第51回配信 落ち着いたと思ったら、次は
「僕が蒼なんじゃないか」騒動が落ち着き、僕は2人と再びVtuber活動を続けていた。
あの僕の携わらなかった配信後の電話後、僕は今後のことについて考えた。
どうするべきか、僕は戻ってもいいのか?戻らない方がいいのか?
だが、そんなことを考えている暇など僕には与えられなかった。
2人からあり得ないほどの量のメッセージと電話。
それら全てが
「戻って来ないのか」
「僕が戻らないなら、僕らはVtuberをやめる」
そんな内容。
僕は観念した。こんな内容を永遠に受け続けるなら、悩んでいることもない。
そんな時間無駄だから。
僕は、2、3日としないうちに2人のマンションへと戻ったのだった。
今まで通り活動できると思っていた僕だったが、新たな問題が出現した。
それは、2人が僕に執着するようになってしまったということ。
あの騒動により、僕が2人から離れてしまったことが2人にとっては相当なショックだったようだ。
僕としては、2人のためを思っての部分もあったが僕にはまだまだヤンデレへの理解が足りていなかったようだ。
2人へのケアが足りていなかったことは、2人の僕への態度を見ていたら明白。
僕が買い物のため家から出ようとするだけで、引き止めようとし、僕を家から出そうとしない。
ならば、一緒に出ればということもあるが2人はマンションから出ることは難しい。
僕が携帯を見れば、誰からの連絡だとめくじらを立てる。
僕は2人をなんとか説得し、GPSをつけること、いつでも携帯を見せることでなんとか納得させた。
そんなこんなで、僕にはもうプライベートは無くなってしまったにも等しい。
買い物以外の最低限の用でなければ外には出られず、何の用なのか、どこに行くのか、いつ戻るかを言わなければならなくなってしまった。
まぁ、今回の件は僕にも責任があるのだから、これは納得しなければならないと言えるだろう。
2人のVtuber活動にとって、あの騒動が痛手どころかいい方向で注目を浴びることになったのは良かった。
そもそも、短期間しか載っていなかった記事を読んでいる人は少なく、Vtuberの中の人に言及することに嫌悪感を示す人も多い。
そんな味方の多い中で、2人が僕の味方をしつつ相手を責めることをしなかったことが、功を奏したのだ。
だが、一方で僕の生活は窮屈になった。
夏休みなのにどこにも出られないどころか、軽く軟禁状態。
夏休みをウキウキしていたのは、2人だけでなく僕もなのだ。
少しは、僕も海に行こうかなとか旅行に行こうかな、なんて考えていたのに。
少し絶望するのもわかるでしょう?
あの時、出て行かなかった方が良かったのかなぁ?
でも、あの時はそれが最善だと思ったんだけどなぁ。
そんな風に悩む僕に、一通のDMが来た。
ちなみに、僕の携帯の通知は全てオンにされ、僕が触る前に2人が見ることになってしまった。
そのため、通知オンと共に2人は僕の元へ寄ってくる
まぁ、別に彼女もいないし見られて困るものもないから、いいんだけどね?
うん、いいけどね?
そんなわけで、僕が見るよりも先にまず紫友が携帯を開く。
紫友は通知に首を傾げつつ、メッセージを見ると目を見開いた。
そして、僕に向かってキラキラの笑顔でこう言った。
「ねぇ!レミーがまたコラボしよって!」
え?レミーが?
っていうか、そんなにレミーと仲良かったっけ?
僕は、少し呆然としてしまった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます