第52話 強制生存権

 ジョンはライラを追いかけて遺跡の奥まで向かう、ライラが何処に向かって走っているか? 速度はどれくらいで走っているか? それはは足音で分かっていた。

 そして追われるライラもジョンの足音を聞いている、ジョンはライラにプレッシャーを掛ける為にワザと大きな足音を鳴らしながら走っているのだ。


(な、なんなのよ、あいつ……何で私なんかに構うのよ!)


 ライラの焦りは確実に身体の体力を無駄に蝕んでいる。そして次の瞬間ライラは通路の段差に躓き倒れてしまう

 膝を擦り剥くライラ、そしてそのタイムロスが致命傷となってジョンに追いつかれる


「よぉ! お元気か?」


 ライラは走り体力、水分を失い顔が汗まみれで呼吸が苦しそうなのに対してジョンは一切苦しそうな表情も浮かべずその不気味な薄ら笑いでライラに近付く


「こ、来ないで!」


 ライラが何とか前進しようと倒れたまま両手のみで地面を引きずる、が無意味なのはライラも分かっている


「無駄な抵抗は止めてさっさと来な」


 とジョンがライラの足を無理矢理持ち上げようとする


「イヤよ! イヤ!!」


 ジタバタと抵抗するライラ、ジョンはそれを見て足を離す。そして足を放したかと思ったら次の瞬間、ライラの頭を儂掴みに自分の顔の方へと向ける


「お前、自分の状況を理解しろよ、お前の嫌だ。なんて言葉この場では通らねぇんだよ、お前の”納得”なんてな! 必要としてねぇんだよ! お分かりか? お嬢さん?」


 その言葉を聞いてライラは恐怖し、そのジョンの表情にも恐怖を感じる


「い、意味が分からないわ、貴方……何故態々私を追って来たのよ……? 命の保証も無いのに! ど、どうにかしてる……狂ってるのよ! 貴方は!」

「お前の理解も必要としていない、俺はな……満足したいだけさ、自己満足をな、それさえ出来れば俺は何の文句も言わない」

「じ、自己満足……?」

「お前に恩を売ったまま死なれたら俺はどうすればいい? お前に恩を売られたままこのまま先も生きろと言うのか……?」

「……」

「いや無理だね、俺は無理だ。そんな生き方俺には出来ないね……だからお前は生きるのさ、俺の為にな、クククッその四肢が失われようともな」


 ライラは確信する、この男はおかしい、狂っていると


「分かったな? お前の意思なんてどうでもいい、生きろ、”今”はな」


 唖然とするライラ、何も答えられず何も考えられない


「まぁ、今だけさ、俺が満足したならその後首を吊って死ぬなりなんなりしてくれよ、勝手にな、その後の事はどうでもいい」


 震えるライラ、瞳から涙も出て来る


「おいおい、嬉し泣きか? ククク」


 そういうとジョンは顔を放し、ライラを担ぐ


「行くぜ」


 何も答えられないライラ

 こんな人間が居るなんて思ってもみなかったのだ……外にはこんな人間がごまんと居るのか? と考えると尚更外へ行く気が無くなる


「さっきから思ってたがお前等軽いな、ちゃんと食ってるのか?」


 ジョンはそんなライラの気持ち等意にも返さず他愛の無い質問をする

 それが猶の事ライラを不快にした。

 ジョンもその後何のことも無く地上に復帰できた。震えるライラを担いで……


「やぁ、ジョン、残念ながら無事のようだね」


 と笑顔で手を振るジャック

 そんなジャックがフッとライラを見る、すると震えて泣いているではないか


「おやおや、どうしたんだい? ライラちゃん泣いてるけど……浮気でもしたの?」

