第25話 皆甘くない

「ハカセ!! ハカセ!!……わあああああああん!!!!!」



テンに切り裂かれたハカセを必死に治療しようとするナクヨ、けど効果が効かない




「どうして!? 私が治せなかった物は何も…」





それを見てテンは煽るように笑う




「ハハハハ!!ごめんねナクヨ!!、僕の鎌の力は【全てを深く切り裂いてしまう】んだ




回復が間に合わないぐらいにね!!!!!!!」





「!!そんな!!」




それを聞いて膝をつき顔を下に向けてしまうナクヨ





「…ナクヨをいじめるなああああ!!!!!」



そのテンに怒りをぶつけるミナゴとジューサ



しかしテンは二人の攻撃を軽々受け止めてしまう






「ふふふ…しかしジューサ君、ジャバウォールが復活した今僕と遊んでて良いのかなあ?」



「何!?」




不気味なカボチャ頭の笑顔が更に深く増す






「あの七月の片割れ……もうすぐ死ぬかもよ?」






「!! オリが!?」





オリがジャバウォールにやられたことを知るジューサは衝撃を受ける





そこで暫く黙っていたレイが口を開く






「ジューサ……ジャバウォールってなに?」




テンへの攻撃を止め、ジューサはレイに語る




「…かつて365を滅ぼそうとした【時の破壊龍】だ、何者かが召還し、365を破壊しようとした…時を守る365にとって時の破壊者は天敵だ



【かつての先代の管理者達】は…ジャバウォールを止める為に力を使い果たし消滅したんだ」




それは衝撃の事実である


なんと先代の管理者達はジャバウォールを封印する為に全員消滅していたのだ、


引退し元の世界に戻る前に……





「魂になった彼らが今の僕らを呼び寄せたんだ……そして今オリがジャバウォールに襲われ消えかかってるのか…くそ」





「……消えたら何処へ」




「元の世界には帰れず【死ぬ】そして…【世界から7月が消える】だろう」




「…最後に聞いてごめんね




……後まずそうな管理者の人って誰?」




レイの言葉に戸惑うがジューサは答える





「ハチだ、元々彼はペットの犬、【飼い主といることで本当の力が解放できる】はずなんだ…けど」



飼い主がいないハチが危ない



オリも消えかかってる





「……そっか」




その言葉に何か感情をだすわけでもなく頷くレイ



それを見てテンはケタケタ笑う



「おやおやレイちゃーん、お顔が怖いよお? 


いつもみたいに可愛い感情表現が出てないよお?」





「余所見をするなあ!!!!!」



「おっと」





ミナゴの攻撃をヒラリと交わしレイに追い討ちをかけるテン




「けど無駄だよ~あの織姫も、犬っころの飼い主の魂も全部この狭間に閉じ込めてあるし、ここ広いし♪、探そうとか考えてるだろうけど絶対見つからないから♪」






「…………」





黙るレイをケタケタ笑うテン





「アッハッハッハッ!!!!


レイちゃんかお怖い!!怖いよ~www」





「………さい」









ギロリ




「……うるさい」




「ヒッ!?」




「!!」




その今まで見たこと無い目付きで睨まれさっきまでからかっていたテンが怯えて黙りジューサも驚く





「(な、なんだ今の目付きは…僕が怯えただと…?)」






「……レイ今のは」





そして穏やかな表情に戻り泣いているミナゴの所に寄り添い優しく頭を撫でる





「……レイちゃん?」




それはさっきまでの鬼のような形相と違い、聖母のような優しい微笑みに変わるレイ 




「大丈夫だよ」




倒れたハカセの背中に両手を当てる



すると信じられない事が起こった!!







「なっ!?」




「なんだと!?」





その光景に戦いあっていた3人が動きを止める




レイの体が白く輝き時止めの狭間の暗く禍々しく赤色の空間が澄んだ青空への変わっていく!!






