても美味しいトーストも、美味しいコーヒーも頂くことが出来なかった
……だから!!
だから………
ありがとう、自分を卑下しないで
………【ジュイチ】」
「………!!」
初めて彼女に名前を読んで貰えた
ああそうか
僕は……立派に戦い抜けたんだなあ
「……うん、ありがとう【サン】」
「!!」
サンと呼ばれて顔が真っ赤になるサン
誤魔化すように急いでトーストを食べて手を合わせる
「ごちそうさまあ!!!!」
食事が済んだサンはイスから立ち上がりドアの前に
「何処か出掛けるのかい?」
ジュイチの言葉にサンは後ろを向きながら答える
「……これから用事があるの」
サンの言葉にジュイチは止めることはなく微笑み言った
「- うん、行ってらっしゃい」
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- レイの小屋 -
コンコンと扉がノックされる
「ふぁ~い」
眠そうに扉を開けるレイ、目の前には
「……あれ?」
「……………」
もじもじしながら顔を赤らめるサンがいた
- その日の夜 -
「ふう、」
仕事を終えたジュイチは背伸びをし机に突っ伏す
「あー、つかれたあ~、甘いもの食べたいけど……今切らしてるんだっけ」
しまったなあと後悔するジュイチ、その時扉が開きサンが帰ってきた
「あっ、やあお帰り」
「……ただいま」
顔を下に向けながらジュイチの前に歩いていくサン、急に近づいてきたものだからジュイチも何々?と慌ててしまう
「えっ?えっと…どうかした…😅」
「……………」
暫くそっぽを向いて黙っていたサンだが懐から歩袋を取り出しジュイチの前に差し出す
「………僕にかい?」
「………こく」
ありがとうと礼を言いジュイチは袋の中を開ける
その中には
「………クッキー?」
そこには少し形が変なクッキーがたくさん
「……あ!!」
もじもじしながら呟くサン
「あまり上手じゃないけど……許してね?」
顔を赤らめ上目遣いで見つめてくるサン、それにジュイチは驚く
「え!?、自分で作ったのかい!?」
「う……うん」
そう、先程レイの所に向かったのはクッキーを作る事を教わりに行っていたのだ
「…………」
「へ、変……?」
不安そうに見つめるサン、そんなサンの頭にジュイチは頭を乗せ
「変なことがあるものか」
優しく頭を撫で撫でした
「………!!」
「僕の為に作ってくれたんだよね?
ありがとう!!とっても嬉しいよ」
ジュイチの言葉にサンが瞳が明るく輝く
その大きな手を両手で掴み、自分の小さな頬に擦り寄せた
「うん…………」
「ありがとう」
そして二人はテーブルにクッキーを置き仲良く食べた
変な形だけどジュイチは気にしなかった
だって
満面の笑顔で美味しい美味しいって食べてくれたのだから
「……ジュイチ」
「ん?」
クッキーを食べ終わった後、ジュイチの足にちょこんと座ったサン
ジュイチの方を向き、晴れた日差しのような笑顔で答える
「- 私の命を助けてくれてありがとう」
- 続く -
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