第18話 毎日が女の子の日なんだっピ!!

「ふんふんふふーん♪」


レイはご機嫌上げ上げに森の中を歩いていた




「最近はお仕事も上出来だし料理の腕も上がったし絶好調だな~」




ステップを弾みながら歩いてるレイ、すると目の前に小さな影が倒れていた





「あれ…なんだろう」





近づいて見ると





「あれ…鳥さん!?



それに赤ちゃんだ!!」




小柄な鳥、恐らく雛鳥だろう


急いで抱えレイはジューサの家に向かう







- ジューサの家 -



「大丈夫、あれぐらいの傷程度なら何とかなったよ」



「ほっ、良かったあ」




ジューサに鳥の雛の治療をして貰い安堵するレイ、すると後ろから大きな声が響いてきた





「良くないっピよ!!


スッゴいいたかったピよ!!💢」




ピヨピヨと大声で怒鳴り上げるのはなんとさっき助けた鳥の雛!!




「ひ、雛が喋った!?」


「鳥の雛違うピヨ-!!」



驚くレイにカンカンの鳥の雛




その後の言葉でレイは驚愕した顔になる






「妾は3月の管理者【サン】



だっピよ!!!!」






「え」












「ええええええええええええ!?」




人外はと宇宙人だけかと思ったら今度は鳥の雛だよ!!







「で、でもなんで鳥の雛で3月なんですか!?」






「何を言うピヨ!! 3月と言えば【ひなまつり】だピヨ!!」





「ひなまつり…」





頭をポクポクして考えるレイ




そして







 


 チーン!!





 



「【(雛)祭り】だあああああああああ!!!!!」




いや、駄洒落かよ!!しかもひな祭りに鳥の雛関係ないよね!?ね!?とレイは心の中で突っ込みたい!!





「元々こんな姿じゃなかったんだっピよ!!」



「そうなの?ジューサ」



レイは知ってるかもしれないジューサに聞く




「そうだよ」



即答、知ってた




「妾はプリティで、チャーミーな人間の女の子だったんだっピよ~それがあのカボチャ頭のせいでこんな姿に変えられたんだっピよ~えぐえぐしくしく」



鳴き始める…いや、泣き始めるサン、犯人はテンだった




「(テンさんどこでも迷惑かけるな…)それで、何故倒れてたんですか?」





「あっ、猟師に食料にされようと終われてたんだっピよ」




「(あぶなああああ!!!!!)」



結構この人不運なんだなとヒヤヒヤするレイ




「所で…何故ジューサがいるっピ」



「へ?」


「僕かい?」



目線をジューサに変えると目付きを変えるサン


それは穏やかな目ではなく警戒しているような目だ




「えっと…ジューサはあなたを手当してくれて」





「そんなの関係ないっピ!! 男は邪魔だっピ!!出ていくっピ!!」




ドン!!っとジューサにぶつくかっていくサン、それは雛鳥とは思えぬ力強さだった!!




「うわっ!!」



「ジューサ!!」




そのまま追い出されてしまった






「ええ…」







「な、なんでこんなことを!?」



あたふた慌てるレイにサンは説明する




「男は嫌いだっピ!!


男は…皆けだものだっピ」



俯いて話すサン




「…何かあったんですか?」



「それよりも」



レイの方に振り返るサン、レイも慌ててあ、はいと聞く




「お前…名前はっピ?」


 「えっと、レ、レイです」




「レイか…よし、手伝えっピ」



「な、何を!?」




するとサンは素早く飛び立ちレイの頭を鷲掴みにする!!




「へ!?わ!!わ!!」




「365の女すべて集めて【ひな祭り】をするっピ-!!」



「ええええええええええええ!?」



いきなりすぎるとレイ、しかしそんなの知るかの如く




「ジューサに見つからないように窓から抜けるっピ~♪」




「うわーん!!なんで~!!」




そのままレイはサンに連れていかれてしまった!!







