第26話 織姫と彦星

「……あんたは!!」



ニィの前に現れた人物…それは7月の管理者ナナの片割れであり、オリの愛した人物






「そうだ、ヒコ

ただいま帰った!!」





苦しむオリの額に手を当てるヒコ、そんな姿を薄れる意識の中でオリが見つめていた




「ヒコ…ホントにヒコなの?」




「ああ、0月の管理者の子が私を呼び戻してくれたよ…もう何も心配ない」




そしてヒコの手から光が溢れオリを優しく包む




「……思い出の力を」






~ 過去 ~




「おーい!!」


声の方向に振り向く少女、365に来たばかりの頃のオリである。



そして声をかけたのは同じく365に来たばかりのヒコだ





「あら~、あなたは?」



「ジューサ殿から聞いたよ、どうやら私達は二人で7月の管理者らしい」




その言葉にキョトンとするオリ、しかし次第に笑顔になり受け入れた




「そうなのね~宜しく♥️」



「う」




キュン、来ちゃった






「……好きです」



「はい~?」





なんと初対面で告白!!





「わかりました~」




しかも即決でOK!!






こうして二人のお付き合いかつ管理者としての役目が始まったのである。




二人は仕事をこなしがら愛し合い、互いを支え…そして数年後の7月7日




「ほら、見てごらん、星空が綺麗だ」



「ほんと~まるで天の川みたいね~」




二人で夜空を見上げる。それは七夕に相応しいような満点の星空が移り天の川のように綺麗な夜空だ




「………オリ」




ゆっくりと夜空を見上げていたヒコが顔を下ろしオリの方を向く





「結婚しよう」




「…………」





突然の告白、しかしそれを全てわかったのように優しく微笑む





「はい、宜しくお願いします」





二人は抱き合う





「私達は…今までの織姫と彦星のように離れ離れにならない、新しい織姫と彦星になるんだ」




「ええ…七夕だけの日だけ会えるなんてそんな悲しい結末ではなく、永遠にいましょう」




誓い合った愛









そう






誓ったハズだった











ズバッ!!







「………!!」





突然倒れるヒコ、何者かが…ヒコの背中を切り裂いたのだ






「ヒコ…!! しっかりしてヒコ!!どうしたの!?ヒコ!! ヒコ-!!!!」




いつものボーッとした表情が曇り激しくなる



倒れたヒコの前に現れたのはカボチャ頭





「八-ッハッハッハッ!!!!駄目だよ~織姫と彦星なんだから今までの七夕のルールに従わないと♪」





「!!誰!?」




振り向くと嘲笑う憎きカボチャ頭





「んまあ、最も、7月7日すらもう会うことも許さないけどね☆」




そう言ってオリの腹部に手を当て魔法でオリを吹っ飛ばした!!





「!? きゃあああああああああああああ!!!!!」





衝撃を地面に叩きつけられるオリ!!




「う…あ…ヒコ…」



薄れる意識の中、必死でヒコに手を伸ばすが届かない




そしてテンがヒコを抱え






「二人とも~


結婚おめでとう!!



そしてそして-!!









離婚おめでと☆」






そのまま消えてしまった






いや……いや……ヒコ」




届かない伸ばした手が下りて気を失う





二人の結婚記念日が二人の別れ日だったのだ





~ しかし ~







「ヒコ…ヒコお!!」





今ここで再会した!!




力を取り戻したオリと抱き締め合うヒコ




「すまなかった…もう二度と離れ離れにはならないよ」





「うん…!! うん…!!」





そして口づけを交わす






「きゃー!!」




それを両手に隠して顔を真っ赤にしたニィが見ていた




そしてイチの方をチラッと向いて



「私もいずれイッちゃんと」



「こんな時に鳥肌たつような事言うのやめてくれる!?」






そして口づけを交わした二人がジャバウォールの方を向きなおす







「…グガアアアアアアアアアア!!!!!」






二人で声を重ね合う!!







「7月の管理者【ナナ】!!



今ここに揃ったり!!」






~ 続く ~















  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る