第28話 そして時が動き出す

青い空になった時止めの狭間が捻れていく



「な、なんだ!?」



何が起こっているのかわからないテン、そしてジューサ達


白く輝くレイが優しい眼差しで両手を前に



そして手の平に現れた光は






「!!あれは」





「秒!!」





なんで!?いつ取り戻した!?と理解できないテンにレイは話す






「私は0月の管理者…始まりを告げる者……



私が望めば始まりは始まり




秒は今【私の手の平の上で新しく始まった!!】」





「!!」





なんとレイは秒を取り戻したのではなく、新しく生み出したのだ!!




「じゃ,じゃあ前の秒は!?」



ジューサの言葉にレイが彼を見つめる






「ジューサ……」




そして一言






「ごめん」





「!!」







その言葉を聞いたジューサは悟る




震える手を落ち着かせ




そして覚悟を決めて頷く







「……わかった」






ジューサが飛ぶ!!






「な、何をする気だ!?」




そのジューサを見上げてテンが叫ぶ!!







「……僕は【月を終わらせる者】」






ジューサが目掛けて飛ぶ先は……










【古い閉じ込められた秒】




「まさか……やめろおおおおおおおおおお!!!!!!!!」





察したテンは本気のジューサに向かって飛ぶが間に合わない!!!!!








「……今までの出来事が全て過去の秒が進んで起こったのであれば……






この理不尽な時間を断ち切って終わらせる!!!!!!!!!!」






剣を抜くジューサ!!








「やめろ……やめてくれえええええええ!!!!!!!!!」





涙を流しながら必死に訴えるが…届かない





「そんなことしたら……今までの僕が集めた魂は……





僕の苦労は………サンを痛め付けてまで必死になった出来事は……


















【たくさんの事を覚えたナクヨとミナゴ】は」




まるで遅いような







最初から素直に皆に話せば





こんなことにはならなかったのに






けどもう遅いから




このままじゃ進んだ時は巻き戻せないから










もう、終わらせよう









この……剣で!!!!!!!!!!














パキイイイイイイイイイン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!







ジューサの刃先が秒に触れ






そして









砕けた







----------------------



- 365の国 -





「見て!!」






ニ-が空を指差し全員が上を見る








「なんだ!?空がすげぇぶれて!!!!!」





何が起こってると慌てるイチ達、そこでゴーがカレンダーコアに気付く!!!!!








「見るでござる!!!!!」






全員がカレンダーコアを見る





するとなんと







「………動いてる」







カレンダーが1月1日から2日3日そして4日と一秒も経たないうちに動いているのだ!!!!!







「動いてる!!」





カレンダーがペラっと捲られる




2月



3月




4月




…………






「時計も進んでるよ!!!!!」




ジュイチのパソコンの時計も一秒一秒進み



空は朝昼夜と繰り返す!!







「……戻るのね」




「ああ」




空を見ながらようやくお互いを支え会う事が出きるようになったオリとヒコ



二人が揃って本当の【ナナ】





そしてここにずっと望んでいた事が叶い微笑む一人の青年イチも呟く







「……ああ、ようやく進むんだ





【俺の月から】」








----------------------



- 時止めの狭間 -





「あううう…ナクヨ…ミナゴ…嫌だ……ハカセも」






ノイズのように崩れていく時止めの狭間泣き崩れる彼を前にハカセ、ナクヨ、ミナゴは互いに見つめ合い、そしてテンに伝える




「テン……それでもナクヨとミナゴの為にたくさん尽くしてくれたのは君のお陰だ



ありがとう」





そんなハカセの言葉がテンの悲しき心を温かく包み込む





「私達は恨んでないよ」




「よく考えたらハカセが君がいてくれたから僕たちはこうやって立って、歩いて、言葉を覚えることが出来たんだ



だから……自分を責めないでくれ」





「…………!!」



3人の言葉でようやく涙が無くなる、そんな4人にレイが女神のように話しかける







「ううん、大丈夫だよ」














「みんな大丈夫」







そしてジューサを見つめ、ジューサもふふふと微笑む








「……行こうか、レイ」



 


「うん、帰ろうジューサ



みんなの所へ」
















【皆で一緒に】








カチ


カチ


カチ


カチ


カチ






10月




11月





12月






そして





カチ



カチ


カチ




カチ














【0月】









   





----------------------





……イ




……………………………レイ











「レイ!!!!!!!!!!」






「はっ!?」





ジューサの声でガバッと飛び起きるレイ








「ふぁあ~」




情けないあくびをしながらジューサを見つめる






「おふぁよう~ジューサ~」





「たくっ、おはようじゃないだろ



珍しく【君の方が起きるのが遅いな】」






「ん~?」




そうだっけ?とレイ





私そんなに起きるの遅かったっけ?


