第2話 茶
丁度、湯が湧いたな。茶を淹れてやろう。せっかくだ。白い鷹にもらった茶葉を使おうか。
あの旅の頃、何度か白い鷹に茶を馳走になった。道具が揃っていないから、味も香りも今ひとつだと白い鷹は言っていたが。十分に美味かっな。
さぁ、どうかな。あぁ、少し渋いな。子供のお前にはどうかな。飲めるか。ははは渋いか。器をこちらによこしてごらん。蜂蜜を少し入れてやろう。あぁ、そうだ。お前の祖母が好きな蜂蜜だ。土産にも入れてある。お前の祖母には、私からだと伝えてくれ。世話になったからな。本当に世話になった。
私の娘、明けの明星が本当に可愛がってもらった。草原を恋しがるあの子の話を沢山聞いてくれた。何故、明けの明星はお前の国にいるのかって? それはお前の国の男に惚れてしまったのだから仕方がない。子供達がもう少し大きくなったら、連れてきてくれると言うが。
そうか、そうだな。白い鷹の孫は面白いな。確かにお前の言うとおりだ。私は王様を辞めたのだから、私が行くのも良いな。あの頃以来になる。良いな。良い思いつきだ。まだまだ私は馬に乗れる。旅も出来る。そうだな今から楽しみだ。
あぁそうそう。あの頃の話だったな。
あの時、草原の神の国ティタイトの王族である我々の血筋は絶えようとしていた。裏切りによってだ。我々は裏切られ、追い詰められていた。
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