第56話 真の敵

 その後は流れ作業の様にジャックにヤーコクは倒されてしまった。


「じゃあ、お嬢さんは貰って行くね」

「ま、待て……!」


 ジャックはヤーコクを拒絶で完封し地に伏せているヤーコクを後目にエフィーを連れ出す。


「おい、エフィーお前、黒髪の騎士を見なかったか? 名前をナサルと言うんだが」

「見たわよ、ふふふ、今私の部屋に居るわ、行きましょ」

「あ、あぁそうなの……それは良かった」


 ナサルを見つけるのにもっと厄介な事になると思っていたので拍子抜けするジョン

 そのまま、エフィーにエフィーの部屋まで案内されるジョン達、部屋は城の最上階にある

 扉を開き、エフィーの部屋へ入る

 中にはエフィーの使用人一人とほぼ裸のナサルが待って居た。


「ジョ、ジョン!?」


 半裸で涙目になっているナサル


「何だこりゃ……お楽しみ中だったのか?」

「ち、違う!」

「どういう事だ? エフィーなんでナサルはへそ丸出しなんだ?」

「だってあんな重そうな甲冑を着てるんだもの折角良いスタイルをしているのに分厚い甲冑なんて着てたら勿体ないわ、だからあの甲冑は捨ててあげたの」

「恐ろしいぐらいの迷惑女だな」

「ふふふ、そうかしら?」

「何で嬉しそうにしてんだよ……」

「お、お嬢様……この方たちは?」


 と不安そうにエフィーの使用人がエフィーに尋ねる


「心配しないでミミノ私の友達よ」

「は、はぁ……」


 納得していない様子の使用人・ミミノ


「さ、とっとと行くぜ、此処に居ると肝が冷える」

「そうだね、さ、行こう」


 とジャックがエフィーの手を引いて何処かへ行こうとするがそれをジョンが止める


「彼女は俺が預かる、文句は言わせないぜ」

「どういう事だい? 何でそんな事を言うんだい?」

「すっ呆けるなよ、間抜け、お前が何を企んでいるか……それくらい分かってるんだよ」

「私が? 何を企むだって?」

「おかしいと思わないと思ったのか? 此処に来るならお前とキザシだけで十分だっただろう? 俺達は足手纏いにしかならない、そんな事、前に此処へ来たお前なら分かっていたハズだ。なのに何故俺達を連れて来た? 答えは簡単、俺達を殺す為さ」

「何を言っているんだい? 君は実際役に立ったじゃないか、君が居なければ私はあの槍に貫かれていたかもしれなかったんだよ?」

「それは結果論だ。お前はあの剣や槍の事を知らなかった。そうだろ? あの時のお前の反応がそう言ってる」

「分かった認めるよ、確かに私はあの二つの魔具について何も知らなかった。実際、前回同様余裕でエフィーを連れ出せると思ってたよでも念には念をと言うだろう? その念が君だったという話さ」

「念を入れるなら俺だけじゃなくてもっと戦える人を連れて来るべきだろ。なのにそうはしなかった。その理由を聞かせてくれよ、ジャック、五人中非戦闘員三人のパーティで何が念だ」


 ジャックの眼が変わる、その瞳には明確に殺意が宿っていた。


「クククッ君達を此処に置いて放置するつもりだったんだ。やっぱりバレた?」

「当たり前だろ」


 エフィーの右手をジャックが握りジョンが左手を握る、対立する二人


「私モテモテね」


 と呑気にエフィーは言う


「私が此処の兵士達に君が不死でも拒絶持ちでも無いと言えば君は一貫の終わりそれにマリアちゃん達に着いている首輪、この状況じゃ圧倒的不利だよ君」

「ご丁寧な説明をどうもありがとよ、言われなくても分かってる」

「ジョン……」


 と不安なのかジョンの足元に隠れるマリアとネルヒム


「可哀そうだけど君達にも死んで貰うよ」

「そんな事させて堪るか!」


 半裸のナサルが出て来る


「そんな恰好で意気込むなよ、俺の気が抜けるぜ」

「う、うるさい! 馬鹿者! そんな事言ってる場合か!!」


 エフィーを挟み睨み合うジョンとジャック

 ジョンの味方にはマリア、ネルヒム、ナサルの三人

 ジャックの味方はキザシの一人

 エフィーは中立を気取っている


「エフィーの手を離さないとマリアちゃんの首が吹き飛ぶよ」

「な、何!? 何故吹き飛ぶ!? どう言う事だ! ジョン!!」


 とジョンの隣で喚くナサル


「うるさいぞ! 今は時間が無い、そういう事だと納得しろ! 深くまで理解しようとするな!」

「そ、そんな事を言ったって……」

「喧嘩しないでよ、良いの? 首が吹き飛んでも」

「良いわ! やって見なさいよ!」


 とジョンの後ろで隠れているだけだったマリアが恐怖を抱きつつもそれを押し殺し前に出る


「なんだい? 行き成り強気になったね」

「ふん! 貴方の言い成りなんかにはならないわ! 爆発させたければさせなさい、そうなったらあの槍で治せば良いんだから!」


 あの槍とはヤーコクが持っていた槍の事、マリアと同じ首輪を着けられた兵士が首を吹き飛ばされた時あの槍で治せたのだから私も治せるハズだとマリアは踏んだのだ。

 槍はジョンの背中に背負われている


「へぇ~あの槍を使うのか、考えたね、でも残念だね、恐らく君の思う通りにはならないよ」

「どう言う事よ」

「ジョン、説明して上げてよ」

「マリアお嬢様、恐らくこの槍は生きている人間なら治せるんでしょうけど死んだら治せない」

「で、でも爆発してもすぐには死なないのでしょ?」

「その通り、そう計算されて爆発が調整されています。ですがそれは大人に使った場合の話です。子供様には調整されていません、つまりその首輪が爆発したらマリアお嬢様とネルヒムは即死する可能性が非常に高いという事です」

「え?」


 強気な顔は消え、グングンと勇気は消え涙目の子供の顔に戻る


「死んでしまったら幾ら神の力でも元に戻す事は出来ない、その勇気は買うけど無謀だったね」


 タダの足手纏いになっている自分が悔しくて震えるマリア


「お嬢様、大丈夫ですよ、心配しないで下さい」


 慰めるナサル、だが無駄


「マリアちゃんのメンタルケアをしてる場合じゃないんじゃないかな? メンタルどころか首が吹き飛びそうな時にさ」

「き、貴様……!!」

「馬鹿騎士、奴のペースに態々乗っかってどうする? 相手にするなよ」

「うっ……すまない」

「で? 離すの? 離さないの? 選んで」


 此処でエフィーを放してしまえばジャックはジョン達を置いて逃げる、そしてジャックが逃げるついでにジョン達がこの国の兵士と戦わざる終えない状況を作り出す。それは間違いない

 放さなければマリアとネルヒムが死ぬ


「どうするんだい? ジョン? どっちを選ぶんだい?」

「俺はこの手を離さない、でアンサーだ」

「!? ジョン!!」


 顔面の血が引くナサル、それは他の二人も同じ


「子供二人を殺すって事だね! 素晴らしいチョイスだ! じゃあその眼に焼き付けると良いよ! 彼女たちのかわいい顔が吹き飛ぶ瞬間をさ!」


 そう言いジャックは首輪の起爆ボタンをポケットの中で押す。

 しかし何秒経とうがマリア達の首は爆発する事無く未だに無傷でそこに存在していた。

 それを見ても取りわけ驚く事もなく、ジャックはジョンの眼を視る


「何だ。驚かないのか?」

「ワァ! 何てこった! 何故爆発しないんだい!? これで良いかい?」

「ど、どう言う事なの? ジョン」


 何故まだ自分が生きているか訳が分かっていないマリア


「マリアお嬢様があの砂漠でおねむの時にコッソリとメイヴィスに爆弾を解除して貰ってたんですよ」

「へ……?」


 間抜けな声を出すマリア


「彼女達とメイヴィスちゃんを一緒にした時点でその爆弾の事は諦めてたさ、彼女影を自在に操れるとか言ってたからね、首輪の狭い隙間にピッキングツールの様に影を入れて解除したのかな? 仕組みについては君がよく分かっているから解除をさせるのは簡単だっただろう?」