「なんてこった。何故分かったんだ? 超能力者か何かか?」

「アッハハ、冗談はさておき、何したんだい? まさか頭でも儂掴みにして何か言ったのかい? 彼女が泣くような何かをさ」


 ジャックはさっきまでスラリとしていたライラの髪の毛がクシャクシャなのを見てそう推理する


「どうだろうな」

「いや~相変わらずだね、安心したよ」


 等とジャックに迎えの挨拶をされた後

 ラライクに呼び出されるジョンとジャック


「何の用だい?」

「裁判の話だ」

「あぁ~それね、やっぱ無し」

「何? どういうつもりだ?」


 ラライクがジャックを睨む


「だって裁判なんて私の柄じゃないし、それにそういう所私、大っ嫌いだしね、だから却下、残念だったね」

「そんなモノが通ると思っているのか?」

「そりゃ思ってるよ、思って無ければこんな事は言わない」


 そこでジョンがジャックに聞く


「じゃあ、聞こうか? 何がある? お前は何をしたんだ?」

「私を見逃さざる負えないような事さ」

「何? 私がお前を見逃すだと?」

「その通り、君は私を見逃さざる負えない状況に追い込まれる、クククッ」

「何故そうなるんだ?」

「ジョン、君は知っているだろう? 今の私の後ろ盾をさ」

「ウェークとザッラーか?」

「そう、その通りだけど実はその二体だけではないんだよ、まだ数体居るんだよねぇ、君たちを裏切った神は」

「何?」

「そしてもし私が捕まったり殺されたりした時はその神達が君たちに対して戦争を吹っ掛けるという手筈になっている」

「……」


 そのジャックの言葉を神妙な趣で聞いているラライク


「君達が今から急いでウェークとザッラーを捕まえたとしても無駄さ、他の裏切り者達がこの世界を滅ぼす」

「一つ聞いていいか?」

「なんだい? ジョン?」

「その裏切り者集団は何の集まりなんだ? お花大好きクラブとかか?」

「ちょっと違うな、言うなれば人間をもっと高次元の存在にしようの会と言った所かな?」

「高次元だと……?」

「そう、この世界の全生物にメイヴィスレベルの力を与えようって話さ、簡単でしょ?」

「だからアーリン達を不死にしたのか?」

「そう、彼等は手始めさ、これからこのミュータント計画は徐々に広がって行く、君らの親しい人間も知らない内に化物にされてしまっているかもしれないよ?」

「何故そんな事をする? 目的は?」

「さぁね、そこまで私も聞いていないよ、どうでもいいしね、私も早く元の世界に帰りたいから協力しているだけさ」

「で? どうするよ? 神様よ、こいつを見逃すか見逃さないか? どうする?」

「……」

「クククッ存分に迷うと良いよ、私に少しでも危害を加えたら即作戦が決行され、この世界は人っ子一人住めない星にされてしまう、その事をちゃんと頭に入れて迷ってよね」


 結局ジャックは見逃される事になる、ラライクは今この状況でジャックを無理矢理取り押さえるのはリスクが高すぎると判断したのだ。


「いや~話が分かる人でよかったよ」

「……」

「本当、君達、神様って変な種族だよねぇ、強力な力を持っているのにそれがあんまりにも強力過ぎて一切行使出来ない、してしまったら最悪何処かの大陸が消えてしまい他の大陸も海に沈みかねないそうなったら君達も困るだから態々、神専用の裁判や留置所なんて作って物理的な神同士の激突を避けている、クククッ凄いんだか凄くないんだか分からないね」

