第9話 寝落ちしたかなでに思うこと

かなでと夜食を食べてから2時間。もうすでに4局指し終えた。結果は僕の全勝。かなではかなり悔しそうだった。

「りゅうま〜次は勝つからね~」

「かなでちょっと休憩させてくれ」

僕はコーヒーを淹れるためリビングに行く。僕はこの時間が好きだったりする。何も考えなくていい時間であり、そもそもコーヒー豆の香りが好きなのだ。自前のコーヒーミルを挽きながら、かなでの方をちらっと見る。かなでは“クリスタル5”という将棋のソフトでさっき指した将棋の検討をしていた。

「ここはこう指して、このときはこうか…。って指せるか~。こんな手。クリスタルさん強すぎ」

このようにたまにかわいい独り言が飛んできたり。

「この手は多分りゅうまも知らないはず」

僕の秘策(対策)を立てていたり。かわいすぎる。もちろん声にしないが。クラスの誰も知らないかなでの姿である。

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