第20話 皆止まってる

~ これまでのあらすじ ~


皆さんこんにちは!!私は【煌咲麗(きらさきれい)】です。


私は何処にでもいるような(一応クラスの中では一番美少女だと思ってますけどねぇ、うぇへへへ)


女の子


ある日の夜、私は大好きな【お兄ちゃん】が帰ってくる【明日の誕生日】をワクワクしながら楽しみに眠りました






しかし目を覚ますと







なんと謎の異世界【365(ミムゴ)】に来てしまったのです!!




突然の事であたふたする私!!





そこで出会った謎の青年【ジューサ】



彼は世界の一年365日を管理して守る組織【管理者】の最後の役目を勤める【一年の終わりの担当】、彼を含め、私はそれぞれの月日を守っている【12ヶ月の管理者】達に出会いました。


しかし、彼が言うに【時間を進める為に必要な秒が盗まれてしまった】らしいのです!!


つまり私は【時間が進まなくなった為にこの夢の世界から現実世界で目を覚ませなくなってしまった】のです!!


時が止まって管理者さん達も自分の月日の役目を果たせません!!



しかも10月の管理者【テン】さんはなんと組織の裏切り者で【秒を盗んだ犯人!!】


ついでに3月の管理者【サン】さんもそちら側に(!?)



更には【人の大切な人の魂を奪って時止めの狭間】という謎の空間に幽閉していました!!


そこには8月の管理者【ハチ】さんの主さん、7月の管理者【ナナ】さんの1人【オリ】さんの恋人【ヒコ】さん



そして…【私のお兄ちゃん】



ああ、なんと言うことでしょう




管理者さんの大切な人の魂も私のお兄ちゃんの魂もテンさんに狩られてしまい時止めの狭間に…



悲劇のヒロイン…可愛そうな私




でも希望はありました



なんと12月の管理者【ジュニ】さんのお陰で除夜の鐘を鳴らし狭間に閉じ込められていた【秒】さんを反応させて時止めの狭間の扉が開いたのです!!



そして私とジューサはジュニさんとペットのトナカイの魔物【トナ𠮷(よし)】さんの力で(てか無理矢理)狭間の突入に成功!!





さてさて、私とジューサは秒さんを取り返すことが出きるのでしょうか…!?




~ 時止めの狭間 ~


「うう、いたた…お尻うった~」



狭間の突入に成功したレイ、尻を痛めたのか押さえながら立ち上がる



「な、なんか気味悪いなあ」



空を見上げるとねじ曲がっているような渦、変に赤紫色に染まっている空、鳥の1羽も、一輪の花、ましてや生物の1匹すら見えないのだ




「頭痛くなってきた…ねぇ、ジューサは大丈夫…?」



後ろを振り返るレイ、しかしそこには





「……あれ?いない」











「ジューサとはぐれちゃった!!」







- その頃のジューサ -


時を同じくしてジューサもはぐれたレイを探していた




「レイ、おーいレイ、何処だー!!」




キョロキョロ見回しながら歩くジューサ




「ふむぅ、一体何処ではぐれてしまったんだろうか……」



顎に手を当ててあたかも名探偵のような仕草で考えるジューサ、しかしこんな広い場所では検討が付かない




「いずれにせよ探し歩くしかないか…しかし」




再度、周りを見回すジューサ、そこでひとつ気づいた






「…全て【止まっている】な」









- その頃レイ -




「えええええ!?」



辺りを見てびっくりするレイ、それもそのはずだ




「これ…【私の世界の車】が浮かんで止まってる!!」




そう、車を始め、【レイの住む元の世界の物質】がたくさん宙を飛んで止まっているのだ!!





「え!?待って!?」




しかしそれだけではなかった





「物だけじゃなくて……【お侍さんも!?】」




なんと物質だけでは…いや、現代ですらもない!!


【戦国時代の侍の魂】も止まっていた!!





