第35話 佳音唯桜の完堕ち2
結局あれから一日、デートは素敵すぎた......。
あたしの行きたいとこ見たいとこに合わせてくれるけど、要所要所でリードしてくれて、話題も豊富でおしゃべりも楽しい。
服を見て合わせてたら、「それも似合ってるね」なんて言って片っ端から全部買っていくし。
歩いてる途中で何度も目が合って、そのたびにすっごい可愛い無邪気そうな笑顔を向けてくれて。
恋人握りしながらときどき手をギュッギュッって握り込んできてドキドキしたし......。
「じゃあそろそろ」
「......もう、解散なの?」
まだ22時だし、もうちょっとくらい一緒にいたいな......。
っていうかなんならあたしは一線越えちゃう気持ちで来てるんですけど?
「解散? 何言ってるんです?
「ふぇ!?」
「とりあえず俺の家に行きましょう」
「あ、あうぅ......」
そのまま、あたしは知火牙くんの勢いに圧されてテンパったまま、温かい手に引かれて彼の家に向かった。
*****
「チカ......その人が新人さんなの? その金髪もお化粧も格好も、いかにもビッチそうだね。
何この子、小さくて可愛らしい見た目のくせに、めっちゃ口悪くて失礼なんですけど?
「はじめまして、
な、なんでこの子、あたしのこと、そこまで知ってるの!?
「ちーくんが言ってた乳首ピアスさんね。ちーくんの彼女の中に、年上の女は私だけでいいんだよ。ま、彼女はともかく、お嫁さんは私だけだから関係ないんだけどさ。一番大事な青春時代をちーくんと一緒に過ごしてアオハルできなかった子たちはみーんな相応しくないからね。とりあえず、間違ってもこんなビッチさんにちーくんの赤ちゃん産ませるわけにはいかないし、この人の子宮、使い物にならないようにしてもいーい?」
この中で一番睨んでくるんだけど......。
知火牙くんの部屋に入った途端、目に飛び込んできたのは3人のタイプの違う美少女たち。
多分......というか絶対この子たちが知火牙くんの言ってた彼女さんたちなんだろうね。
今晩は知火牙くんと2人っきりの甘い夜になると思ってたのに、こんな仕打ちヒドイよ。
知火牙くんを睨みつけてもヘラヘラしながらあたしの頭をなでてきてお腹の奥をキュンキュンさせてくるのがウザすぎる。
しかもいきなり散々な言われようだし、3人全員から不穏なこと言われてるしで萎えるんだけど。
「ビッチビッチうるさいんだけど? あたしまだ処女だし。っていうかそういうみんなの方が知火牙くんに相応しくないんじゃない? 初対面の人にそういう言葉遣いはどうかと思うよ。外面は綺麗に取り繕ってるけど、その内面が腐りきって臭い発してるしネバつき始めてるってのが露呈しちゃってるね? 知火牙くんのために身も心も全部捧げる勇気もないんだよね? その程度の愛ならすぐに捨てられちゃうだろうし、あたしが知火牙くんを慰めてあげるから、さっさと消えてくれていいよ? それともあたしが代わりに埋めたげようか?」
バチバチ火花飛んでる。
これはあたし、絶対この子たちと仲良くできないわ。
予想外の展開はあったけど、知火牙くんの彼女ポジションにはなれたし、次はこの子たちを埋める算段を整えるだけ。
よくもこれまであたしの知火牙くんを散々汚してくれたね。お礼は弾むよ。
「みんな昨日話したから知ってると思うけど、この人が佳音唯桜さん。俺の大事な大事な4人目の彼女だよ。危害は加えないこと。いいね?」
知火牙くんが目が笑ってないニコニコ笑顔でそう言うと、みんなビクッと肩を震わせて渋々ってな顔で納得してた。
そんでもって、その直後の『みんないい子だね。よしよし。愛してるよ』なんて本当に優しい声で撫で回されて恍惚の表情を浮かべる3人。
この子たちがどれだけ知火牙くんに調教されてるかが伺い知れる。
あたしはそこまで知火牙くんに主導権を握らせたりしない。この子たちはある意味反面教師として優秀だね。
「それで唯桜さん。いきなりですみませんが、この3人が俺の最愛の彼女たちです。
「あ、う、うん。そっか、あたしが最年長か〜。みんな、よろしくね?」
さっきはあんまりな言われようについ言い返しちゃったけど、知火牙くんの手前、ここはある程度いい顔しておかないとね。
それに、そのうち埋められちゃう可哀想な子たちだと思えば溜飲も下がるってもんだよ。
「それじゃあみんな、今日は唯桜さんを2〜3回気絶させたら全員でヤるからたくさん濡らして待ってて。俺が呼ぶまで寝室に入るのは禁止だよ? もちろんいつも通りドアの前で声を聞いてスるのはいいよ」
............え? あたしを2、3回気絶させる? 全員でヤる?
3人とも、背筋に電気が走ったみたいにブルブルって震えてたし......。え、なに、もしかしてとんでもないことが起ころうとしてる?
「じゃ、唯桜さん。シャワー浴びて、ゆっくりしましょう」
「ちょっ、ちょっと......」
「あ、お風呂は入らずにシたい派ですか? 俺はそれでもいいですよ?」
「ち、違うから! もう! お風呂どこ!?」
初めてのえっちが臭いままだなんてイヤ!
このあと何が起こるのかはまだよくわかんないけど、とにかく早くお風呂入って覚悟決めよう!
*****
4時間後。あたしは年上としての尊厳を全部失った。
知火牙くんの宣言通り、何度も気を失って。
あたしは一度達したら深すぎてしばらくは疲れて休みを取りたくなるタイプらしい。
しかも、知火牙くんもこれまで見たことないってびっくりするくらいあんまりにも速いみたい。
だから知火牙くんはあたしの身体はすぐにイってシたい気持ちがなくなってしまうちょっと開発しにくいタイプだって言ってた。
そのせいで途中からは、知火牙くんはあたしが限界を超えないよう寸止めばっかり。繰り返される度に間隔はどんどん短くなるし刺激は強くなって頭がおかしくなっていった。
最後には、「もう耐えられないから」って言ったら、『もっと気持ちよくなりたかったらおねだりしてね』なんて言われて。
コンプレックスだった部分も、知火牙くんのために新しく身に受けたものも、自分の女としての武器を全部全部使って知火牙くんに媚びて。
他の子たちと仲良くするってことも承諾させられて。
恥ずかしくて情けなくて死にそうなのに、知火牙くんの『愛してる』の一言で全部許せると思ってしまうあたし。
......ほんと、情けない。
「ふぅ......唯桜さん。すげぇよかったですよ。一生、俺以外のものにはさせない。心移りさえ、させませんからね? 覚悟できてるんですよね?」
「はぁ、はぁ......は、はひ......」
覚悟......できてなかった。ここまで凄いなんて予想すらしてなかった。
あたしはヘトヘトなのに知火牙くんは深呼吸1つで息も元通り。体力だけじゃない。あたしが付け焼き刃で勉強してきたテクとかも知火牙くんのそれと比べたら可愛いもんだった。
あたしの前に何人も何人も女の子をダメにしてきたのがわかる知火牙くんのテクニックに、また悲しくなって。でも、身体を貫いて脳を犯す快楽の電気信号に屈服させられてどうでもよくなる。
「じゃあ、そろそろみんな呼びますね」
「はへ......?」
「みんな、入ってきていいよ〜」
知火牙くんがそう言うと、寝室のドアが勢いよく開かれて、3人の娘たちが走り寄ってくる。
「チ、チカ......藍朱、もう......ムリっ。早くして!」
「知火牙! ボクが一番食べ頃だよ!」
「ちーくん、私! 赤ちゃん! 今すぐ赤ちゃん作れるから!」
あたしもベッドから身体を起こす元気すらなかったけど、頑張ってチラっと視線を向けてみる。
そこにはパンツを元からその色だったのかと錯覚するほどビチャビチャにして、発情期のサルみたいに知火牙くんに迫る3人娘。
お漏らししてだらしなくのびてるあたしから見ても、女として無様すぎると思う。
やっぱりこんな情けない子たちに知火牙くんは任せておけない。できるだけ早くこの子たちを地面に埋めて、知火牙くんの心のスキマをあたしが埋めてあげないと。
しばらく表面上仲良くするくらいなら問題ないはず。
「それじゃあみんな、俺はちょっと休憩しながら見てるから、みんなでしてみてよ!」
「「「「え?」」」」
「これから4人ですることも多くなるだろうし、俺からだけじゃなく、みんながお互いのことをよく知っていくことも大事だと思うんだ。それに俺、みんなが仲良くしてるところ見たいんだ!」
こ、この男はいったい何言ってるの?
あたしたちに女同士で慰め合えってこと!?
「ち、知火牙! ボクはヤだよ!? 知火牙のがほしいのに!」
あ、ボクっ娘の子......。確か......衣莉守ちゃん、だっけ?
そうだそうだ、言ってやれ!
「衣莉守......。じゃあ、今晩は衣莉守はなしでもいいの?」
「............ヤダ」
「じゃあ、できるよね?」
「............ヤダ」
「んー、衣莉守は今日もワガママ可愛いね。でも、お願いだよ」
「うぅ......そんな目で見てきたってボクは......」
ちょっと! さっきまであんなに強気だったくせに、なに簡単に折れそうになってるのよ!
「お願いだよ衣莉守。藍朱も玲有さんも。お願い」
「「ううっ......」」
他の2人も! もっと拒絶しなさいよ!
「来週の土日は2日とも、最後まで意識を保ってた子だけと過ごそうかな」
土日? どゆこと?
「「「このクズっ! ヒトデナシ! 最低男! 死ぬほど楽しいデートにしてとびっきり気持ちよくしてくれないと、殺すからね!」」」
..................こんな言葉ハモれるなんて、この子たち、仲良すぎでしょ。
「ふぅ......。そういうことなら、ねぇ、みんな? 私たちでイカせ合う前に、まずはこの限界を迎えてる新人さんをトバすのが良いと思うんだけど、どうかしら?」
「はへ?」
「「異議なし」」
この日、あたしはこのメンヘラ女どもを絶対に許さない、絶対に埋めるって決めた。
あと、知火牙くんはいつかお仕置きしてやるってのも、決めた。
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