と腕を組んでうーんと悩むが





「うーん……ま、いっか」




「いや自分だけで勝手に納得すんなよ」





なんか疲れがとれないなあ~と重たそうな体を起こすレイ、そんな所にノックの音が聞こえる





「よっ!お二人さん、めでたいねえ!!」



オッスとイチが入ってきた





「ああイチさんおふぁようございまあふ」



「何がめでたいのか知らないけどおはよう」





そんなイチに挨拶する二人




「ん?なんかレイ眠そうだなあ」




「ああここんとこそうなんだよ」



とため息を尽くジューサ





まあ、とにしし笑うイチ





「そんなレイさんが直ぐに目を覚ませるいい情報があるぜ」






「ん~?」




何が~?とイチを見つめるレイ、そんな彼女に【懐中時計】を見せる






カチッ



カチッ



カチッ





「今、朝の10時20分



皆との集合時間は




8時10分」








「……………」





眠たい目を擦るレイ




進んでいる時計を見るとどんどん目が覚めてきて






「……………」










「!!!!!」






ああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!



と目ん玉が飛び出た!!!!!






「だから言ったんだ!!!!!」






あたふた慌てるレイ、いつもの死に装束に着替える!!!!!




「ジュ、ジューサ!!!!!エッチじゃないんだから覗かないでね!!!!」





「覗くか!!!!!」





慌てて着替えるレイと赤面して視線を反らすジューサ



そんな二人を見てイチは遠い目で「(…別に幽霊なんだから透ければいいんじゃね?)」





と思った









 -  カレンダーコアの中央 -





「おっそおおおおおおおおおおおい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!💢💢💢💢💢💢💢💢」





「ひいいいいいいい!!!!!!!ごめんなさあああああああい!!!!!!!!!!」




大声で怒鳴るニーにふええとなるレイ





「今日は全員でボランティア活動でござるよ」




「最近たるんどるのう」




とやれやれなゴーとまったくとクゥ




「まあまあ反省してるだしいいじやなーい


ねー♥️」




むぎゅうと大きいのをレイに当てるジュニ




「ぐ、ぐるじ……」





「どうする?オリ、私達も」



「やーん、人前よ~ヒコ」



とイチャイチャしだしだすオリとヒコ






「ほら、見てごらんハチ!!久しぶりの朝は綺麗だね!!」




「バウ!!バウ!!バウ!!バウ!!ワン!!」




時が戻ったことで飼い主が帰って来て喜ぶハチ




え?結局この飼い主なんなんだよって?






それはまた後日






そんな管理者達が集まってワイワイ賑やかな光景を見て木陰に座り休む二人がいる





「ふふ、皆揃うと楽しいね、サン」




ジュイチが横を見る視線にはフリフリのドレスを着た少女が1人





「ふん!! あんた男の癖に体力無さすぎよ!!」



とジュイチを蹴飛ばしそんなサンにあイタタ( ̄▽ ̄;)いたたと微笑むジュイチ




時が戻ったことでサンも人に戻ったのだ






そしてここに集まるのはいつメンだけではない






「おーい!!レーイ!!」





走ってくる3人の影





それを見てレイは大きく笑みを浮かべる





「!!」









「ナクヨちゃん!!ミナゴ君!!


テンさん!!!!!」





そう






【皆一緒に】




なのだ






「ごめんねレイちゃん~準備に戸惑っちゃって」




「テンの奴がまた悪戯をしてな」



ミナゴが睨むとテンは「あっかんべー😜」と舌をだす、相変わらず性格はそのままだ




「あっはっはっ💧」





因みに3人とも人造人間である



ハカセとの関係から3人はそっちの方がいいだろうという判断だ





時止めの狭間が無くなった彼らは今森の小さな小屋で暮らしている




中ではハカセが頑張っているようだ





「頑張って365を守るよ……あの子達の為にも



この国の人達の為にも」








わいわいがやがや





管理者が全員集まると凄く賑やかである



皆カレンダーを見つめ、大きくたっている時計、鳴き始めた時ポッポを見て嬉そうだ







…あれ?






誰か1人忘れてない?







そう









6月の管理者ムーは何処?











「ああ……あづい……じぬ……


ナメグジ」





久々の朝日で溶けてました😅








 「レイ」




イチがレイに声をかける




「………はい!!




よーし!!ジューサ!!!!!」





「(微笑み頷く)」






「皆!!!!!!」




「(皆も元気に頷く)」











「全員で中央広場の清掃ボランティア




頑張りましょ-!!!!!!!!!!」



 








「おおおおおおおおおおおお!!!!!!」










1つの時が終わって





また1つ新たな時が生まれた!!





- 【時止めの狭間編】おしまい!!!!! -








お話はまだまだ続きます!!







































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