その飛んでいる所を見てしまったジューサ





「…やれやれ、参ったな」










「……で」





「あたし達を集めてどうするつもりよ」




サンに呼ばれたニィ、そして他の365の女達も全員集まる




「別にどうもしないっピ、妾は3月の管理者だからひなまつりをしたいだけだっピ」






「でも…こんなに…いるんじゃ…」





ワイワイガヤガヤ





「ひぃ!!」




人混みの中にビビりレイの後ろに隠れるムー、レイもよしよしと宥める




「でも集まってホントにどうするんですか?」



肝心な理由がわからないレイ、他の女性達もうんうんと頷く






「ふっふっふっ」





サンが不適に笑い右手、いや、右の羽を上に挙げる




するとシュッと何かの影がたくさん集まりレイ含む他の女性達の腕を掴んだ





「ひゃ!?」



「ちょっと!!何すんのよ!!」




謎の影は黒いスーツを着たまるでSPのような女性達





「妾は元々お金持ちのお嬢様、SPの勧誘なら365でだって鍛えられてるっピ!!」




「こ、こんなにたくさんの人を1体どうやって雇ったのおおおおおお!?」


 


叫びながら聞いたのはシィ、彼女だけ幼い子供のためか腕を押さえられるというより最早高い高いに近い状態に鳴ってる







「ふっ、」










「こ、れ、だ、っ、ピ」



羽の先でお金のポーズをするサン、てか羽で出きるのか




「(お金で解決-!!)」



「(てか365のお金どうやって稼いだの-!?)」




恐らくお嬢様というだけあってうまく取引したのだろう





「さて、そろそろお話は終わりだっピ」




羽の先をパチン!!と鳴らすサン、するとSPと思われる女性達がメジャーを取り出して





「へ」




「計らせて貰います」


ピトっ



「ひゃん!?//////」



ピトっとお腹に触れられつい叫んでしまったレイ




同じくニィやムーも計られる





「ちょ!!っやっ!!っ何処さわって…//////」




「すみませんニィさま、お腹周りが測定不能でしたので胸辺りを計らせて貰いますね」




ムニムニ





「あっ、あん!!//////絶対わざとでしょ!!!!!」




「…………かー」



レイも他の女性達もニィの喘ぎ声に気付きガン見する





「(ニィさん…意外とある)」


by0の声



「(大人になったら私もあれぐらいおっぱい大きくなるのかなあ)」



b y4の声




しかし他も負けてない!!









ボッキュ~ン




「いや~ん、ヒコだけに見せていいのに~」


by7


   



ボ~ン




「ぬう、…地上の身体測定はきついのう」



by9






ボンボンボボ~ン



「あ~ん、クリスマスプレゼントは


あ た  し ♪」




by12








「…………」




もっと凄いのが3人もいた






「……ん?」








今【12】って













「うっふーん、12月の管理者の【ジュニ】で~す、良い子の坊やたち、次回でお会いしましょう



ね☆」









「……」










「(さりげなく12月の管理者紹介されたああああああああ!!!!!)」






因みに論外⬇️




「お嬢様!!計れません!!


どういうわけか


メジャーが全て体に当たりません!!」




「なんじゃと!?」





ストーン⬇️


ストーン⬇️





「へっ…へへ…どうせ私なんて…計る価値もない……骨と皮だけの女……へへっ」




by6










「お嬢様、全て終わりました」




「うむ、良い見映えになったな、皆のもの」







「へ?」





SPが全て去り何をされたのかというと








「き、着物!?」




全員大和撫子が似合うような着物にされていた!!





「ちょっと!!キツいわよ!!服返して!!」




ニィの声に首を横に降るサン





「この世界には雛人形がないからの






【お主達が女だけのひな人形】になって貰うぞ!!」




「女だけの…ひな人形…?」



疑問を浮かべるレイ、すると次の瞬間頭が重くなり





「うっ…な、…なに?」



「頭が…痛いよお…」



頭の痛みに耐えられず頭を抱えるシィ




「ふっふっふっ」



その状況を見てサンが不適に笑みを浮かべる




「何を…考えてるん…ですか?」



苦しみながら耐えて聞くレイ






するとサンは答える





「言っただろう?









【女だけのひなまつり】って」






「!!まさか」




その通りとニヤつくサン




「うむ」

















「【365を女だけの世界にするため男をすべて葬る】のだ!!!!!!」






「そんな!!」




「待ってよ…いや、いやよ…



イッちゃん




イッちゃああああああああん!!!!」





苦しみながらイチの名前を叫ぶニィ





「うっ…」



レイも意識が保てなくなり





「ジュー…サ」



ジューサの名前を呼び…倒れた




次々と倒れていく女性達







そして暫く立つと順々に立ち上がっていく






「…世界に男はいらない」























「ゆけっ、【ひな人形達】」






「………」




立ち上がるレイ








ギン!!




と開いたその目は薄暗く赤く














その瞳に輝きはなかった






「ハッハッハッ」


何かから逃げるジューサ




「くっ、どういう事なんだ…何故追ってくるんだ








……レイ!!!!!」






ジューサはなんとレイに追われていたのだ!!