「で? これからどうするんだ? お前は晴れて自由の身になった訳だが……」

「君が私の横にいる限り自由だとは思わないけどね」

「別に何もしねぇよ、今はな」

「今だけねぇ……まぁいいや、じゃあ次行こうよ、次は海の国だね」

「その前にエルやメイヴィスをどうにかしなきゃな」

「その二人は私がカランダーンに返しておこう」

「そりゃ有り難いな、じゃあ、今回のお仲間捜索メンバーは俺とお前、アーリンの三人になるって事か?」

「三人だけはちょっと不安だね、もう少し増やそうよ、風属性の人がいいな、風を操れる人が居なきゃ私達マトモにあっちで行動出来ないだろうし」

「お前のお仲間を呼ぶのか?」

「そうだなぁ……キザシ君は確かに風魔法使いだけど、あんまり魔法を使うのは得意じゃないんだよねぇ……ちょっと不安だなぁ」

「海の国だと言っていたな、海の国と言っても港ではなく本当に海の底に有る国と言っていたな」

「その通り、だから私達のこの口に酸素を送り込む人物が欲しいんだよ、勿論信頼できる人ね」

「お前の所の人間じゃダメならこちらの人間を使うか? 風属性の魔法使いなら一人居る」

「私は言ったよ、風を使えれば誰でも良いわけではなくて信頼出来る人が良いってね」

「そんな事言ってもな、選択肢は無いだろ? 違うか?」


 ジャックはそのジョンの問い詰めにふ~むと返し、考え込んでしまう


「全く……こいつはこうなったら長いからな、俺はアイツらの様子を見てくるぞ」

「どうぞ、ご自由に」


 とジャックはジョンにシッシッと手でジェスチャーをする

 ジョンはジャックとラライクから離れエルとメイヴィスが眠る仮宿に向かう


「よぉ、まだ生きてる?」

「えぇ、大丈夫みたいよ気絶をしているだけだってさっきお医者様が言っていたわ」


 と剣の整備をしているアーリンがジョンに言う

 カタリナは相変わらず首だけで眠っている

 マリアとネルヒムは涙目でエルとメイヴィスの近くに座っていた。

 ライラの姿は見えない

 そしてその部屋にジョンが入った来た事によって今まで不安そうにしていたマリアとネルヒムの顔が少し明るくなる


「ジョン、貴方は無事で良かった……」


 と言いながら近付いて来るマリア


「ジョン君……二人は大丈夫なんだよね? 心配要らないよね?」


 と不安そうにジョンに問いかけるネルヒム


「この村の医者がそう言っていたみたいですよ、そいつがヤブ医者なのかどうかは知りませんがね」


 ジョンはそう言って余計、ネルヒムを不安にさせる


「や、止めなさいよ! ジョン、冗談でもそういうことを言うものではないわ!」

「あらあら、俺は冗談のつもりで言った訳では無いんですけどねぇ」

「尚更たちが悪いわよ!」


 そう言いマリアはいつもの様に全く……と言いながら腕を組み不貞腐れるのであった。

 ジョンはエルとメイヴィスが心配要らないと見ると部屋を速攻で出ていった。

「ちょっと! ジョン! 何処へ行くの!?」

「あっちですよ」


 ジョンはてきとうな所を指差す。


「どっちよ!」


(多少は元気が出てきたようだな、小うるさいが)


