第8話

「今日は本当にお疲れ様でした!今日はゆっくりして明日に備えてください」

先生の一言で今日はお開きとなった。私は竜馬の研究用の家に行く。家に行く間私は気になっていたことを聞く。

「りゅうま〜おめでとう。ところで焼肉券どうするの」

「1回目は同期とのオフ会、2回目は奨励会の友達と、3回目はかなでと4回目は家族で、最後にかなでとかな」

うそ!少なくとも2回も竜馬と行けるんだ。

「ありがとう!嬉しい!」

焼肉より竜馬と2人で行こうと考えてくれていることが嬉しい。

「そろそろりゅうまの家だね。切り替えておかないと」

いつもの角で体育祭ムードはおしまい。今度は真剣に将棋に向き合わなきゃ。竜馬との研究会で私はもっと強くならないといけないから。竜馬のとなりを歩きたいから

「そうだな。今日は1回も勝たせる気ないから」

「それ、いつも言ってるからね。まあ私が勝てるのは6回に1回ぐらいだけど」

現実的にそれぐらいの差があることは感じている。しかし私は…

「それじゃあプロにはなれないな~。僕はかなでとプロになりたいのにな」

竜馬と一緒じゃないと嫌だ。私は今は運良く勝ててるだけだということも全部わかってる。でも竜馬と…!

「わかってるよ。今回は勝てているから、今回がチャンスだってことも」

「わかってるならいいよ。一緒にプロになろうね」

自分に実力がないなら運だけでも食いついくよ。これくらい私はは本気だということ竜馬に届いたようで嬉しかった。

「絶対なるよ。どんなときでもりゅうまのとなりにいたいから」

たまに私は竜馬に好意的なアピールをする。いつも竜馬にスルーされているけど…。

★★★★★

私は竜馬と竜馬の研究用のいえに入る。昨日並べていた棋書だろうか。棋書が数冊散らばっている。さらに資料まで。研究は時間との勝負と言うことはわかってるけどきれいにした方がいいと私は思うよ。

「相変わらず汚いね」

「うっせ〜。ほっとけ」

「まありゅうまらしいけどね」

竜馬がは夜食の準備をしているとき、私はきれいにしてあげるようにしている。だって私は料理できないもん。本当は竜馬の胃袋をつかみたいんだけどね。

★★★★★

「夜食の用意ができた。好きなときに食べてくれ。じゃあ始めるぞ」

「今日は勝つぞ~」

2人っきりの研究会が始まった。今日の研究会は三間飛車相穴熊の研究をする。いつも竜馬は私が苦手な戦型を言うと希望通りにしてくれる。竜馬は振り飛車党なのに居飛車も指せるからいいな~。

★★★★★

1局目が終わった。結果は竜馬の穴熊が残っているが、私の穴熊は竜馬の手によって木っ端みじんにされてしまった。対局中私は終盤ずっと嘆くしかできなかった。

「りゅうまに裸にされちゃったよ」

私は悔しさを隠せず思ったことをつぶやいてしまった。

「言い方〜!もっといい言い方があるだろ」

いつも竜馬はおもしろい反応をしてくれる。少しは私のこと好きなのかな。

「えっなに〜。想像しちゃってるの~。りゅうまのエッチ」

私はたまに小悪魔になる。竜馬にしか見せない私のかわいい姿だ。

「感想戦するぞ。まず…」

感想戦とは指した棋譜を確認し、相手の読みと確認する。もし気になった筋があれば聞いてみるのも勉強になる。感想戦は時間の無駄とやってくれない人も一定数はいるらしいけど私は感想戦は肯定派だ。

「じゃあここのときにこうだったら、どうなっていたの」

「この局面はこう指すかな。でこうして、こうしたときにこうだったら少し指しやすかったかもしれないね。本譜より良いよ」

「そうか~。こっちか〜。」

対局中に読んだ筋だったけど気になる筋があって指せなかった手だった。悔しい。

「もう1局やるか」

「ちょっと休憩したいかな」

「じゃあ夜食を食べるか」

「そうだね~決定」

★★★★★

私は竜馬が今日の夜食をテーブルに並べている間次の対局のことを考えていた。次は勝つぞ~!

今日の夜食はチャーハンとスープだった。

「美味しそう!いただきます!ハフハフ…美味しい」

竜馬の作った料理はいつも美味しい。少しだけ夜食を楽しみにしているとは口が裂けても言えない。

「そうか!それはよかった」

竜馬は嬉しそうにチャーハンをほうばる。一口がやっぱり大きい。

「ところでりゅうまは好きな女の子とかいるの」

私は体育祭中ずっと気になっていたことを聞いてしまった。

「…いるよ」

やっぱりいるんだ。私だったらいいな~。

「えっ!だれだろ」

私はとぼける。竜馬の好きな人って私なのと聞いてみたい。

「今は言えないかな~。かなでは好きな男子とかいるの」

やっぱり聞かれた。私の好きな人は目の間にいるよって言いたいけど…。

「はぅ~。言えない…」

今は竜馬にかわいいところしか見せれないのがつらい。

「いるのか。へえ〜」

「りゅうまのイジワル〜。いじわるりゅうまにはこうだ」

そう言って私は私のスプーンを竜馬の口の前に差し出す。大胆すぎるかな。やっぱりはずかしい。

「いいのか。食べるけど」

「いいに決まってるじゃん。早く食べてよ~」

やっぱりはずかしいよ〜。早く食べて。

「じゃあ遠慮なく」

こう言って竜馬は私のスプーンをくわえた。

「美味しかった。ありがとう」

「…?作ったのりゅうまだよね.そしてさっきまで食べてたよね」

えへへ〜。勇気を出してよかった。

「隠し味があったからな。さっきより美味しく感じた」

隠し味ってなんだろう。竜馬のチャーハンと同じ…だよね。



……………

新年あけましておめでとうございます(大遅刻)すいません。

本文量いつもの2倍⇈!糖分多め(過去作比べ)ですから許してください。

今年もよろしくお願いいたします。

作品のフォロー・♥等もよろしくお願いいたします。

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