第54回配信 (レミー目線)だからこのコラボを


私は、三日三晩考えた。

どうすれば、2人を救うことができるのか。

私は、いまどう行動するべきなのか。


だけど、私はもう一つの思いとも揺れ動いていた。

それは、私が私の意志だけで軽はずみな行動をするわけにもいかない、ということ。

私も事務所の一員。

私の行動が、周りに影響を及ぼす可能性がある以上、自分だけを考えて行動することはできない。


そりゃ、2人のヤンデレの命がかかっているとなれば、することは一つ。

2人を救うこと。それは、最優先だ。

だが、その行動がもし良くない方面で話題になってしまったら?

同僚に迷惑がかかってしまったら?

それを考えたら、好き勝手に行動することなどとてもじゃないができない。


それに、私もVtuber界ではなかなか名が知られるようになってきた。

そんな中で、どこまでの発言をしていいものか、これがVtuber界に迷惑をかけることにならないだろうか。

私のことを直接知らない人でも、私の名前だけを知っている人もいる。

そんな状況で、私がこう言った、などともし話題になってしまったら?

それで、Vtuber界を誤解してしまったら?

そんなことを考えていたら、もうなにを言っていいのかはわからなくなってしまう。


何が正しいのか、ではなく何を正しく見せるか、が今は大事な世の中だ。


そんなことを考えている私の元に、通知音が響く。

私は、反射的な画面を見る。

だって、私が通知をオンにしているのは2人のチャンネルだけ。

うそ、もう2人の中で答えを導き出せたというの?

このVtuberの永遠の課題を?


だが、2人の題名をみてすこし不安になる。


『お騒がせしてごめんなさい』


このタイトルなら、あの話題に触れることは必須。でも、これはどういう展開になるのか読めない。

ねぇ、どうするの?

どこまで言及するの?どうやって?

もしかして、やめるなんて言わないよね?


私は、不安で不安で仕方がなかったが、配信を見る。

この配信から目を背けることはできなかった。


私は、配信前ドキドキしながら待っていたが、始まってからは、別のドキドキに変わっていた。

2人は自分達だけで答えを出していた。

2人は、2人らしい乗り越え方があったのだ。

2人は私には眩しい。

こんなの、2人のファンをやめられるわけがない。


私は、配信後も少しぼーっとしていた。

私に、あの配信ができるだろうか?

いや、きっとできないだろう。

私は、所詮その程度。とてもじゃないが、2人には並べない。


でも、2人だからって乗り越えることは決して容易ではなかったはずだ。

せめて、2人を励ませるようなことが自分にできないだろうか。


私の思考はその方向へとシフトしていった。

そして、思い立ったのが逆凸。

2人がしたことがなくて、2人の気分転換になりそうな企画。

そして、2人との仲の良さをアピールできそうな企画。

これなら、きっと2人も楽しんでくれるに違いない。

私はウキウキする。

あぁ、なにしよう。2人と恋バナとかしてみたいなぁ。歌歌ってみてもいいし、2人の秘密なんか聞いてみてもいい。


あと、2人がどうやってこの出来事を乗り越えたのかは非常に興味がある。

そこには、ヤンデレの匂いがぷんぷんするから。

私も、大概だな。

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