「まぁ、兎に角、二人もまだ生きている様ですし良かった良かった」


 と言いながら部屋を退出するジョン、この場の空気に耐えきれないマリアとネルヒムもその後を追う


「えぇ~ついてくるんですか? 勘弁して下さいよ~」

「い、いいじゃないのよ! 私だって気分転換がしたいわ!」

「ふーん……なら勝手にして下さいよ」

「何よその言い草は! 生意気よ! 生意気!!」


 そんな二人のやり取りを何処か安心した様な様子で見守るネルヒム

 次にジョンはマリア達を引き連れたままライラの元へ向かう

 ライラは村外れの砂丘の上で空を見上げていた。

 そんなライラにズカズカと近づいていき声を掛ける、その声に配慮の二文字はない


「お元気か? ライラ」


 ジョンの方も見ず、無視をするライラ

 無視をされたのでジョンはライラに砂を掛けるジョン、これには思わずライラも反応してしまう、マリア達はそんなジョンに対して何をしているの!?と怒る


「ゲホッゲホッ……! な、何をするの!?」


 目や鼻、口に砂が入り、ライラの身体がその砂を必死に外へ出そうと涙を出し咳を出している


「お前が俺を無視をするからだ。こうなるのは当然だろ? 次砂をぶっ掛けられたくなければ俺を無視しないことだ」

「無視されたからってやり過ぎよ! 謝りなさい!」


 とマリアがジョンに言う


「それはまっぴら御免です」


 マリアの言葉をその一言で一蹴するジョン


「な、なんですって!? 何が御免なのよ!」

「こっちには無視をされ俺の心が傷ついたのでその埋め合わせとしてこの女に砂をぶっ掛けたというちゃんとした”正義”が有るのに謝るなんて御免だと言ったんですよ」

「正義って……何処が正義なのよ……」

「俺がそれは正義だと言ったらそれは俺の正義になるんですよ」

「め、滅茶苦茶よ……」

「良かったわ、やっぱり貴方外の世界でもそういう扱いの人なのね……少し希望が持てたわ」


 ライラは外はもしかしたらジョンの様な人間がウジャウジャとしている魔境か何かだと本気で思っていたのでホッと胸を撫で下ろすライラ


「それで? 何の用なの?」


 とそこでライラはジョンの方へ顔を向ける

 それまで空に顔を上げていたのでジョンの方からではしっかりとライラの顔を確認する事が出来なかったのだ。

 それなので当然マリア達も初めてその顔を見ることになる、それなので当然こうなる


「ナサル! 無事だったのね!? よかった」

「ナサルお姉ちゃん!」


 とマリアとネルヒムが安心しきった顔をしながらジョンを離れライラに近づいて行く

 それを見て益々ナサルに嫉妬をするライラなのであった。

 少女二人に囲まれるライラ、彼女は少女達の知り合いのナサルだと勘違いされている所をジョンは半笑いの表情で眺めている

 そして少しして少女達も気が付くこの人はナサルではないと……先に気が付いたのはマリア


「違う……この人はナサルでは無いわ」

「え、お姉ちゃんはナサルお姉ちゃんじゃないの……? でもソックリだよ? 嘘だよ」

「嘘ではないわよ、ちゃんと見てみなさいな、顔はソックリだけれど雰囲気が全く違うわ、それに本物のナサルなら私達にそんな表情は見せないわよ」


 ライラの表情はどうしようもないくらい暗い表情をしている、本物のナサルならばマリア達にはそんな表情を見せず笑顔で接するとマリアは言っているのだ。


「で、でもぉ……」


 しかしネルヒムはマリアの主張を認めようとしない


「ジョン! どういう事なの! ちゃんと教えなさいよ!」

「……え? 俺ですか?」


 すっと呆けるジョン


「他に誰が居るのよ!」

「それもそうですね、それじゃあお答えしましょう、マリアお嬢様の仰る通りそこの女性はナサルではありません、顔はソックリですけれど別人です。名をライラ」


 ジョンのその言葉を聞いてネルヒムもようやくライラがナサルではないかと疑い始める


「お姉ちゃん、ナサルお姉ちゃんじゃないの?」


 ネルヒムは寂しそうな表情で目を潤ませながらライラの目を見る、なのでライラは答えるのに少し戸惑う、ネルヒムから視線を反らせることで答えるまでに至る


「そうよ……私がナサルという人ではないの、分かったら、私から離れて」


 とライラは抱きついているネルヒムを冷たくあしらう

 しかし離れないネルヒム


「でも、お姉ちゃん泣いてるよ?」

「えっ?」


 そうネルヒムに言われ初めて自分の頬に流れる涙に気が付いたライラ


「悲しんでしょ? だからここに私がいるよ、大丈夫だよ」


 とニコッと笑顔をライラに向けるネルヒム、その笑顔に操られ思わずネルヒムに抱きつくライラ、そして大声で泣き叫ぶ

 それを笑顔で抱きしめるネルヒム、白い小さな手だがこの時だけはライラの全身を抱きしめる

 それを見てマリアも心打たれる、そしてネルヒムを尊敬したのだ。こんな事は私には出来ない、そう思うマリア


「超ウルトラ感動的な所ですけど良いですか?」


 と空気を一切読まずマリアに話し掛けるジョン


「何よ、今は止しなさい」


 と小声でジョンに答えるジョン


「暑くありません? 泣くのは良いですけど場所を選んで欲しいですね、こんな所で水を目からダーダーと流したら脱水症になりますよ、命の危機ですよマリアお嬢様」

「……まぁ、確かにそうかもしれないわね……命の危機だと言われてたらそうかも」


 感動的な場面で本来場外の人間は空気を呼んで黙っているのがお決まりだが今黙ったまま見ているとその内バタンと倒れて一生起き上がらないという事も有り得るのでジョンとマリアは協力してネルヒムとライラを必死に引き剥がし担ぎ或いは抱き抱え、室内に運ぶ二人


「まったく……台無しね」

「仕方なしですよ、マリアお嬢様も今度感動ムードを出す時は場所と時間を考えて下さいね」

「……」


 ジョンとマリアはライラとネルヒムを安全な所に放置し

 二人は外で今度こそ気分転換の為、散歩を始める


「ふぅ…‥あそこならいくら泣いても大丈夫よね?」

「さぁ、此処はそもそも気温が高いですからね、直射日光を浴びながら泣くよりもマシなのは間違いないでしょうけど」

「あとで様子は見に行きましょう、良いわね? ジョン」

「はいはい」

「返事は一回になさい!」

「へいへい」

「言い方を変えてもダメよ!」

「ワガママですね、マリアお嬢様は」

「何で私になるのよ! ワガママなのは貴方よ!」


 気分転換どころかストレスが溜まり始めるマリア


「全くもう……!」


 と腕を組みそっぽを向くマリア


「暑くありません? マリアお嬢様」


 ジョンのその問いかけにフンとしか返さない


「えぇ~何ですかそれ格好つけてるんですか? それ止めたほうがいいですよ、大して格好良くありませんし」

「うるさいわよ!」


 その後、空気が最悪のまま散歩は続けられるマリアにとってこの散歩は気分転換どころではなくなってしまった。

 そしてジョンは散歩がてらこの村の村長・デリリと会う


「何かありましたか? ジョン様?」

「一応報告しておこうと思ってな、ラライクの糸は取り上げられたという話はしたがずっと前にあの洞窟へ捜索で入ったこの村の兵士の事だ」

「……」


 今まで笑顔だったデリリはそのジョンの言葉を聞いた途端に神妙な表情でジョンを見る


「もう既に諦めているとは思うが、アイツ等はあの洞窟で白骨になって死んでいた」

「そう……ですか……報告していただきありがとうございます」

「死体を取り出したきゃラライクにでも頼むんだな」

「そうですね……そうします」

「じゃあ達者でな」


 そう言いジョンはデリリの元を去る


「あの洞窟で人が死んでいたの?」

「えぇ、何人か死んでいましたよ」

「そう……苦しんで死んだのかしら……? そうでなければ良いのだけど……」

「餓死で死んだようですからね、苦しんだんじゃないですか?」

「……悲しいわね」


 マリアは悲しそうに俯く

 そんなマリアを見てジョンは笑う


「な、何を笑っているのよ!」

「クククッ申し訳ない、貴方の顔がなにか面白くて思わず笑っちゃいましたよ、ククク」

「……何が面白かったのよ、顔も見えなかったでしょうに……」


 ジョンたちは散歩を終わらせ、ラライクの元に戻る


「俺の用事は終わった。これからどうするんだ? 決まったのか?」

「決まったよ、取り敢えず海の国に行くよ、二人を救出の為にね、彼等と交渉するのはその後、それで良いんだよね? ラライク」

「あぁ、それでいい」

「ラライクは納得がいっていないといった様子だが良いのか?」

「そりゃ納得はしてないだろうね、私が無理矢理にさせたんだからさ、でもそんな事関係ないよ、だって私は彼が納得しようがしまいがそんな事どうでもよろしいんだもの」

「あっそ、ならいいんだが」

「じゃあ、ラライク、ワープの準備をしておいてね、私たちは人を呼んでくるよ」





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