第9話 ユー ア ドッペル?
「ジューサ遅いですねえ」
ハチと依頼を終えてから三日後の事(時間は動いていないが眠気と睡眠はあるので)
レイは手作りのパウンドケーキを作ってジューサにご馳走しようと予定を立てていた、だが肝心のジューサが来ないのだ
「まさかジューサの性格的に約束を破るなんてあり得ませんし…うーむ」
ジューサはとても生真面目な性格である。そんな彼が約束を守らないわけがない
レイは頭を悩ませていた
そんな時ノックが聞こえて
「あ!!来ましたかね!?」
パタパタと玄関まで走るレイ、ドアの鍵を開けて訪ねてきた人物と対面する、すると…
「はーい!!レイちゃーん!!おっくれてごっめーん!!」
てへぺろ☆とあざとく下を出してウインクしたのはジューサ!!
ジューサ!!
なのだが
「…どちら様ですか!?」
レイは彼がジューサだと信じない!!
「いっやだなあ!!僕だよ僕、ジューサだよ!!」
本人はジューサを名乗っているが
「(嘘だ!?絶対ジューサじゃない!!)」
信じないレイ、いや、何故か信じたら負けな気がしてきた!!
レイの頭の中では「(誰だお前!?)」状態である!!
「ほんとだよお、ホントのジューサだよ!!」
それでも自分が本物だと言い切るジューサ
「…なら、本物の証拠を見せてください」
「えー?」
こんなのが本物のジューサな訳がない、本物のジューサは大人しくて無表情でこんなにグイグイ来て疲れるようなタイプじゃない!! レイは確信していた
レイはジューサに食べさせるつもりだったパウンドケーキをジューサ?の前に出す
「えー!?僕にくれるの―!?やった~!!」
ぴょんぴょん跳び跳ねて♥️マークいっぱい浮かばせるジューサ、ニコニコ笑顔になってパウンドケーキを口に運ぶ
「それじゃお構い無くいただきま……
あんまあああああああ!!!!!」
あまりに甘過ぎて驚きで飛ぶジューサ?
「やっぱり偽物ですね!? ジューサはその程度の甘さで悲鳴をあげません!!」
指をビシッ!!と決めるレイ、涙目になるジューサ?はくっそぉと悔しがっている
「さあ答えなさい!!あなたは一体誰なんですか!?」
もう誤魔化されないぞ!!とレイ
「…お、弟」
「弟さん…ですか?」
「そう…弟、ぐす」
「なるほど、弟さんですね」
えー!?それは信じるんかい!!
暫くして落ち着いたジューサの弟?が説明をする
「僕の名前は【14】呼び名は【ジューシ】だよ」
あれ?とレイが疑問を浮かべる
「でも13で終わりだってジューサが…」
「信じないで!!お兄ちゃんは僕に自分の評価を取られたくないから僕の存在を隠しているんだ!!」
「えええええええ!?」
まさか、ジューサに限ってそんな事する訳がない!!と疑うレイ
「本当なんだよ!!お兄ちゃん…いや
アイツはクールに見えて実は狡猾でクズで自分の為だったら弟の事だって周りに話さない奴なんだ」
「うーん」
でもなあと悩むレイ、ジューシは仕舞いには泣き始める
「ほんとなんだよおお!!しんじてよおおお!!僕だってぇ、管理者の仕事ちゃんとしたい…おーいおいおいおい(。´Д⊂)」
「わっ!!泣かないで下さい!!
…分かった、分かりましたから!!」
「ぐす…ほんと?」
その言葉にピクッとなりジューシは泣き止む
「ほんとですほんと!!」
すると泣き顔から笑顔に代わり
「うわーい!!ありがとうレイちゃーん!!」
「きゃああああ!?」
レイに抱きつこうとするジューシ
私女の子なんですけど!?という顔でびっくりする
「と、取り敢えずはじめだし私の依頼者を一緒にしましょうか、ツリーに行きましょう!!」
「うん!!」
ニコニコしながらジューシはレイと手を繋ぎツリーへと向かう
そんなジューシを見てレイは思った
「(ジューサもこんな笑顔が作れたらなあ)」
レイが今で見た限りだとジューサは無表情で笑っても少し微笑むぐらい、満面の笑顔が見たいと少し欲求が出てきた
おねがいしまツリーに吊るされている依頼内容を見る二人
樽を運ぶの手伝って~😭by酒屋の店主
「酒屋さんですね!!」
― 酒屋 ―
「ありがとうレイちゃん、きてくれたんだね!! おや? ジューサ君も…?」
レイがジューシの事をかくかくしかじか説明する
「なるほど、じゃあジューシ君も手伝ってくれるね?」
「はあい!! まっかせっな…さあああい!!」
「ぎゃあああ!?」
ジューシがなんと重ねってあった樽を蹴飛ばしてお酒をぶちまけてしまった!!
「ジューシ君!?なにやってんですか!?」
「にーげろー!!」
ダッシュで逃げるジューシ、待ってくださーい!!とレイも一生懸命走る!!
商店街の方にやって来た!!
「あっ!!リンゴーンどろぼー!!!!by八百屋の店主」
「後でお金払いまーす!!」
「オリャオリャリャ!!」
「いやああああ!!美容院で綺麗にした髪がくしゃくしゃに!!by美容院帰りのお姉さん」
「後で直すの手伝います!!」
「あー!!いたずら楽しいなあ!!」
「きゃあああ!?あんたプロポーズに毛虫なんかプレゼントする最低男だったの!? by0彼女」
「あれえ!?指輪毛虫に変わってる!?by彼氏」
「あっはははは!!サイコー!!」
大笑いしながらいたずらして走るジューシ
「まちなさーい!!」
全力で追いかけるレイ、しかしジューシは速い!! するとジューシの前に
「あっ!!イチさん!! ジューシ君を止めてください!!」
「あ?ジューシ?」
「あはははは!!!!
きゃいん!?」
ジューシの目の前にいたイチがジューシの頭をチョップして止めてくれた!!
「あっ!!良かった!!」
いてて~と、くらくらしながらイチを睨みジューシは怒る
「おい何すんだ!!僕はジューサの弟のジューシだぞ!!」
「んな訳ね―だろ、俺はこの365でアイツとの付き合いが一番なげぇからアイツの事は全部知ってる
アイツに弟なんかいねえ」
「え、いない…?」
固まるレイの後ろからおーいどうしたー!?と近づいてくる声がする
「あっ…ジューサ」
「野暮用から帰ってきたら街の人達から騒動があったと聞いたよ、なにやら僕の弟を名乗る奴がいたずらを…!!」
途中でジューシを見たジューサが言葉を止め、鋭い目付きで見つめる
「…おい、お前何やってる」
「……10【テン】!!」
「テン…?」
「………」
「にやり」
続く
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます