第2話 体育祭から始まる僕の春

「ただいまより西河にしかわ高校R4年度第○○回体育祭を開催します。校長先生のお話」


体育祭が始まった。予定通り校長先生のありがたくない長話を聞き流しながら僕が通う西河高校の歴史を。西河高校は数年前までは女子校だったが男女共学の波に乗るため数年前から共学になった高校だ。つまり男子より女子のほうが多い。体育祭とは男子が鼻をのばす人が多い。もちろん僕はしないけど。


「よう竜馬りゅうま盛り上がってるか。俺はもちろん氷の女王の体操服姿を見て興奮してるぜ」

ここにも馬鹿がいた。馬鹿の名前は佐々木凌りょう。一応僕の数少ない友達だが…。そして馬鹿が話題にしていた氷の女王とはみなとかなで。容姿端麗の美少女、成績優秀、高校生ながら女流棋士で、かなりの年収(賞金)を持つ完璧少女だ。男子のほとんどが好きらしいと言われているが詳細は知らない。なぜか氷の女王と呼ばれている。僕は彼女のことをライバル視している。そのため学校ではあまり話したことがない。

「りゅうま今日はVSの日だよね」

たまにこうして彼女から声をかけられるが。

というかなぜ僕の後ろにいる。ちなみにVSとは二人きりの研究会のことである。かなでの席はもっと後ろだったはず。僕は彼女に小声で返す。

「そうだな〜今日は用意した戦法があるからそれを試させてもらう。あと席に戻れ」

「楽しみにしてる。じゃあね」

そういうと席に戻って行った。いつの間にか校長先生の話しは終わっていて生徒宣誓に入っていた。

「宣誓!僕たちはスポーツマンシップに乗っ取り、僕はさぼってしなかったけど日ごろの練習の成果を発揮して団優勝を目指して最後まで闘い抜くことを誓います」

宣誓の人練習さぼってたんかい!日ごろの練習の成果とは…。まあいいか…うけてるし。


「おまたせしました!これより競技の部に移ります。プログラム1番ラジオ体操第1です。準備体操なのでしっかりお願いします」


しっかり準備体操をしたあと個人種目に移っていく。今のところ僕たちの団は調子がいい。この流れを大事にしたい。


「続いての競技は借り物競争です。今年の借り物は定番どころから生徒への試練になりそうな借り物などがランダムに用意されているそうです!借り物にもご注目ください!」


放送を聞いて嫌な予感がしたが気のせいだと信じたい。

「第5レースを開始します。『用意、パン』スタートしました」


僕は1番最初に課題を引く。課題に書かれていたのは!

「最悪だ」


……………

竜馬君が引いた課題とは?次回をお楽しみに。



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