第19話 終焉のクリスマス
「わあ」
空を見上げると雪が降り注いでた、それを見てレイはまるで子供のようにはしゃぎ出す
「凄い凄い!!凄いよジューサ!!」
家の中にいるジューサに伝えようと扉を開ける
するとそこにいたのは…
バッキューン
ボッキューン
「あらあら?」
セクシィー
「………へ?」
そこにいたには緑髪と黄色い瞳、サンタクロースの格好をした成人しているような雰囲気の女性、
この前出会った12月の管理者…【ジュニ】だ
「あらあ-レイちゃん!!ジューサになにか用?」
「ええ…用はありますけど…」
恐る恐る視線をジュニの谷間の方にゆっくりと、ゆっくりと向けるレイ
するとそこには
「し、死ぬ………」
「ジューサアアアアアアアア!!!!」
谷間に顔をうずくまれたジューサだった
「そおおおおおおい!!」
ポン!!と音を立ててレイがジューサを引っ張りジュニの谷間から救う、いや音のなる程の谷間ってなんだ
「レ、レイ助かった……はぁはぁ」
落ち着いて呼吸を整えるジューサ、そうとは知らないと言わんばかりにジュニはニコニコに話しかける
「やーん、ジューサ顔赤くなっちゃって可愛い♪」
「君のその無駄にでかい玉のせいだろー!!!!」
「(最近ジューサ突っ込み役になってきてるな……)」
遠くでそう思うレイだった
そんなやり取りが終わりレイとジューサはテーブルに腰掛け目の前にはジュニが座り、互いにお茶を飲みながら視線を合わせる
「それで、僕達への用件というのは?」
紅茶を啜りながらジューサが尋ねる
「あら!そうだったわね!!」
くねくねやんやんと動くジュニ、それを見てジューサは冷めた目に
「その動きやめろ」
「えっとね~、ほら秒が盗まれて年も越せなくなっちゃったじゃない?」
「………ジー」
そんな話の最中だけどレイはどーしてもジュニの谷間が気になってそっちに集中してしまう
「……こほん」
ここでジューサが咳払い
「レイ…君も十分魅力的だぞ」
「気、気にしてないし!!!!!」
慌ててパタパタ手をブンブンするレイ
それを見てジュニも大笑い
「アッハッハっ!!ホントに仲いーんだ!!!!!」
「話の腰を下ろしてしまってすまない」
ジュニの用件に戻る
「確かに年は越せなくなったね」
「ってことはつまりね~毎年私が鳴らしてる【除夜の鐘】、あれも動かなくなっちゃったのよ~」
「ふむふむ」
「で?」
「なんとかなら無いかなあ~って」
「…………」
内容は良いとしてジュニの喋り方のせいなのかふわふわしていてあんまり内容が頭に入らない
「つまり…【除夜の鐘を鳴らしてほしい】と」
「ピンポンピンポ~ン」
可愛くウィンクして正解!!とポーズするジュニ
「(うざっ)」
「後はね~これ!!」
そう言うとジュニ後ろに置いてあった大きな袋、その中から大量にプレゼントらしきものがボトボト落ちてきた!!
「わっ!!凄い!!」
ニコニコしながらも手に顎を乗せて困ってるのよ~とジュニ
「ほら、私サンタでもあるから【クリスマスプレゼント】も子供達に配らなきゃだけどね~ほら、時止まっちゃったからクリスマス来なくて寂しがってる子供達いっぱいいるのよ~」
つまりこうだ
【ジュニと一緒に子供達にクリスマスプレゼントを配る役】
【除夜の鐘を鳴らす役】
に別れて手伝ってほしいとの事
「クリスマスと除夜の鐘一緒にやるのか」
「まあまあそういうのも乙なもんでしょ~
それで、引き受けてくれる?」
レイは元気よく立ち上がって
「分かりました!!子供達がクリスマスプレゼントを楽しみにしているなら悲しませるわけには行きませんもんね!!」
レイはジュニと行くことに決めた
「よし、なら僕は除夜の鐘だな」
ジューサは除夜の鐘を鳴らす役に
しかしホントのジューサの心の声は
「(良かったあ~ジュニと一緒だとまた何されるか)」
危機回避したと思ったジューサだった
「ありがとう~!!助かるわ
それじゃ行きましょうか!!」
3人は別れて外へ出た
「じゃあねえ、レイちゃんこの子に乗っていくわよ~」
ジュニが手を上げると空から何かこちらに向かって駆け出してきた!!