「私は0月の管理者レイ……【始まりを司るもの】!!!!!」





レイから放たれた光が上へ、下へ広がった





--------------その頃365





「ハァハァハァハァ」




「ちょっ、オリしっかりしなさいよ!!」





消えかかってるオリを膝に乗せるニィ





「へへ、テンの野郎もとんでもねえもんを起こしやがったなあ」




冷や汗と共に苦し紛れの笑みを浮かべるイチ、その目の前には








「グガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!」




禍々しき時の破壊龍ジャバウォール




「うわあああああん!!どうなっちゃうの!?どうなっちゃうの!?」



泣き叫びながら慌てるシィにニヤニヤ意地悪に答えるイチ




「まあ、あいつに殺されたら1月も4月も守れなくなってなくなんだろうなあ」




「絶対やだあ!!」




ジャバウォールにはブシャーにゴー、クゥー、ハチ、そしてムーが挑んでいる




「浄化の雨!!」




ムーが鋭い雨をジャバウォールに浴びせるが…





「グオオオオオオオオオオ!!!!!」





「きゃあああああ!!!!!」




効く気が全く無く逆にジャバウォールのしっぽに吹っ飛ばされてしまう





「うう…浄化の雨が効かないなんて」




その言葉に反応しクゥー、がジャバウォールの攻撃を交わしながら答える




「なるほど、元々聖も邪も無いってことじゃな」





「ハチ殿!!飼い主のいないお主は今全力をだせないでござる!!無理はしないで欲しいでござるよ、!」



「バウバウ!!」




それでもハチはゴーと共に攻める!!





それを見ながらイチもジャバウォールを街に近づけないよう誘導しながら攻撃を続けるが…






「(いやしかし参ったな



オリもヒコがいねえしハチも飼い主がいねえ……


オリがまだいる間は【7月を半日だけ守れる】がオリが消えちまったら7月が完全に終わる……それをわかっててテンのやつわざとオリを攻めるようにしたんだな


ハチの飼い主も時止めの狭間じゃない別の所に魂いっちまってるみたいだし、力が不十分の管理者二人がいる状態で何処までもつか…)」







その間、木陰に隠れているジュイチ


小さな小鳥のサンを治療している




「……よし、こういう時のために動物病院で働いていた経験があってよかった」





「お…お前何故助けたっピ…」



ジュイチの手の中でも震えながら話しかけるサン





「どんな命も命だ


こんな働きすぎで自分の命を削っているようなバカな僕よりも


まだ幼いのにボロボロになるまで殴られて死にかけているような子の命をほっとけるわけないだろ…ごめんね、戦いが苦手な僕にはこんなことしかできないけど」





「………!!」



何故か顔が赤くなりそっぽを向くサン




「ふっ、ふん!!男の癖に戦えないなんて情けないやつだっピ!!」




「はは、十分承知だよ」






その頃ジャバウォールを戦っている管理者達





「ぐっ!!」




ジャバウォールにブシャーの仮面が割られてしまいゴーは子供に戻ってしまう!!




「なんと…戦闘での変身解除初体験でござるな」




「シィ!!ジュニ!!お前達も戦えよ!!」






「桜の花びらじゃ戦えないよ-!!!!!せいぜい目眩ましだよ!!」




「んー、といっても私とジュニちゃん戦闘向けじゃないからなあ」






木の上に登りどうしようかと悩むジュニ



「…あら?」




するとジュニが何かを見つける





「あれって」







その頃オリを膝に乗せているニィ


「ハァハァハァハァ…」



段々とオリが薄く消えかかっていく!!





「まずい…!!



オリ!!しっかり自分を保って!!」




そんな二人の所に


ザッ


ザッ



と謎の足音が近づいてくる











「ありがとう



後は私に任せてくれないか?」




「な!?誰!?今そんな場合じゃ…」







声の方向に顔を上げて視線を向けるニィ



すると驚くような人物がいた!!









「!!あんたは!!」





- 続く -















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