最高にだせぇ俺に初恋を
俺は『恋』というものを高校1年までしたことがなかった。
俺は春に一目惚れをした。
けれども……悲しいことに彼女は一切と言うほど意識されていなかった。
そして彼女にはただの一番仲のいい男友達だったと思っている。
そしてその立ち位置のまま動けずに一年が終わってしまった。
そして高校2年生に上がるクラス替えでクラスがばらけてしまった。
終わったと思った、俺の初恋が終わってしまったのかと思った。
でも結果、今夜二人で電話をすることになっている。
電話は彼女から誘ってくれた。
『話がしたいから、今夜電話できないか』っと。
彼女と話す機会を待ち望んでいたけれども、自分からは作ることができなかったチキンの俺にとってこんなにも嬉しい話はなかった。
『急になんでだろう』という興味と『なんかあったのかな』っていう不安と『電話越しで、二人っきりで話すの初めてだな……。』っていう緊張。そこに純粋な楽しみという感情をブレンドした複雑な感情。
何となく一番いいパジャマを着て、髪もワックスを使わない程度に整えて、最低限身だしなみを整えて電話を掛ける。
約束の時間になってから三十秒したくらいでかける。
ワンコールで電話に出てくれた彼女の声は天使のように澄み渡っていた。
その日の夜は珍しく夜中の一時まで起きていた。
普段は12時を回った位に眠りに入っている人間だから眠る前の記憶が怪しくなると思っていた。
現実とは以外で、緊張のせいで眠気がおきなかった。
「おやすみ」
虚空に向けて呟いて目を閉じる。
その日の夢は俺の好きな女の子、
俺は夕喜にどこかで告白をしていた。
そこまでで起きてしまった。
悲しいような気持ち、これでよかったとホッとする共存できない二つの感情が同時に湧き上がって寝起きから目が冴えていた。
「母さん。おはよ。今日、飯はー?」
「おはよ。そこに置いてあるパンがあんたのだよ。」
重い腰をあげてベットから降り、リビングに来ると母が台所に立って何かをしていた。
そして朝ごはんはもうすでに用意してくれていた。
感謝しながら、照れくさいから言葉にできずに朝ごはんを食べて洗い物を母さんに頼んで、自分は学校の準備を始める。
制服を着て、夕喜に見られても恥ずかしくないことを確認している最中、Yシャツが中地半端に見えていてとてもダサいことになっていたからそれを急いで直す。
そして靴を履いていると隣にかけてあった鏡に映った、後ろ髪の立った男が映る。
家を出る寸前に寝ぐせに気づいて急いで後ろ髪のセットをして出発する。
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