「わあ、トナカイ」
「キュルキュル~」
「わっ!!くすぐったい!!」
見てすぐ懐いたのかトナカイらしき魔物はレイの顔をペロペロ舐め始める
「あらら~【トナ𠮷(よし)】が懐くなんて珍しい~」
手を合わせてキラキラ目を輝かせるジュニ
「(トナ𠮷!!)、それでこの子はトナカイ型の魔物なんですよね?」
「そうよーその子の種族の名前は【トナエル】この世界で人と共存して暮らしている乗車用の役目をしているの~」
「へぇ~えるなんてなんか天使みたいな名前ですね!!」
よしよしとトナ𠮷の頭を撫でるレイ、それを見てジュニはなんだか安心したような安らかな顔をする
「ふふっ」
「?どうしたんですか?」
「その子ね、元々【前の飼い主に虐められて瀕死の重症】だったの」
「え……」
撫でる手を辞めるレイ、眼差しが真剣な顔つきになる
「「役立たず!!」だの「間抜け!!」だの、叩かれたり食事をさせて貰えなかったり痩せ細っていたの、その飼い主はジューサのお陰で永久にろうごくに閉じこめられることになったけど、その子の心の傷は救われることはなかったんだ」
「そんな……」
「一応12月の管理者としてその子を引き取る役目はしたんだけど最初の頃はホントに人を警戒したり攻撃したりして人間嫌いになっちゃっていたの、けど、私は諦めなかったよ
【管理者になったからには責任を持たないと】って必死で努力した」
「管理者としての責任…」
「そして努力は報われるなってやっぱり思った」
ちょいちょいとトナ𠮷を手で招く
よってきたトナ𠮷はジュニの手にすりすりする
「諦めなかったからこうやって寄り添ってくれるようになったの、きっと【心は誰とでも通わせることができる】それが例え人でなくてもね」
「心を誰とでも…」
「けど羨ましいな」
むすっとするジュニ
「へ?」
「今初対面でトナ𠮷を懐かせたレイちゃんにちょっと妬いたよ?」
「!!いやいや全部それはたまたまで!!」
思い切り手をブンブンして否定するレイ、けどジュニはそれを見てクスって笑い
「っな~んて冗談よ~、それだけあなたには【寄せ付ける力】があるってこと♪」
「寄せ付ける力…?」
「そっ、なんだかレイちゃんなら
今の友達とも新しい人とも、今は敵な人とだって、皆と仲良く出きると思うな」
「皆と…仲良く」
レイの心に中に暖かい何かを感じる。そして手を優しくそこに当てて、目を閉じる
「皆と…仲良く」
そして目を開いたレイの眼差しは力強い覚悟を決めた目付きになって
「…私、やってみます」
「ジューサとも今以上に、他の管理者さん達とも、今は敵のテンさんやサンさんとも、この365の人達とも、全て仲良くなってみます!!」
「……」
その言葉を聞いて優しく微笑みジュニもニコッと笑う
「うん、できるよ、レイちゃんなら
現にトナ𠮷が懐いているんだもの大丈夫だよ
……さて!!」
そろそろとトナ𠮷が引っ張っているソリの上に乗るジュニ
「そろそろお仕事始めましょうかレイちゃん!!乗って!!」
「あっ、浮遊できるんで」
「(o´・ω・`o)」
~ 一方その頃のジューサ ~
「はあああああ!!!!!」
カン!!
カン!!
と金にサーベルを当てる、しかし当然のことである。サーベルでは鐘の音は鳴らすことは出来ない
「はぁはぁ」
くたびれてしゃがみこむジューサ、息を整えながら不思議に思っていたことを考え始める
「(一体…何故急に鐘を鳴らしたい)」
そうなのだ、時間が止まっている今、除夜の鐘を鳴らす必要はない。しかしジュニは除夜の鐘を鳴らしてクリスマスと同時進行している
「(…そもそもこの鐘鳴るのか?)」
そう考えている時
ポロッ
「あっ…おっと」
あまりに鐘を叩きすぎたのか、サーベルの刃が溢れ始め、壊れようとしている
「(やはりサーベルでは不可能だ…しかし手持ちにはこれぐらいしか…)」
急に決めて家から出ていってしまったので手持ち無沙汰のまま来てしまったことを後悔するジューサ、はぁとため息を付き続け途方にくれていたその時だった
「おーい!!」
「!!…その声は」
~ その頃レイとジュニ ~
「プレゼントどうぞ~」
「わあ、ありがとうレイお姉ちゃん!!」
着々とプレゼントを配り終える二人
「次ので最後ね~」
次へ向かうレイとジュニ、訪れたのはまるで廃墟のような古小屋だった
「うう…なんか不気味だなあ」
不安がるレイは二人で一緒に!!とジュニの方をチラッとみる、するとジュニは満面の笑顔でニコニコしていた
「ニコニコ(^-^)」
「ジュニさん!!一緒に!!」
「ニコニコ(^-^)」
「ジュニさん!!」
「ニコニコ(^-^)」
「えーと…ジュニさ…」
「ニコー(^-^)」
「……」
「あっ、はいわかりました怖いんですね私1人で向かいます💧」
「うふふ~お願いね~♪」
怖いのを笑顔で誤魔化すジュニは大成功!!と顔をしている。いや、下半身ガタガタしてたから丸分かりだよ!!
