第2話
おしゃべり好きな彼女の話には
「あのさ、
今週も『ペンギンを北極へ連れていったらどうなるか』という話から、突然別の話題に飛んだ。
俺は話題が飛んだことには触れず、彼女の中から湧き出る疑問に淡々と答えていく。
「多分そうだな。こげ茶色の羽毛が抜けつつあるときから、あの色は見えていたし」
「へ~~~」
通常は白いお腹が淡い水色、つまり空色をしているのである。
「お腹が空色だったから、
「そうだと思うけどな」
「もしも名前が先だったら面白いわね。さすがペンギンってとこね」
何故か誇らしげにしている彼女。
「そういえば、羽毛があるときから、
「まあ、そうだな」
「じゃあ、もしかして、そのときの写真もある!?」
「ああ。もちろん、あるぞ」
もちろん、焦げ茶色の羽毛に包まれたモコモコ時代の写真も撮ってある。
「見せようか??」
「見せて! 見せて!!」
俺の提案に物凄い勢いで食いついてくる彼女。
その勢いに気圧されながらも、俺は持っていたカメラのプレビュー画面にモコモコな
「かっわいいーーー!!! ……良いなぁ、、私もこのときの
写真を見せた瞬間、
だが、その一方で俺は疑問を感じていた。
「……ちょっと待て」
「え? 何?」
「……お前には、これが
写真では
彼女は
とすると――。
「分かるに決まってるじゃん! このくちばしの形、
……さすがはペンギンマニア。
くちばしの形でペンギンの個体識別をやってのけるとは――。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます