閑話:モノノケとは何か
『第八章:モノノケとは何か
一般的にモノノケ――つまり『物の怪』とは霊や妖怪変化の事を指す。『モノノケ』にはこれらに加えて、悪魔や
では、なぜモノノケは発生するのだろうか。モノノケの区分ごとに説明していこう。
まず、
妖怪とは、怪現象に姿を当てはめたものである。例えば
また、強い執着を持った人間が生きたままモノノケに
その他にも、生きた人間をモノノケに変化させる術などがある。やり方を書き記しただけでも命を狙われる
妖怪の記録としては
着信音が鳴った。
「はい、もしもし」
「はい、はい。わかりました」
画面を操作して通話を終了した。
「で、電話?誰から?」
「運転手さんからです。今からこっちに迎えに来てくれはるって」
いつのまにか午後5時を過ぎていた。そろそろ帰らないとまずい時間帯だ。
「じゃ、そろそろお会計だね」
「うわわっ!すすすすみません……」
見開かれていたページに、恋天使の目は釘付けになった。
『五行家の言霊師は
「……」
恋天使が本を拾い上げる。
「ねぇ、唄羽ちゃん」
「どないしたんですか?」
「う、唄羽、ちゃん、ってさ。けけけ、結婚を約束したりしてる人って……」
「いますよ」
唄羽はなんて事ないようなふうに言った。
「えっ……。そ、それって、辛くないの?」
「何がですか?」
「だって、産まれた時から結婚相手決まってるんだよ?好きになった人がいても、結婚できないんだよ?辛くないの?」
「うちは……その……。結婚を約束してはる人が、
顔を赤らめて恥ずかしそうにつぶやいた。恋する乙女の顔だった。
「あ……、アオハルじゃーん!」
恋天使の叫びが店内に響き渡った。
車が店の前に止まる。
「はいはい。お待たせしやしたね、お嬢ちゃん方。さ、お乗り下せえ」
運転手の
「ほな、お願いします」
「おっ、お願い、します……」
唄羽と恋天使が後部座席に座る。
「唄羽の友達?」
助手席には若い男が乗っている。垂れ目で
「ううう唄羽ちゃん!こ、この人が、もももしや……」
「えっ、そんなんやないですって」
恋天使と唄羽が小声で話している。
「あー。期待してるトコ申し訳ないけど、唄羽の婚約者はオレじゃないぜ」
「あっ、そうなんです、ね……」
「
「そうそう。オレはどっちかっていうと『初恋泥棒の近所の年上のお兄さん』的なポジションだからな!」
「ハハハ。だいぶ大きく出やしたね
「ちょ、やめてくださいよ薬研さーん!」
(『運転手さんはどうして
和やかな雰囲気で車は走る。ビルの合間に夕日が沈んでいった。
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