だからあなたはバカなのだ
これまで信じてきたものが
”実はそんなにいいものではないのではないか?“
と思い始めて、ささやかな亀裂が走って、そして––––
反差別が差別側に
あまりに信じすぎていたからこそ、壊れるときはあっという間
だからあなたは馬鹿なのだ
”自分が何をしたいと思っているのか“が
自分でわかってないから信じ“すぎ”て依存するのだ
あなたは楽になることばかり考えて生きているんだ
そりゃあ差別主義者は楽だろうよ
このまま“このまま”でいられるんだから
特に別の人間に“変わら”なくていいんだから
あなたの置かれている状況を考えれば
“楽になりたい”と願うのはよくわかる
それだけ毎日絶体絶命の一生懸命
そのこと自体はちっとも悪いことじゃない
でも、楽をしたい、楽になりたいのは
そこに何か夢があるから願うことで
そのこと自体が夢になってしまったら
あなたの目的は容易に怠惰にすり替わる
いま、世の中に存在している“ある流れ”が
あなたにとって望ましい方向に進んでなくて
でもその根拠があなたの個人的な気分の問題なら
それを世の中に訴えるのは難しいだろう
そして結局あなたは不満が溜まる一方
反差別を訴える側に不満が溜まる一方
だからあなたは馬鹿なのだ
何がどう具体的に“望ましく”なくて
その“不満”がどこから来ているのか
そういうことを突き詰めて考えていないから
あなたは彼に嫌悪感を覚えるのだ
そういうことをちゃんと自分と向き合って
自分自身としっかり会話していないから
“自由や平等を履き違えて”
“寛容や多様性のせいでどんどん息苦しく”
でもそれでもし何か問題が生じたなら
それならそれでまた新しく問題提起して
一つ一つ解決していけばいいんじゃないの
あのね わかりやすい基準が欲しいっていう気持ちも
わからなくはないけど、でも世界ってのはそんなに単純にはできていないんだ
一律的にこれはこれこれこうすればいいんだ、には限界がある
結局試行錯誤しながら考え抜きながら悩みながら
その中でなんとかうまくやっていくしかないんだよ
不遇な扱いを受け入れないで
“自分なんてしょせんこんなもの”と思わないで
あなたは苦しめられていい存在じゃないんだ
と言ったところであなたは“それ”を意識化していないから
話にならない
せめて前提の共有ができたなら
こういうことをちゃんと自分と向き合って
自分自身としっかり会話していないから
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