其の肆
俺の力を見る試合をするという事で、準備時間をなんとか30分こじつけ、俺は屋敷の端っこにある物置にしか見えない部屋に案内され中に入った。
先ほど見た人類最強?のネネのパラメータは平均80ほど。周りの女達のパラメータも確認したがパパッとみただけなのでうろ覚えであるが、平均50くらいだったと記憶している。それを踏まえての俺のパラメータは…
【力 100
防御 100
速さ 1000
運 プライスレス】
「速さの値1桁間違えちゃったかーお茶目な神様だなー」
もはやツッコむ気にもなれない所と、もはや数字ですらない運。何だよプライスレスって。ドンマイみたいな感じかこれ……わからん。
『あれぇ?速さ伸び伸びじゃないですか?100に設定したんですが』
「ぬるりと会話して来ますよね神様」
『最近ひま……おお゛ん!神にも息抜きが必要だと思いませんか?』
「今きったねぇ咳払いが聞こえた気がしますが、要するに暇つぶしですね?」
『なるほど。なかなか言うじゃないですかヨッシー。変に畏れるより全然いいですよ。来いよ!』
「とりあえず言いたい事は数値設定間違えないで下さい」
『はいはい。私は間違えてないですからね。じゃ高みの見物に洒落込むので頑張ってくださいねー」
「あっ!時間がねぇ!くそっ」
とりあえずだ。とりあえず何か得物を手にしなくては。だが俺に武器などない。
「あっ、うん。丁度いいのあったわ」
七色の鉱石を使用した竹刀(カリバーン)。あれを再び作って使用すれば怪我させる事もないだろう。というわけで懐から鉱石を取り出し、早速能力を使って作成する。
「分解しなけりゃよかった。ん?能力が反応しないんだが」
なんか光が集まってきてはいるので実際は反応はしている。が、一向に武器が出来上がる気配がない。
「えぇ、時間ないんだけど。俺の……」
とここで、光が一瞬収束するような動きを見せたが、弾けてまた周りに漂い出す。例えて言うならば、行くか!?行くのか!?行かないんかーい!みたいな感じの動きである。いや俺も何言ってるかわからん。
「え?いやそういうのいらないんだけど」
もうね、何させようとしてるか丸わかりである。
叫べ と。初めて作成した時のように叫べとそう言われている……ような気がする。
「男ぉ!時間であるぞ!ご先祖への祈りは終わったか!?」
来るなよ。まだ5分くらい残ってるだろ。
だが土壇場で何か新しい武器を作り出そうという考えなどない。だって爪楊枝や竹串でもできてしまった時には流石に……ね?
腹を括った俺はもう叫んだ。羞恥心などそこらの猿にでも食わせてしまえ!だが糞猿、お前だけはダメだ!
「来い!俺のカリバーン(竹刀)!!」
なんだろう。
叫んだよ、叫んだんだよ。
もうね羞恥心を捨てて叫びましたとも。
けどね?俺のカリ、くらいの時にあたかもさっきからいましたけど?と言わんばかりに竹刀(カリバーン)が目前に鎮座してらっしゃったわけですよ。
勢いつけすぎて止まらなかったよね。
カリバーン君、もう少し早く来よう?
『ヨッシーかっこいいwwwww』
「やかましいわ」
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