「当たり前だ。誰がこの首輪を作ったと思うんだ? 俺だぜ?」


 ジョンは解除方法をメイヴィスに伝え魔法を使わせ解除させたのだ。


「え!?」


 驚くマリアとネルヒム


「君が開発した物とは少し違ったハズなんだけどなぁ」

「お前が何をどう弄ったのか首輪の見た目を見ればすぐに分かる」

「へぇ、凄いね」

「どうでも良いお世辞を聞きたい訳じゃない、これからどうするつもりだ? 降参?」

「クククッまさか、首輪なんてカランダーン達から逃げる為に着けただけなんだ。どの道君は今、私を殺す気は無いんだろうからね、そうだろ?」


 タダでは殺さない、苦しめて殺す。それがジョンの目的なので今はジャックを見逃すのだ。

 だからジャックも最初からジョンの事は警戒していない、問題だったのはカランダーンやパーラである


「まぁ、確かに今は殺す気は無い、だからってムザムザと此処に取り残されるつもりも無いぜ」

「……分かったよ、一緒に脱出しよう、あの館までね、カランダーンも首を長くして待ってるだろうしね」

「最初からそうしろ」

「だって殺せそうな時に殺そうとしないといつまで経っても君を殺せないしね」

「物騒な奴だな、元師匠を何だと思ってるんだ?」

「カスとしか思ってないよ、さ、先に行こう」


 とジャックは言ったが何かを思い出したのか後ろへ振り返りジョンの眼を視る


「というか君達を見捨てて逃げるのはもっと後の話だったんだよね、もうちょっと君達を利用してから見捨てるつもりだったから此処まで態々ついて来たんだしね」

「俺達に何をさせるつもりだったんだ?」

「ん? さぁね、もう色々と台無しだし話たって仕方が無いよ」


 そう言いジャックは先に進み始める

 ジョンは足にしがみ付くネルヒムとマリアを見下ろす。


「大丈夫ですか?」

「え、えぇ、大丈夫よ」

「しんぱいしてくれてありがとう」

「どうやらネルヒムは風邪を引いてる様ですね」

「さっきからずっとこの調子なのよね……早く休ませなきゃ死んでしまうわ!」


 ナサルがネルヒムを抱き上げ額を触る


「すごい熱だ……」


 ナサルもこのままでは本当に死んでしまうと考えるがネルヒムの心配を煽らない様に口にはしない


「この槍を使うか? これは神の魔具で治癒の力が有るみたいだぜ?」

「そうなのか? どうやって使う?」

「この槍で対象を突く、そうやって使ってたぜ」

「な、なに? ネルヒム様にこれを刺せと? この槍が使われた所を見たのか?」

「まぁ、そうなるな、これでとある人物が首を吹き飛ばされた人魚を一瞬で元に戻した」

「……止めて置こう、危険過ぎる、外傷は治せても病まで治せるとは限らない、治せる対象が人魚のみという可能性だって有るんだ」

「何も知らず容易に使うのは軽率か……」

「そうだ。止めて置こう」

「分かった。取り敢えず、目標は達成した。後は脱出地点まで移動するだけだ。そう時間は掛からないだろうよ」

「脱出地点?」

「神が作り出した何処にでも行けるドアがこの都市の外に有る、そこに行ってそのドアを潜ればカランダーンが待ってる」

「カランダーン様に早く治して貰わなくっちゃ!」

「急ごう、ジョン、マリア様も私に」


 そう言いナサルはマリアをおぶろうとする


「ありがとう、ナサル、でも良いわ私はジョンにおぶって貰う」

「え?」

「何よ、え?って」

「それはご勘弁という意味ですよ! 折角ナサルが居るんだから彼女におぶって貰えばいいでしょう!?」

「嫌よ! 私はジョンが良いの!」

「ゲロゲロ……マジっすか?」

「何よ良いじゃないのよ、何でそんな嫌がるのよ!」


 ジョンは仕方が無くマリアをおぶりエフィーを右手で繋ぎ目の見えないキザシを左手で繋ぐ、ナサルはネルヒムを抱いている

 そんなジョンとナサルはジャックの後を小走りでついて行っている


「ジョン、一つ聞いて良いかしら?」


 マリアが問う


「なんですか?」

「何で爆弾を解除した事を黙っていたの? 教えてくれても良かったじゃない!」

「貴方に教えたらジャックにすぐにバレてしまうじゃないですか」

「何でよ!」

「貴方は思ってる事がすぐに顔に出ますからね、ジャックはそういうのを見逃さないんですよ」

「そ、そうかしら? そんなに分かりやすいの? 私」

「ビックリするくらいね、折角色々とジャックを騙す為に演技をして来たのに貴方の顔でバレては困るでしょう? 砂漠の時なんて最悪でしたよ、時間が過ぎたら解除した事がすぐにバレますからね」

「……何よ」


 不貞腐れるマリア


「ジョン、余りお嬢様をイジメるな」

「イジメてたつもりは無いんだがな」

「そ、そうよ! 私が私の僕にいじめられるなんてあり得ないわ! 何を言っているのよ! ナサル!!」

「す、すいません、お嬢様私の勘違いでした……」

「分かれば良いのよ分かれば、次からは気を付けなさい?」

「はい」

「自分の執事に舐められたとあっちゃワルクルス家の名折れですからね」

「うるさいわよ! 貴方はもう黙りなさい!」

「へいへい」

「返事ははい! でしょう!? それに返事は一回!」


 エフィーとナサルはそんな光景を見てまるで子供を叱る母親の様だと感じ思わず笑みが零れる


「何だ? その笑いは? さてはお前俺の事を内心馬鹿にしただろ?」

「いや、別にそんな事はないぞ」

「ふーん、まぁ馬鹿にされようがなんだろうが勝手にしてくれて構わんがね」

「フフフ、二人共仲が良いのね、良い事だわ」


 と今までのほほんとジョン達を眺めていたエフィーが言う


「良くないです! 勘違いしないで下さい!」

「あら、御免なさいね、フフ」

「ジョン! そろそろ、兵士だらけの広間に着くから黙ってて」

「俺はもう喋って無かったぜ?」

「そういう屁理屈はいいから」


 ジャックの言った通り、その先に広がっていた大広間の奥には外へ繋がるドアが見えるしかしそれを塞ぐ様に大広間には多くの兵士達が待ち構えていた。

 しかし彼等には闘争心の欠片も残って居なかった。


「さぁ! 退いた退いた! 邪魔だよ」

「グッ……指をくわえて姫が攫われる所を見ているしかないのか……?」

「絶対に手を出すな」

「しかし……!」

「我々ではどうしようもない、諦めるんだ」


 人魚の兵士達の間に広がる不安や諦め

 そんな彼らは簡単にジャック達に道を譲る、兵士達が退き扉まで一本道が出来上がる


「クククッ良く調教された犬達だね、愉快愉快」


 その一本道をそう言いながら兵士を侮辱しながら進む、その後ろを申し訳なさそうしているマリアにナサル、ネルヒムはナサルの腕の中で眠って居る

 ジョンは暇そうに辺りを見回している


(王の姿が見えないな、余計な事をしないよう奥へ突っ込まれたのか?)


 悔しさで唇を噛み締め血を流す兵士も居る、そしてその血は海水へ流れて溶ける

 しかしその血も無駄、ジャック達は堂々と城の外へと出て行ってしまった。


 ジョン達は無事都市から離れ、ワープゲート(扉)まで移動した。扉は何故か二つ存在している

 片方は赤色の扉、片方は青色


「なんだこりゃ、どうなってるんだ? ジャック?」

「赤色の扉があの屋敷に繋がってる扉、もう片方は……私専用の扉さ」

「お前専用だと? 何処に繋がってる?」

「そんな事教えると思うのかい? 間抜けだね、本来ならその赤の扉を破壊して私達三人で青の扉を潜る予定だったんだけどそれが君のお蔭で予定が狂った」

「そいつは良かった」

「じゃあ、もう此処まで来たんだから良いよね? キザシとエフィーを返して」

「本当にその赤の扉があの館に繋がっているのか分からないのに? 無理に決まってるだろ」

「やっぱり、そうなる?」

「その赤の扉が本当に館に繋がっているのか証明してくれよ、証明出来たらこの二人は返す。簡単だろ?」

「なら、一回その扉を開けてみればいいじゃないか、そうすれば何処に繋がっているのか分かる」

「お前が開けろ、この扉を開けた瞬間、ドカン! なんて御免だからな」

「全く……臆病だね、そこは相変わらずだね」


 ジャックはそう言い渋々と扉の前まで歩き、開く

 扉の奥には館の内部が写し出されていた。


「ほぉら、これで信用した?」

「扉の中に手を入れてみてくれよ」


 ジャックは呆れながら扉の中へ腕を入れる、扉の中に映し出された館の内部の映像がジャックの腕を飲み込み、水溜りの様に波紋が生まれる、腕を引き抜くジャック、腕は無事


「今度こそ信用した?」

「OK、信用しよう、二人を返せば良いんだよな?」

「うん」


 ジャックは青の扉まで移動しキザシとエフィーを待つ


「待って頂戴よ、貴方達だけで話を進めないで私達の意思はどうなるの?」

「……君達の意思だって? 何を言ってるんだい?」

「私達だって人間よ、これからどうするか私達の意思で決定します。勝手に決めないでって言っているの」

「つまり、私について来たくないと言ってるのかい?」

「そうです」

「あ、そう、君をあの国から連れ出してあげたのに? その足だって私達が居なければ魚の尾のままだったハズなんだよ? それなのに?」

「私は貴方が嫌いです」

「それはショックだね」

「おいおい、こんな時に仲間割れかよ」

「全く、この我が儘姫には困らされるよ、じゃあ聞くけど君はどうしたいの? 此処で私と離れてどうするつもりだい?」

「私はジョンについて行きます」

「は? お前何言ってんだ」

「貴方について行くと言ったのよ」

「何故だ? 何でそんな気分になったんだ?」

「だって貴方について行くと楽しそうなんだもの」

「おい! ジャック! この女は連れて行けよ! 厄介者を俺に押し付けるな!」

「私だってそのつもりだったさ」


 頭を抱えるジョンにジャック


「まさかキザシもジョンについて行くなんて言わないよね?」

「安心しろ、俺はそのつもりは無い」

「良かった。安心したよ」

「俺は安心できないぞ、おい馬鹿女! お前もあっちへ行け!」

「嫌よ」

「オェェ、ジャック仕事仲間ぐらい選べ」

「そんな余裕は無かったさ……まぁいいや、ジョン、彼女はあげるよ」

「は? マジで言ってるのか? 諦めるなよ、頑張ってこの女を説得しろ!」

「そうなったら、彼女は何も聞かないさ、説得するのも面倒だし……ちゃんと手綱を握っておくべきだったよ、じゃあね、ジョン! 二度と会いたく無いね、あとキザシが居なくなったらこの酸素の魔法も解けるから注意してね、アディオス」


 そう言いジャックとキザシは逃げる様に青の扉に入って行く

 取り残されたジョン


「マジ?」



 

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