妹っちきびしーっ(LINEトークあり)



「お客さまぁ〜? 薄着で男の部屋に入るのはいかがなものかと思うのですが〜?」


「んー、でも夏だし、あっついんだもん」


「う、うちのおにーちゃんの迷惑なので、控えていただきたくてぇ〜」


「そーなの? りっつん?」


「え、いや別に。だけど肩は冷やさない方がいいよ。アル、これ着な」


「そこでナチュラルに自分の服を貸さないでください、兄ッ!!」


 天然アメリカナイズ野郎がお姉さんに優しくしていて、妹は気が気ではなかった。


 

 李津のネッ友・アルは現在、李津と楽しくオフ会ゲーム中。


 黒のレースキャミソールに短パンというラフかつハレンチな格好で、李津のベッドの上をごろごろしながらポータブルゲームを操作している。


 ベッドに寄りかかるようにして床に座る李津は、なんでもない風を装っているが、内心ドキドキしていた。


 少し視線を後ろにそらせば、目線の高さにキングスライムが2匹座していらっしゃるのだ。目のやり場に困ったのもあってカーディガンを貸したが、隠しきれない巨乳が今にもこぼれそうにたぷたぷしていた。


 世界の絶景がここにある。


 そんな刺激が強すぎる光景に、廊下から部屋をのぞいていたつむぎがついに卒倒した。


「むぎ!? ちょっと兄、なんでアルさんとはこんなベタベタするんですかー!?」


 普段あまり構ってもらえない妹の口から、素直に不満がこぼれた。


 自分が目指していたポジションに、ものの五分で到達した客人に、嫉妬心が絶賛大炎上。


 しかし李津は、どうして文句を言われているのかわからないという顔である。


「だってアルは、海外むこうにいたときからの親友だし」


「親友って。兄には躑躅つつじさんがいるじゃないですか!?」


 ガチめに怒る莉子だが李津はというと、その名前を聞いてピコンと別のスイッチが入った。


「そうだ! 躑躅つつじも呼ぼうぜ、アル。バイト終わったら来るだろ」


「いいねぇ、つーくん来たら三人で出撃できるじゃん! はよはよ! スタンプ連打じゃああああああああ!」


「わはははは! 俺もーーーー!」


 見た目はグラマーなアルだが、感性は小学生男子。李津と話が合うはずである。


 話が脱線してバカ二人がスタ爆に精を出しているところに、我慢の限界を超えた莉子がズカズカと立ち入った。


 そして猫を捕まえるように李津の首根っこをつかむと、顔を近づける。


「それもリビングでやってください! あとアルさんは不埒ふらちなので、二階は立ち入り禁止ですっ!」


「えなんで? 妹っちきびしーっ」


「な、なんなんだよ莉子」


「ここは兄の家かもしれませんが、今は1/3ずつあたしとむぎの家でもあるんです! アルさんを夏休み中泊めるのは承諾しましたけど、あたしたちもそれくらいの主張はしますから!」


 念を押すように二人をにらみつけ、莉子は退室した。


 その後、ずるずると廊下で音が聞こえるが、倒れていたつむぎを回収したのだろう。


 残された李津とアルは顔を見合わせる。


「なんか、ごめんな?」


「ううん、妹っちの愛じゃん」


「胃もたれするのわかるだろ」


「んはは、言ったるないw」


 年下の女の子に叱られた二人は苦笑いを浮かべると、素直にリビングへと降りることにしたのだった。




【LINE スタンプ爆弾】

>†ゲーム†


Arkadia

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つーくん、りっつんの家に

集合!

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13:02


Arkadia

(スタンプ)

13:02


Arkadia

(スタンプ)

13:02


Arkadia

(スタンプ)

13:02


Arkadia

(スタンプ)

13:02


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         13:02


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         13:03


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         13:03




ツツジ

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ふざけんな!!

帰ったらすぐ行く!!

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16:03




(画像はノートにあります)

https://kakuyomu.jp/users/asamikanae/news/16818093081734532134



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