「ジューサ…ジューサ…ジューサああああ!!!!!」




輝きの無い瞳で追いかけてくるレイ



「レイ!!どうしたんだ!!


サンになにかやられたのか!!」




ジューサが必死に話しかけるが反応がない






「365から出ていけえええええええ!!!!」



飛びかかってくるレイ、それをギリギリ横にかわす




「くっ、レイすまない!!」



そのまま背後に回り首元に手刀をする!!





「うっ!!」



そのままバタッ!!と倒れた





「はぁはぁ」



息を整えジューサは頭の中を冷静に整理する





「確かサンは【男はいらない】って言ってたな………ハッ!!」





察したジューサは急いで走る






「急がないと…365の男性達が危ない!!」










同じタイミングで、一方その頃





「うわあああああああああああああ!!!!」



 「うっふふふ…イッちゃーん



やめて!!やめ……



でてけえええええええ!!!!」






イチは操られたニィに金棒を振り回されながら追いかけられていた!!






「くっそおおおおお久々の登場だってのになんなんだよこの扱いはああああ!!!!!



ニィ!!とうとう俺にまで物理攻撃を…」






「ち、違うの違うの!!ほんとはこんなことしたくなく……でてけえええええええ!!!!」




「情緒不安定みたくなってんのやめろおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」




泣きながらイチを追うシィ、どうやらまだ自我はあるようだ





「いやあああああイッちゃん逃げて、超逃げてえええええええ!!!!」




金棒が近くまで来る





「お、お助けえええええええ!!!!」








更に同じくして



「はぁはぁ…」


走っているゴーを追いかけてくるのはシィ



「待て待て-!!」




追われながらゴーは必死で考える



「(くっ、どうすればいいでござるか!!


どうして追われてるのかは分からぬがこのままでは危ないでござる…大人になって身体能力を上げて速攻で逃げるでござるか)」

 

 

懐からブシャーのお面を取り出して被ろうとした時だった






「きゃあ!!」




ズシャアッ!!と転んだ音がしてたゴーが振り返る!!




「なっ!?シィ殿!!」




お面を手放しシィの元へ駆け寄るゴー



「大丈夫でござるか!? 何処か怪我は…」




「うう…」



膝を押さえてうずくまるシィ、しかしそれは






「うう」






「う…ふふふふ」








「う☆そ」




それは罠だった





シィが指パッチンをすると桜の花びらがゴーの手足を掴む!!





「なっ!?しまっ!!」



じたばたするゴーの所にニヤニヤ笑みを浮かべながらシィが近づく





「私が嘘つくの得意だって忘れた?



さてと」














「つーかまえた☆」











「(何処だ…何処にいる…)」



走り続けサンを探すジューサ、その時



「うわあああああ!!!!!助けてえええええええ!!!!」



「!!あの声…ジュイチか!?」




ジューサはジュイチの声がする方に向かう!!






そして森の奥、木の上で籠に囚われてるジュイチを見つけた





「ジュイチ!!」





「うう、何がどうなって…」




しくしく泣くジュイチの前にクゥとサンが立つ



「クゥ!!サン!!」






「全く、見た目どおり地味で歯応えの無い男じゃったのう」




「うむ、ご苦労だっピ、今頃イチもゴーも捕まってるっピ!!


ピーピピピピピ!!!!」



  勝ち誇って高笑いするサン



その背後に





「ボ~」




「……」






「ボへ~」




「……」






「あらあら~」




「………」







「お前行かないのっピ?」




「私は~ヒコ以外興味ないので~」



うふふふふと笑うナナことオリ








「……じゃあお前働かなくて良いっピ」





そんなやり取りをしている中、遅れてニィとシィがイチとゴーを連れてやって来た




「おお!!よくやったっピ!!」





「くっそー!!だせこのやろー!!」


「何故こんなことをするのでござるか!?」




籠をガンガン叩きながらサンに聞く二人、しかしサンの表情は何処か儚げで悲しそうである




「男は……」







「男は嫌いだっピ!!」




サンが羽を挙げると女性達がジューサを囲む!




「くっ!」




「逃げろジューサ!!」




イチが慌ててジューサに告げるが逃げ場がない!!






「無駄だっピ、さあ雛人形達よ……






ひな祭り締めだっピ!!」







女性達がジューサに迫る!!




「(駄目か…!!)」





その時だった!!







「……う」





ニィが着せられていた着物が剥がれバタッと倒れる!!