「ど、どういうことー!?」



訳がわからなくなって目をくるくるさせるレイ、さらに進むともっと信じられない物が!!




「……嘘でしょ?」












「【宇宙人がUFOから降りたまま】止まってるうううううううう!?」






- その頃ジューサ -




「……おいおいおいおい【八岐大蛇】って神話の中の魔物だろう」




まさかの八岐大蛇が止まっている





ジューサも同じ思いをしていた




ジューサ「まあ、さっき見た【八頭身でムキムキのオパビニア】よりはマシか、オパビニアって確かカンブリア紀の古代生物だったはずだけど…💧」




取り敢えず悩みながら進むジューサ、しかし既にある仮説は出来ていた





「……まあ、うすうすはわかったけども、つまり時止めの狭間は」









「【あらゆる時代、あらゆる異世界、あらゆるフィクション、全てを飲み込むことの出来る狭間】って事だな」




それでもジューサは冷静に歩く



きっと、冷静差を失ったらこんな場所やっていけないからである






- その頃レイ -




「きゃああああああああああ!!!!!


ムキムキの鼻の長くて目がいっぱいある古代生物みたいなおじさんが裸で止まってるうううう!!!!!!!!!!」




⬆️冷静差を失った見本がこれです






……しなよ





……オパビニアに





し な よ




オパビニア先輩って




よ び な よ






「いやあああああああああああああああああああああああ!!!!!幻聴まで聞こえてきたあああああああああああああ!!!!!」




⬆️冷静差を失ったら人はこうなるので皆さん気を付けましょう








大慌てで浮遊して飛んでその場を去るレイ





「なんなのー!!もう、ほんとなんなのー!!さっきの【ドラゴン】さんといい【原始人】さんといい【サイレンヘッド】さんといい時代も異世界も都市伝説もバラバラだよー!!!!」





しかし飛び進みながらレイも何かを感じていた





「(けどなんだろ、こう…)」










「【取り敢えずいろんな物を無理矢理に飲み込んだ】みたいな感覚は…この世界そんな感じがする」


そう、何故かこの世界



【統一感】を感じないのだ



レイの世界の車だったり、戦国時代の侍だったり、異世界ファンタジーのドラゴンや都市伝説のサイレンヘッド、はたまた日本神話に出てくる八岐大蛇、古代生物のオパビニア




まるで世界に統一性を感じ無い




「なんかスッキリしないな……」



頭をもやもやして飛んでいる最中、そんな時だった




「…ん?」




下から泣き声が聞こえる。女の子の泣き声だ!!




「?おーい!!」



レイは空から降りてしゃがんで泣いている女の子に近づく




「大丈夫?迷子?」




「えぐ…ぐす…」



泣くのを止めて目をレイに向ける少女、桃色の長い髪で、右目を前髪で隠している




「え…」



少女が目を合わせた瞬間、レイの心にドクンと何か重たいものが来るのを感じた




「この子……【私に似てる?】」



その顔つきでわかった、レイにそっくりなのだ




「お姉さん……誰?」




「え…あ」




少女の声でハッと我に帰る



「あ!!ごめんね、私はレイ!!


あなたは?」





「……【794(ナクヨ)】」















「泣いてばかりだから…【794(ナクヨ)】」






- その頃ジューサ -



とんでもないことになっていた






「!!くっ!!」



何者かとサーベルをまじ合わすジューサ



「その程度か」





「はぁはぁ…強い」




ジューサは何者かに襲われていたのだ



煙の中から現れたのは目元がジューサそっくりの青年、水色の長い髪で左目を前髪で隠している




「一体君は何者だ?何故僕を襲う?」




ジューサそっくりな青年は冷たい眼差しで答える




「…単純に殺すため」




「何?」




「僕は【375(ミナゴ)】」












「たくさん皆殺しだから【375(ミナゴ)】だよ」






- 続く -





















































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