ギィィと古びた扉を開きレイは恐る恐る中に入る
「お、お邪魔しまあ~す…」
辺りをキョロキョロ見回す、たくさんのクモの巣が張り、置いてある謎の壺は欠けていて不気味さを彷彿とさせている
「怖いなあ…」
胸に手を当てて不安になるレイ、そんな時後ろから声が聞こえ
「お姉ちゃん誰?」
「!!びゃあああああああああ!!!!!」
振り向くとそこにはおかっぱ頭の目が隠れている小さな女の子だった
「(はぁはぁ…なんだ女の子か、もしかしてプレゼントあげるのこの子かも)」
焦りの呼吸を深呼吸して整えてニコッと笑みを作る(💧を書きながら)
「は…は~い、プレゼントですよ~💧」
「あっ!!わーい!!ありがとうお姉ちゃん!!」
うきうきの少女を見てレイもホッとする
「ありがとうお姉ちゃん!!
バイバイ!!」
「……うん?😅」
フッ
(消える音)
「…………」
「う~ん💧」
ズコーッと今では懐かしいこけ方をしてレイは気絶した
それを遠くで見ていたジュニは腹を抱えて大笑いしてる
「ぎゃーっはっはっはっ!!!!
幽霊が幽霊に怖がって気絶するなんておっかし~!!!!!
うっける~!!!!!(床をドンドン叩く音)」
実は幽霊が平気なんて事は内緒にしているジュニ姉さんだったのでした(笑い方が美人台無し)
~ 一方のジューサ ~
ジューサの前に現れたのは意外な人物
銀色の髪に臙脂色の瞳、幼い体の少女
そう、彼女は
「シィ!!どうして!!」
「お仕事の帰り!!、ジューサお兄ちゃんこそこんな雪が降ってる寒空の中でどうしたの?」
ジューサはジュニが除夜の鐘を鳴らしたいと言うことを説明した
それを聞いてうーん、と腕を組んで考えるシィ
「そうだなあ、何で除夜の鐘を鳴らしたいのかはわからないけど……」
うーん、うーんと悩み続ける
そして頭の上でピキーン!!と閃きの光が浮かび上がる
「わかった!!」
「なんだ!?」
シィはとたとたと慌ただしく鐘の前に走って立つ
そしてジューサの方を振り向いて「シーッ」と少し黙っててね、と口許に指を立てる
それを見たジューサは「?」と首を傾げたが、取り敢えず言うことを聞くことにした
そしてシィは大きく息を吸って……
「スゥーッ」
大きな声で
「おーい!!鐘さーん!!!!もう大晦日の夜だよ!!置きてー!!!!」
「って、嘘つくのかい!!!!」
とノリ突っ込みを入れてしまったジューサ
まさかそんなことでと半笑いで見守っていたが
……
ゴーン
ゴーン
「って鳴ったああああああああ!!!!!」
この鐘生きてるぞ!!!!
「あっ!!鳴った鳴った-!!」
声の方を振り向くとレイとジュニがソリに乗ってきた!!
「ジューサ!!」
「レイ!!ジュニ!!」
しかしソリに乗ってるレイに疑問を浮かべる
「レイ、君浮けたよね?」
「ソリ乗ってあげないとジュニさんが膨れてしまうんで😅」
「しかし…」
それはそうとジュニの方を向くジューサ
「梵鐘を鳴らす棒が無くって大変だったぞ!!」
「ああ、テンに壊されちゃったからね~」
テヘヘと舌を出すジュニ
「けどあの棒って名前なんて言うんですか?」
「え」
「え」
「え?」
「…僕わからない」
「私も勿論わかりません」
「私もー!!」
「私も~♪」
筆者も~♪(おい)
ググってね☆
話は一旦区切って本題へ
「それで何故除夜の鐘を…」
鳴らしたかったのかと聞こうとするジューサ、しかしジュニはシーッと
「106…107…後一回」
どうやら鐘の音の回数を聞いているらしい
「?」
そして
「来た……108回目!!」
そう叫んだ瞬間!!
「きゃ!?」
「わっ!?」
「な、なになにー!?」
一瞬の光が目映き、空が割れる!!
そして割れた間から現れたのは…!!
「あれって…」
「【時止めの狭間】!!!!!」
テンに狩られた人の魂が幽閉されている狭間が開いた!!
「テンも甘いわね~!!
【年の終わり】と聞いたら秒だって反応するでしょうよ!!」
「そっか!!」
レイとジューサは理解した
しかし端のシィはなんなの!?なんなの!?と目を丸くして理解できていない!!
「除夜の鐘を鳴らしたのは…」
「【年納め】と嘘をついて幽閉されている秒をおびき寄せるため!!」
「ピンポーン!!」
正解♪とにっこりするジュニ
「んじゃまあ」
「へ?」
「な?」
トナ𠮷にレイとジューサを乗せる
そして
「頑張って秒を取り戻してきてねえええええ!!!!!!」
「えええええええ!?」
「なんだこの突入の仕方ああああ!!!!!」
トナ𠮷に乗せられたレイとジューサは時止めの狭間につれて行かれ放り投げられた、トナ𠮷だけ戻ってきた!!(鬼畜)
「へんな穴に入っちゃった……」
狭間に放り投げられたレイとジューサを見てきょとんとしているシィ、そこにジュニが声をかける
「さて、ボーッとしてる場合じゃないわよ~♪」
「へ💧」
「こっから私達【管理者全員】のお、し、ご、と☆」
続く
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