ジャンル:生命神 世界の存続

生命神である私はあらゆる世界の生命を管理する。


だがたった一つの世界の崩壊が全世界まで影響が及ぶことは私でさえわからなかった。


その世界は……私が神に至る時に修行した世界だった。





『その世界』


「どうなっているんだ!これは!」


「私に聞かれても……」


「なんで城壁の中以外黒い瘴気で覆われているんだ!」


「新しい魔物せいとしか……」


「新しい魔物!?変異種ってことか?じゃあなんの魔物かはすぐにわかるだろ!」


「知りませんよ!私は全知全能ではないのですよ!神でもないし、知識が集まる本しか持っていないんですよ!」


「その知識の本でなんとかならないのか!」


「この本はこの世界の人がつけた知識しか集まらないのですよ!」


「じゃあこれからどうすればいいんだ!」


『世界が滅ぶまで苦しんで住むしかないわね』


突如、何もない空間からこの世界に住む人間全てに聞こえた。


「どういうことなんだ!?しかしあんたは何者だ!?」


城壁の中にいた1人が言った。


『私はあらゆる世界の生命を管理する生命神よ』


「あんたならなんとかできるでしょ!」


『生憎私はあなたたちの世界でできることはないわ。あなたたちの魔力という入れ物を他の世界へ届けることが精一杯よ』


「じゃあ……今、ここで死ねば他の世界へ行けるのか?」


『行ける人は……そうね、この世界の中で瘴気の中で3年間過ごせる人ぐらいかしらね。まぁ、無理だと思うけど』


「今死んでもこの世界に戻ってくるだけなのか?」


『そうだけど、その場合人間ではなくて瘴気の中で魔物になる可能性が一番高いわ。しかもちゃんと記憶を残してね』


「記憶を残したまま魔物になる……?そんな……」


『残念だけどこの世界がいつ滅びるかはわからないわ。でもこうなる原因は少なからずあったはずよ。そこにいるこの世界の知識が集まる本というのものを持っている子に聞きなさい。直接的にはわからないだろうけど、間接的にはわかるはずよ』


「おい、教えてくれ……こんな世界になってしまった理由を……!」


『さぁ?私に聞かれてもわからないことはわからないのよ。少し位あなたたちで考えてみたら?ずっと神に教えを乞うだけでなくてね』


その言葉を聞いた瞬間、この世界にいる人間が絶望した。






それは…………













神がこの世界を捨てたからだ。










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