第3話 体育祭から始まる僕の春2
「第5レースを開始します。『用意、パン』スタートしました」
僕は1番最初に課題を引く。課題に書かれていたのは。
「最悪だ」
これを作った人は永遠の病気、黒の悪魔にかかってるに違いない。高校生になって借り物のお題が『エターナルライバル(お姫様だっこで)』とか黒の悪魔にとりつかれない限り書かないだろう。しかもついている条件も最悪すぎる。もし同性になったときはどうする予定だったのだろうか。まあ僕は関係ないが。僕は何も考えず自分のクラスのテントに向かう。僕が借り物に選ぶのはもちろん…。
「かなで、借り物になってくれないか」
もちろん
「りゅうま〜もちろんいいよ」
機嫌よくOKしてくれた。最近僕だけには甘い気がするがまあいっか。
「じゃあ失礼する」
そう言って僕はかなでのことを抱き上げる。クラスの女子から感嘆の声が聞こえたが無視を決め込む。
「りゅうま〜どういうこと」
かなでも困惑気味だ。でも満更でもない感じで頬が少し赤らんでいるように見える。それにしてもかなでは軽かった。僕だけが知っていることだがかなではかなり緊張する方だ。そのためタイトル戦の日の3日前ぐらいから食欲がなくなるらしい。しかもタイトル戦と奨励会の例会の週と被ったときは1週間食欲がなくなるらしい。彼女いわく食欲がないときも少しは食べているらしいのだが…。それに彼女の香りがふわりと鼻孔をくすぐる。僕の好きな甘酸っぱい柑橘系の香りだった。
このレースは僕が1位を取ることができた。他の人の課題もかなりクセのある課題だったのだろう。中には顔を赤らめて動いていない人もいる。もしかしたら『気になっている人』というお題引いたな。ご愁傷様です。僕はプライドを捨てたことが勝因だと思う。ときにプライドを捨てることもいいなと思った。
…………
題名の半分の伏線を回収しました。次回はかなでサイドを書く予定です。もし続きが気になる方は作品のフォロー・♥・★お願いします。(この話は追記するかも)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます