第22話 私達の役目

レイとジューサが時止めの狭間を歩いている同時期、365にいる残された管理者達の話になる


「ジュニお姉ちゃん…レイお姉ちゃんとジューサお兄ちゃんどこ行っちゃったの…?」



2人が時止めの狭間に向かった瞬間を目撃したシィはあたふたあたふたと慌てる



それを見ジュニはふふっとニコニコしている



「まあまあ、私達には他の役目があるから♪」



「ちゃんと説明して!?」



「まずは他の管理者を集めてからね♪」




そう言ってジュニはシィを連れて他の管理者達を探しに向かった





- その頃 -



「なんだ…どう言うことだ…」



カボチャ頭の10月の管理者、テンは上空を見つめていた



「何で僕がいないのに勝手に時止めの狭間が開いてるんだよ!!」



鍵はテンが持っている、しかし狭間が開いている現状を知らないテンは戸惑っていたのだ



「…おい!!」





「ぎゃっ!!」



テンはボロボロのサンを蹴飛ばす



サンはなんとテンから暴行を受けていたのだ!!


それもテンのストレス解消の為である



「ボケーっと倒れてないで行くぞ!!


きっと他の管理者達の仕業に違いない!!」




「は…はい…」



テンは傷だらけのサンを無理矢理引っ張り時止めの狭間まで連れていこうとする。その時だった!!






「!!ぐっ!!」





テンに向かって何かがぶつかる!!




「わんわんわんわん!!!!」




それはハチだ!! 離さないぞ!!としっかりテンをがっしり掴む!!





「くっ!!離せ犬っころ!!」




「バウウウウウウウ!!!!」





そのまま飛んでいた体勢を崩し3人もろとも落下していく!!





「うわあああああああ!!!!!」






どしゃあああああああああ!!!!!と物凄い音を立てて地面に倒れる3人





「いてて……なんだ?」




テンが頭をかきながら起きる。その目の前には







「よう、カボチャ野郎」





「お前…イチ!!」





「イッちゃんだけじゃないわよ!!」




「管理者集合でござる!!」





そこには残された9人の管理者達が勢揃いしていた!!




       - 回想 -






「へー、じゃあレイとジューサは時止めの狭間に向かったのか!!」




他の管理者達を集めジュニは説明する




「そうよ~、その間に私達が出来ること…


察しがいい人はわかるね?」



右目をウィンクして周りに聞かせるとジュイチが答えた




「…テンとサンを時止めの狭間に向かわせない」




「ピンポンピンポン~♪


狭間が勝手に開いたらそりゃあの子達が黙っていられるわけないもの」




そしてニコニコしていた表情から一変、ジュニの表情が真剣な眼差しに変わる




「……私達で狭間にあの子達が向かうのを止めるよ、絶対に」





  - そして今に至る -





「狭間には~行かせないわよ~」



おっとり言ってるが真面目な顔つきでナナがテンの前に立つ




「……………」




「へっへ-ん!!これだけの管理者を前になす術がないんでしょ!?」



ドヤっとした顔でテンに勝ったと言うような顔を見せつけるシィ…しかしテンは





「……………」








「…………ふっ」








「アーハッハッハッハッハッ!!!!!!!」




「!!!!!」




急に高笑いをしだしたテンに管理者達は驚く





「なんじゃ?気でも狂ったのかのう」




首を傾げるクゥ、しかしテンは










「バーッッッッッカ!!!!!



かかったのはお前達の方だよっ!!」




「!!ピッ!!」





ノリでサンをジュイチの方へ蹴飛ばす!!





「ああっ!!何て事を!!」




ボロボロのサンを抱えるジュイチをよそにケタケタと笑い出すテン





「お前達管理者がどっかで纏まる日をいつも待ってたのさ!!



さて………ついに起こすときが来た」





ゴゴゴゴゴゴ…と大きな地響きが広がる




「な、なんでござる!?」







「さぁ、目覚めよ…全て殺せ!!



時を壊せ!!!!





時の破壊龍…… 







【ジャバウォール】!!!!!」






ズドオオオオオオン!!!!!!





するとまるで火山が噴火するような勢いで地面が割れ、1匹の巨大な黒き龍が姿を現す!!






「…グオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!」





「な、なによあれー!!!!」



慌てる管理者達、しかし昔から365にいるイチは知っていた





「あの野郎…封印を解きやがった…」




「知ってるのかの?」





「ああ忘れもしないぜ…かつて時を破壊しようとするためになにもんかが召喚した黒き龍



それがあいつ【ジャバウォール】だ



昔俺はかつての管理者達とヤツを封印したんだよ」



「!!」




「いけジャバウォール!!


管理者を!!



この365の世界もろとも




全てぶっ壊せ!!!!!」







「グガアアアアアアアアアアア!!!!!」





「!!」



するとジャバウォールを物凄い勢いでナナの方へ向かう!!




すると





「!!……あっ」




バタっとナナは急に倒れてしまった!!



「ナナお姉ちゃん!?」




「しっかりして!!どういう事よ!!」




振り向くとジャバウォールが口が加えてる物…それはナナの羽衣に刻まれた【7】の数字



そして




パキイイイイン!!




「!!!!!」





力を加えた顎と牙でその数字を壊してしまった





「ううううう……」



「どういう事じゃ…」



倒れるナナを抱え、クゥがジャバウォールを見る




そしてイチが説明する





「……奴は時の破壊龍…故に時を操り365日を守る管理者達の力も破壊する




【7】の数字が壊れた事で






……【7月】は無くなった」




「!!!!!」





驚く管理者達



一年の中の7月が壊されたことで現実世界の時も狂い始めたのだ!!




「はぁはぁ…」



「わあ!?ナナお姉ちゃんが消えかかってる!?」




「ああ…俺達管理者達にとって月の数字は魂と同じ……それが無くなった管理者は【次第に消えて死ぬ】



そうやって過去の管理者達も何人も【ジャバウォールに殺された】」





「!!なんと…」






「けど…まだ間に合う」





ジャバウォールの方を振り向くイチ




「管理者が消えるには時間がある…



その間に…あいつを倒すか封印すれば【壊された月は元に戻る】!!!!!」








「クククククク…」



不気味に笑うテン






「倒せるかよ、かつて封印で限界だった管理者どもが…今回だって同じさ……




さあ!!吠えろ!!暴れろ!!ジャバウォール!!


管理者を!!


この世界を!!


365日一年を!!





纏めて始末しろおおおおお!!!!」






「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!」







「……行くぜ皆!!」






管理者達とジャバウォールの戦いが始まった!!



 - 続く -



















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