「!?」




「な、なんだっピ!!」






ニィだけではない




シィを初め次々と女性達の着物が剥がれ、まるでドミノ倒しのように倒れていく!!






「これは……?」




「どういうことだっピ!?何故全員倒れるっピ!!」





唖然とするジューサと何が起きてるか分からなくてあたふたするサン






そして…答えは目の前に現れた!!









 


「ふぅ、何とか全員分剥がせました」





現れたのは…透けていたレイだった!!





「レイ!!」




「何故だっピ!?お前も洗脳したはずだっピ!!」



訳が分からないとレイに叫ぶサン、それに対してレイは冷静に答える





「……いたんです、ひとり、いえ、【一匹】【男性かも女性かも分からなくて人でない物が】」



レイの後ろからもくもくと紫の煙がたなびく




そして…それが影となり実態となって正体を現した!!









「ワンワンワンワン!!!!!」




それはイーヌであるハチだ!!




「ハチ!!」





「なっ!!しまったピ!!」


 てっきり人もとい人形(ひとがた)だけ狙っていたサンは迂闊だったのだ!!



「そうです、ハチさんはイーヌ、人ではありません」






「そして…



【性別が不明】です」





倒れていたレイから着物を剥がして助けたのはハチ、二人で、ペアになり透明になり、煙とり、気づかれないように女性達から着物を剥がしたのだ!!




「後ついでに男の人達も皆助けて起きました」



「おー、助かったぜレイ」



「かたじけないでござる」



「ふぅやっと出れた💧」







「えええええええ!!!!どうやってっピ!!」



レイは指先で何かの鍵をくるくる回す



「!!籠の鍵!!一体どうやって!!」




「透明になってこっそりとです♪」






「ピ~ピピピピィ…そんなあ」




その場で膝をつくサン、そこにイチが近づいてくる



「んで、なんでこんなことしたんだよ


男に恨みでもあんのか?」





「…………」




暫く口を閉ざしていたサンだが、ゆっくり口を開く







「……男は皆【怪物】だっピ」




----------------------



私は元の世界では良いところのお嬢様、何一つ不自由なく暮らしていた



勿論美貌にも磨きをかけ、そこにたくさんの男達がやって来た



私はその男達全てと交際した、あぁなんて幸せなんでしょう




しかしそれは浅はかだった




何せ相手はみな【男】


私は【女】




そこから得られる答えはただ一つ











「やあああああああああ!!!!!」



「ぐへへへへへへ」




男達はみな私の【体目当て】で近づいてきていたのだ、気持ち悪い眼差し、汚い唾液、それはもはや人間と言えるものではない


【怪物】だ





逃げた、私は必死で逃げた



弄くられた体で、ほぼ裸で、震えながらも何処か安全な場所を求めた




そしてたどり着いたのが




「どこ…ここ」




365だった



よく分からない世界に来た私は精神的にも肉体的にもボロボロ、その場で倒れ意識が薄れていく



そんな私の視線に微かにうつる者がひとりいた


よく分からない死神みたいな、魔法使いみたいな、カボチャ頭


それが口を開き私にこう言った




「憎いかい?男が、じゃあさ、皆捕まえちゃいなよ」















「皆捕まえて【狭間に送るんだ】」







そしてそんなワケわからない事を言っていたカボチャ頭は




【私を鳥にした】






「僕との取引の代償さ☆」




----------------------


「…結局全部アイツかよ」



ジューサが理解する






「つまり僕達男をひとつに集めて【テンに差し出そうとした】、それに君を鳥の姿にさせた犯人もテンだったのは知らなかったが…そういう事かい?」








サンは頷く






「話したことは全て話したっピ……」




俯いていたサンが起き上がり羽を広げる





「けど…捕まってたまるかっピ!!!!!」





「わっ!!」




雛鳥とは思わぬ速さでサンは高く飛んで逃げていってしまった!!






「ああっ、くそ!!」




悔しがるイチにジューサがまあそう慌てるなと宥める






「テン…実に危険な奴だ」


「………」


考えるジューサ達の中、ジュイチだけは何かを感じている眼差しをしていた













その頃




- 何処かの洞窟 -



「この役立たず!!」




「ぎゃあっ!!」




テンにはたかれているのはサンだった!!




そのまま倒れるサンをよそにテンは後ろを振り返る






「まあ良いや、こいつ見つけたし」






何かの巨大な黒い影、それをみてテンもニヤーと笑う









「これで365も終わりだあ」








- 続く -


































































 








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