2章 Storie of sisters(妹編) 予告

【2章 Storie of sisters(妹編) 予告】




 息がかかる距離で、少女は膨れっ面を見せる。


「……あたしにもちゃんと、お兄ちゃんサービスしてください」


「あっ………………はい」


 もうこんなの、頷くしかない。



[4話:莉子&李津]


***




 口をぱくぱくさせ、うまい言い訳を探している躑躅つつじを、李津はにらみつけた。


「アメリカだったらおまえ、頭に風穴開けてやるところだったわ。日本でよかったな」


「っ!?」


 ごくりと、のどが鳴る音がした。


 躑躅つつじの額には、冷蔵庫から出したペットボトルのように汗の玉がびっしりと浮かんでいた。



[6話:李津]


***




 リモコンで部屋の電気が落ち、豆電球だけになった。


「じゃあ……」


「兄、電気……消してください」


 李津のベッドからもぞりと莉子が顔を出す。隣に寝転んだ李津に寄り添い、頬を赤らめている。


「でも、電気を切ったら真っ暗になるし」


「そんなに見たいんですか? ……兄のえっち」



[8話:莉子&李津]


***




「あのぉ、背中を洗いたいんだけどぉ」


「はい! よろこんで!」 


 従順なしもべは手探りでつむぎからタオルを受け取ると、背中を探しあてた。


 タオルを押し付ける。やわらかくて華奢な体は変な気持ちをかきたてるよりも、壊れてしまわないかという不安が先行した。


「なあ妹、おまえ背中ちっこいな」


「そうかなぁ。あは、くすぐったい〜」


「おうおう、くすぐったがりやがれ」


「や〜だぁ〜。……んっ」



[9話:つむぎ&李津]


***



2章の一部を公開します。

いじめ編などでかわいそうな部分もありますが、だいたいバカです。

引き続きお楽しみください!





 

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