第7話

 よく晴れた週末。

 俺は水族館へと足を運び、青空そらの元を訪れていた。


「どうだ? 見えるか?」

「もうちょい右……、そうそう良い感じ!」

「じゃあ、ここで固定するぞ」

「…………いや、、、もっと、ズームできない?」

「できねーから!! お前、わがまま言い過ぎだから!!」


 俺は一人ではなかった。

 スマホの中の彼女と一緒だった。


 彼女から「写真をアップしないなら、ライブで青空そらちゃん見せてよ!」と言われてしまったからだ。

 より面倒な感じになったような気もしたが……。

 また彼女と一緒に水族館を訪れることができるように感じた俺は、今ここにいるわけである。



「ショウ、あのさ……」


 ひとしきり青空そらを眺め、青空そらへと声掛けしていた彼女がゆっくりと話し始めた。


「これからも写真撮りなよ」

「…………」

「私、ショウの写真大好きだったんだよ。写真撮るのは下手かもしれないけど、ペンギン愛に溢れているのが凄い伝わってくる素敵な写真だったから……。だから、、、写真、撮ってよ」


 彼女からの言葉はいつの間にか命令に変わっていた。


「私のためだけで良いから、撮ってよ!」


 そんなことを言われたら、俺は――。


「……まあ、お前がそこまで言――」

「あーー!! 青空そらちゃん、バタバタしたーー!! かっわいいぃぃーー!! ……あっ、ごめん、何??」


、安心しろ!!」


 ……ったく、コイツは。

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